2022年6月3日金曜日

「馬だ! 馬をよこせ! 代わりにわが王国をくれてやる!」 Bosworth 1485 - Blood & Roses (GMT) AAR ①

  1455年から30年間続いたイギリスの内戦が薔薇戦争。ランカスター家とヨーク家が王位をめぐって争ったらしいが、GJ65号のリプレイマンガが自分の基本知識である。この戦争を締めくくったのが今回プレイしたボスワースの戦いで、ヨーク朝のリチャード3世をヘンリー・チューダー、のちのヘンリー7世が打ち破った戦いである。SNSで知り合ったこーちゃさんに教えていただいた、ヘンリー7世を描いた「冬の王」という本が面白かったので(実際に読んだのは"Winter King"のほうですが)ヘンリーの見せ場であるこの戦いをやってみた。アニメ「薔薇王の葬列」放送に便乗して、というわけではない、けど、ほんと日本の漫画・アニメっていろんなジャンルの作品があるよね。なおゲームは今回もMen of Ironシリーズで、使用したのはTri-pack版である。



 初期配置は上の写真のとおり。ヨーク側、リチャード軍の最後尾にはノーサンバランド伯ヘンリー・パーシーの部隊(青)がいる。パーシー家は代々北イングランドの要職を歴任していたが、リチャード三世が甥にイングランド北部を任せるようになって、ノーサンバランド伯パーシーはリチャードの元での出世に見切りをつけたそうだ。そのためこの戦いの最中はリチャードの命令に反して動かなかったらしく、活性化値はなんと1である。しかも通常は活性化チェックが不要の自由活性化でも、ノーサンバーランドはチェックが必要となる。

 ヨーク軍の前衛、ノーフォーク公ジョン・ハワードの部隊(緑)は長弓兵中心で打撃力にはやや欠ける。主力はリチャードの直接指揮下の部隊(黄)となるだろう。

 一方のランカスター側は、オックスフォード伯ジョン・ド・ヴィアーの部隊(黄)の後ろにヘンリー直属部隊(黒)。ユニット数は5と少ないが、そのほとんどが重装騎兵であるMM(Mounted Men-at-Arms)である。

 マップ右下にはスタンリー兄弟の2部隊がいる。こいつらは一応リチャードの配下で、ヘンリーの右翼を攻撃してくれたらいいのだが、実際の戦闘ではずっと日和見で最終的にリチャードを裏切った。大まかに言って関ヶ原の小早川秀秋という感じか。このゲームでもランカスター側がスタンリーを裏切らせるルールがある。


 ゲームはヨーク軍の活性化から始まる。ノーフォーク隊(緑)は長弓兵が6ユニット、かたやオックスフォードの長弓兵は3ユニットに射程と威力に劣る弓兵が2と、ノーフォークのほうに分があるため、まずは射撃戦を仕掛ける。その間、リチャード隊は地形的に障害が少ないマップ左方に展開を目指す。

 これに対してヘンリーはスタンリーに近寄り、裏切りを促す。ヘンリーが近くにいればスタンリーの裏切りチェックでサイの目が有利になるのだ。またマップ右側にシフトすることで、騎兵にとって不利な地形である沼地にリチャード軍を誘導し、身動きが取れなくなったリチャードを討ち取れれば理想的である。シェイクスピアの史劇「リチャード三世」では、戦いの最後にリチャードが突撃。馬を失い、「A horse! A horse! My kingdom for a horse!(馬だ! 馬をよこせ! 代わりにわが王国をくれてやる!)」と叫んで討ち取られる、というクライマックスがある。あのシーンを再現してやるのだ。




つづく



(以前、SNSマストアタックに書いたものです。修正を加えている場合があります)

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