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2025年10月19日日曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ 「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part5

 ●第3ターン

 前ターン、包囲網を突破したフランス軍の攻撃で大きな損害を受けたロシア軍だが、敵は攻撃・追撃をして分散し、しかも1スタックは混乱状態となっているのだ。今反撃しなくてどうする。ロシア軍はSomovのイニシアティブ値を使って、今ターンも命令下にできるかどうか賭けに出る。気合を入れて振ったサイコロ(Vassalなんで、気合を入れてサイコロボタンをクリックだけど)の目は3でチェックに成功。おっしゃ、仏騎兵を袋叩きだ。

 ロシア軍はフランス軍右翼(マップ下方)の混乱状態のスタックを歩兵2ユニットで包囲。混乱状態になっても仏親衛擲弾騎兵は士気6と強力なのだが、戦闘力は両ユニットともわずかに1。敵歩兵の集中攻撃を防ぎきれず敗走を余儀なくされるものの、包囲されていたため壊滅した。

 このシナリオでの勝利得点は敵ユニットを壊滅させると通常2点を得られるのだが、親衛擲弾騎兵はなんと5点なのである。今回のスタックの壊滅で仏軍は一気に7点を敵に献上してしまい、ロシア軍の累計勝利得点は9に上った。仏軍の得点は13なので、また仏騎兵スタックが包囲、壊滅すると逆転となる。


 ロシア軍によって各スタックが分断、包囲されてしまったフランス軍だが、中央では前面にいる混乱状態のSomov騎兵を攻撃、壊滅させる。そして下方では、Sackenの砲兵の横をすり抜け、混乱状態の歩兵を攻撃、敗走させた。Jours de Gloireシリーズでは砲兵はZoCを持たないため、歩兵とスタックしていないとこういうことが起きてしまうのだ。


 仏軍の攻撃でボロボロのSacken隊は敵騎兵に接敵して機動を阻害するぐらいしかできない。混乱状態のユニットも、士気が低いためなかなか回復しないのである。

 そんなロシア軍をしり目に、仏軍は敵に襲い掛かる。そしてマップ上方で混乱状態だったスタックは、ロシア軍騎兵によって回復を妨害されていたが、やっと2ユニットとも正常状態に戻った。

 ターン最後の敗走移動フェイズではロシア軍歩兵2ユニットが盤外に。これでフランス軍の勝利得点は20となった。



●第4ターン

 かなり兵力が減少しているロシア軍だが、マップ右下端の仏スタックを歩兵と砲兵のスタックで封じ込めた。


 このシナリオはかなり短く、今回が最終ターンである。敵より7点以上得点が上だと勝利で、勝利得点でフランス軍はロシア軍を大きく上回っている。マップ下方で動きを封じられた自軍スタックは集中攻撃を受けると後退できないので危ないが、それでも時間を稼げば勝ちである。

 だが、親衛騎兵がそんなセコい勝ち方できるか!  敵はもう崩壊寸前だ、突撃!  突撃!  とマップ上方の2スタックがSomov隊に襲い掛かる。ロシア軍騎兵は仏親衛騎兵の敵ではなく、次々と敗走していった。


 ロシア軍は最後のあがきで使える戦力をかき集めて攻撃する。騎兵1ユニットが移動力8を活かして後方に回り込み、歩兵2ユニットともに仏軍1スタックを包囲。DRM+3となり、仏親衛騎兵は後退できずに壊滅してしまった。そのうち1ユニットは親衛擲弾騎兵なので、計7点をロシア軍は獲得。やっぱりフランス軍は変にこだわらずに後退したほうがよかったか。 

 とはいうものの大勢は覆らず。ターン最後には敗走移動でロシア軍騎兵2ユニットが盤外に消えていった。結果、フランス軍の損害は親衛擲弾騎兵2ユニットを含め5ユニットの壊滅でロシア軍は計16点。ロシア軍の損害は壊滅12ユニット、計26点で、仏軍の圧勝となった。これでLepicも無事généralに昇進することだろう。


 この「親衛擲弾騎兵の突撃」シナリオ、ターン数は短くユニット数も少ないのでサクッとプレイできる。VaeVictis178号付録の「La Garde veille!」収録の二つのシナリオのうち一つだから、ミニミニゲームなのは当たり前なんだけどね。フランス軍親衛騎兵を思う存分暴れさせたい、という人向けかな。でもちょっと判断を誤ったり運が悪かったりすると、ロシア軍が数の暴力で袋叩きにしてくるので気が抜けない。それと、Jours de Gloireシリーズは多く出ているので、その導入といういうか練習シナリオとしても適しているんじゃないかな。


 ところでアイラウ戦での仏騎兵の突撃だけれども、仏中央のオージュローの軍団が敗走し、ナポレオンが危機に陥ったとき親衛隊が反撃、そしてミュラが騎兵を率いて突撃した、と言われている。このミュラの突撃は結構有名なようで、ヒストリカルノートではune des plus formidables charges de l'histoire(歴史上もっとも凄まじい騎兵の突撃の一つ)なんて書かれている。でも実際どうだったのか、ナポレオニック関連ではいつも勉強させてもらっているサイト「祖国は危機にあり!」と「祖国は危機にあり!(La partie en danger)関連blog」では様々な資料に当たって考察されているので、ご興味ある方はどうぞ。

1807年2月8日 アイラウ

吹雪の騎兵突撃

アイラウ 3









2025年10月14日火曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part4

 ●第2ターン(続き)

 ロシア軍に囲まれてしまったフランス軍親衛騎兵。包囲されていない唯一のスタックは混乱状態である。フランス軍危うし、と言いたいところだが、包囲下の仏軍主力の正面にいるSackenの歩兵は3ユニットとも混乱状態なのである。そのうち2ユニットは砲兵とスタックしているが、そんなもの、Lepicにとっては<< Haut les têtes, la mitraille, c'est pas de la merde! >>である。……と気合で突っ込む前に、確率を一応計算してみると砲撃力3のSackenの砲兵が士気7の仏擲弾騎兵を防御射撃で混乱させる確率は8%に過ぎない。そりゃ砲弾なんか意に介さず突っ込むよね。「突撃! 突撃!」である。フランス軍騎兵の猛攻を支えられるはずもなく、Sackenの兵は散り散りになって敗走していった。

 ちなみに「頭を上げろ、これは砲弾だ、ク〇じゃないぞ!」っていう叱咤で知られるLepicだが、敵の包囲を突破したものの負傷し、しばらくの間自分だけでは騎乗することはできなくなったそうだ。ヒストリカルノートによると、Lepicの部隊は全滅したとナポレオンは思っていたが、親衛騎兵の帰還を見て喜び、Lepicをgénéralに昇進させた。ナポレオンは« Je vous croyais pris général, et j'en avais une peine très vive. »(もうすでにgénéralに昇進させていたと思っていた。本当にすまない)って言ったそうだけど、これってナポレオン流の人心掌握術なのかな。そう言われてLepicは« Sire, vous n'apprendrez jamais que ma mort! »って応えたらしい。これ、意訳すると「陛下、自分は戦場で死ぬ覚悟です!」って感じになるかと思う。ナポレオン時代のフランス軍の階級ってよく知らないんだけど、généralの中でも一番下のGénéral de brigade(准将)になったってことかな。Lepicはその後スペインのFuentes de Oñoroの戦いやロシア遠征、1813年のドイツ戦役やその翌年の国内戦役を戦い抜き、ワーテルローにも参加したそうだ。

 

 ボロボロになったSacken隊だが、ここでやっと砲兵が気を吐き、至近距離からの砲撃で士気6の仏騎兵1ユニットを混乱状態にした。自隊砲兵の奮戦を見て気を取り直したか、先ほどの仏騎兵の攻撃で敗走状態となっていた歩兵2ユニットが奇跡的に回復した。敗走状態のままだとターン最後の敗走移動フェイズに盤外に逃げ去ってしまい壊滅扱いとなるので、ロシア軍としてはかなりありがたい。


 再び仏軍の活性化。敵に囲まれてほぼ身動きできない状態は変わらない。攻撃あるのみ。混乱状態の砲兵と歩兵のスタックを蹴散らし、敗走させる。Somovの騎兵は敗走する自軍に巻き込まれて混乱状態となってしまった。そして仏軍は敵の至近距離からの砲撃をものともせず、砲兵を蹂躙する。さすが親衛擲弾騎兵。だが、先ほどのSackenの砲撃で1ユニットが混乱状態となっていた仏軍下端のスタックのうち、残る1ユニットがSackenのスタックを攻撃するものの、砲兵の返り討ちにあい混乱状態となった。これで仏軍下端のスタックは2ユニットとも混乱状態である。

 ターン最後の敗走移動で露軍歩兵2ユニットが盤外に消えた。ロシア軍はこのターンの仏軍の攻撃で大きな損害を受け、累積損害が歩兵3,擲弾マーク付きの歩兵1、砲兵2ユニットで、仏軍の勝利得点は計13。ロシア軍の歩兵は一部に擲弾マークがついていて、普通の歩兵は壊滅すると2点のところ、擲弾付きだと3点なのである。一方、仏軍の壊滅は1ユニットにとどまっており、露軍は2勝利得点のみだ。だが、仏軍は半数が混乱状態となっており、精鋭ぞろいの親衛騎兵といえども衝力はかなり落ちている。


(つづく)


2025年10月10日金曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part3

 ●第1ターン(続き)

 仏軍の2回の攻撃を受けたロシア軍に、Somov隊の活性化が回ってくる。

 この「La charge des grenadiers á cheval」シナリオでロシア軍の悩みどころなのが、Somov隊を制限なしに行動できるようにするかどうか、という点である。というのも、Somov隊は非命令下(Sans Ordres)なのだ。Jours de Gloire(JdG)シリーズでは命令下(Ordres Reçus)の部隊は通常通り行動できる一方、非命令下だと移動力半減で攻撃を行おうとする際にもチェックが必要になる。ロシア軍の半数以上を占めるSomov隊がこんな感じで行動に足かせがあるんじゃかなり不利、となるところだが、JdGシリーズでは非命令下の部隊は、1d10を振って活性化チット(MA)のイニシアティブ値(valeur d'initiative)以下を出すと、命令下と同じ状態になる。ただし失敗すると移動も攻撃もできなくなるため、オールオアナッシングに近いギャンブルである。Somov隊のイニシアティブ値は5なので、成功の確率は60%。うーん、悩ましい。

 ただMen of Ironシリーズやっていると、動いてほしい部隊が動かなかったなんてことは日常茶飯事だし(それがまた歯がゆくもあり面白いところだと思うんだけど)、安全策をとるよりもギャンブルに出たほうが面白いと自分は思うほうなので、Somov隊はチェックを行うことにした。チェックに成功すると制限なしに行動できるだけでなく、このシナリオでは既述のとおり仏軍と露軍が交互に活性化していくのだが、Somov隊が命令下で活性化した次のターンは、露軍からになる。今はもう第1ターンの最後で、次のターンも露軍からということは、今回チェックに成功すれば2回続けてSomov隊を動かせるのだ。これぞギャンブルの醍醐味。


 ということで露軍はSomovのイニシアティブ値を使ってチェックを行い、成功。Somov隊の砲兵はSackenより強力で砲撃力5なので、砲撃で敵を混乱させたところに側面から回り込んで攻撃、と思いきや、士気の高い仏騎兵は露軍の砲撃に動揺せず。やっぱLepicの親衛騎兵だからね、砲弾なんかにひるむわけないよね。

 だが露軍はスペースが開いているマップ左方に回り込み、仏軍右翼を守っていた騎兵1ユニットを3ユニットで攻撃。DRM+4の攻撃にたまらず仏騎兵は退却するものの、士気チェックには耐えた。

 


●第2ターン

 先述のように、Somovがチェックに成功し命令下となって活性化したため、このターンは露軍からとなる。当然、前ターンの最後に引き続いてまたもSomov隊が動く。このターンもイニシアティブ値を使って命令下にできるチェックを試みるのだが、Somov隊は前ターンの攻撃でマップ左方に展開したため、左翼と右翼の戦術グループ(groupe tactique)に分かれている。チェックは戦術グループごとに行わなければならず、左翼(マップ左方)のグループは成功し命令下になったものの、右翼は失敗し何もできなくなってしまう。

 Somov隊左翼は騎兵1ユニットが移動力8の快速を生かして仏軍後方に回り込む。そして前ターン攻撃した仏騎兵1ユニットを再びDRM+4で攻撃。たまらず仏騎兵は混乱状態になって後退、そこに露軍が追撃をかける。仏軍は敗走状態となって再び後退を余儀なくされるも、さきほど回り込んできていた露騎兵が後方にいたため退却できず壊滅。この結果、仏軍の主力である3スタックが包囲されてしまった。 

 これってまさに、このAARの一回目で紹介したLepicのエピソードと同じ状況である。対人プレイをしていたら、ロシア軍プレイヤーは降伏勧告をするんだろうなあ。仏プレイヤーは、「わが騎兵が降伏するように見えるか!」って言い返すんだろうなあ。で、待ってましたとばかり

「ラ・シャルジュ! ラ・シャルジュ! エ・ヌ・パスロン!」

って言うんだろうなあ。

でもロシア軍は「¡No Pasarán!」って返して、

「いや、それフランス語じゃないし、ロシア語でもないし。というかナポレオニックじゃなくてスペイン内戦だし」

って突っ込まれるんだろうなあ。仏語と西語って似た単語多いよね。


……というやり取りを想像してしまいました。一人寂しいぼっちプレイ。


(つづく)


2025年10月5日日曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ 「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part2

  露軍は2部隊(formation)構成で第一線がSacken、その後ろにSomovの部隊が控えており、歩・騎・砲のバランスもとれている。一方、仏軍はすべて騎兵で一つの部隊としてまとまっている。

 兵数は、仏軍は9ユニット、これに対し露軍は17ユニットと倍近くある。しかも仏軍の約半数の5ユニットは戦闘力(Points de force)が1、残り4ユニットも2しかない。露軍の戦闘力は2~4だ。

 こんな敵にLepicは少数の騎兵を引き連れて突っ込んでいかないといけないのか、と思いきや、仏騎兵の士気(Cohésion)は6~7と高い一方、露軍の11ユニットの士気は3,残るユニットも砲兵を除けば士気は4しかない。しかも仏軍はLepicの部隊の活性化チット(Marqueur d’Activation, MA)が2枚あって1ターンに2回活性化できるのに対し、ロシア軍はSacken,Somov両部隊ともMAは1、つまり1ターンに一回しか動けない。まあ簡単に言って質対量の戦いである。

(なお「La Garde veille!」はJours de Gloire(JdG)シリーズで、ルールに関しては以前、「La Garde avance!」のAARを書いたときに結構触れたのでそっちを見てみてください。それと用語の訳については、これも「La Garde avance!」のAAR同様に自分の好きな言葉を当てています)

 

●第1ターン

 活性化はフランス軍から。JdGシリーズはチットプルで毎回スリリングな感じになるのだが、このシナリオでは両軍が互いに1MAずつ活性化するというように変更されている。

 仏軍の初期配置では中央2スタックが突撃(charge)を行える位置にある。仏軍騎兵はすべて重騎兵なので突撃を行うと+3のDRMが付き、正面のSackenの歩兵の士気の低さも考えると簡単に蹴散らすことができるだろう。だが敗走する敵を追撃して敵陣深くに切り込むことになり、待ち構えている露軍Somovの部隊から袋叩きにされるのは目に見えている。仏軍の危機を救うために親衛騎兵が敵中央に突撃したなんてシチュエーション、それにLa charge des grenadiers à cheval(親衛擲弾騎兵の突撃)なんてシナリオタイトルからして、フランス軍は突撃したくなるだろう。でもこれはおそらく孔明、じゃなかったデザイナーの罠だ。

 

 というわけでフランス軍は突撃を控え、4スタックで敵Sacken隊の右翼(マップ上方)から中央にかけて攻撃を行う。JdGでは騎兵は突撃を行うとプラスのDRMを得られるが、逆に通常の攻撃(choc)では-2の不利な修正がつく。全ユニットが騎兵のフランス軍にとってこれは痛い、と思いきや、-2の修正を補って余りあるほど仏軍騎兵は士気が高いのである。Lepicの「ク〇じゃないぞ!」っていう叱咤のおかげかな。結果、ロシア軍は2ユニットが敗走してしまった。

 露軍Sacken隊中央の砲兵は目の前まで迫ってきた仏騎兵に慌てて砲撃を加えるものの、効果なし。Sackenの砲兵は砲撃力(capacité de tir)が3と低いうえに、「アイラウの墓地」シナリオ同様、アイラウでの悪天候を反映して砲撃時には-1の不利なDRMつくので、隣接へクスかつスタックへの砲撃であっても、仏騎兵に損害を与えるのは難しくなっている。Sacken隊は後退、戦列を整えた。


 仏軍はSakcen隊に猛攻を続ける。敵砲兵の防御射撃(tir de réaction)をものともせず突っ込んでいき、ロシア軍歩兵は次々と混乱状態になって後退していった。だがマップ上方での攻撃は、Somov最右翼の騎兵を混乱状態で退却させ突破(choc de rupture)、露軍騎兵にたたみかけようとするも、+3の攻撃でまさかのサイの目ゼロ。仏騎兵スタックの攻撃は撃退され、混乱状態になって退却する羽目に。混乱状態だと攻撃ができないので、ユニット数が少ない仏軍にとってはかなり痛い。


(つづく)



2025年10月1日水曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ 「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part1

  先日、9月20日はナポレオン時代の仏親衛擲弾騎兵の指揮官Louis Lepicの誕生日だったっていうツィートを見まして。Lepicって言ったらアイラウ戦で仏軍が苦戦に陥る中、露軍の激しい砲撃にさらされた親衛騎兵に対して« Haut les têtes, la mitraille, c'est pas de la merde! » (頭を上げろ、これは砲弾だ、ク〇じゃないぞ!)って鼓舞したエピソードで知られているんじゃないかと思います。でも自分はmerdeよりも砲弾のほうが怖いですけどね。だって当たったら大けがしたり命を落とす可能性だってあるじゃないですか。

 つい最近たまたま『Biographie des célébrités militaires des armées de terre et de mer de 1789 à 1850』っていう、18世紀末から19世紀半ばにかけての仏軍人の辞典みたいなものがあるのを知ったので、Lepicは載ってるかなって見てみました。アイラウでは仏軍中央でオージュローの軍団が敗走しナポレオンのもとに露軍が迫るんですけど、仏軍は親衛隊を投入して反撃、さらに騎兵の突撃も行うんですね。で、Twitterでもつぶやいたんですけど、上記の資料にはこんなエピソードがありました。 


 …Lepicは突撃ののち、激しい降雪で方向を失いロシア軍に囲まれてしまった。降伏を促されたが、配下の擲弾騎兵たちを指して言った。

« Regardez ces figures, et dites-moi si elles ont l'air de vouloir se rendre. » 

(この兵たちを見よ、そして彼らが降伏しようとしているように見えるか言ってみよ)


 だがLepicは危機的状況を分かっており、擲弾騎兵たちに呼びかけた。

« Amis, il faut vaincre ou mourir aujourd'hui, nous avons trois lignes d'infanterie à renverser. Beaucoup d'entre nous y resteront sans doute; mais dût-il n'en retourner qu'un seul pour porter la nouvelle, l'honneur du corps et celui de notre étendard seront sauvés.»

(戦友たちよ、今や、勝利か死かだ。我々の前には敵の歩兵三列が立ちふさがっている。間違いなく、我々の多くはここから脱することはできないだろう。だが一人でも帰還して(我々が奮戦したという)知らせをもたらせば、わが軍団と軍旗の名誉は救われるのだ)


 この言葉に奮い立った擲弾騎兵たちは叫んだ。

« La charge ! la charge! et nous passerons! »

(突撃! 突撃! 突破するのだ!)


 ぐは~、しびれる~。「ク〇じゃないぞ!」よりも「突撃! 突撃!」のほうがいいわ~。Lepicの言葉じゃないけど。

 こりゃいい話を見つけられてラッキー、と思っていたらこれ、Wikiにも書いてあるんですよね。しかもアイラウ戦をあつかったVaeVictis178号のヒストリカルノートにも載っていたという…。ゲームをプレイしてAARも書いたぐらいだからヒストリカルノートは絶対読んだはずなのに、すっかり頭から抜けてましたわ。

 でもこのエピソード、他の資料では見つけられないんですよね。まあ、ちゃんと探していないんですが。なので本当にこう言ったのかどうか、誰かが盛っちゃってそれが後世に伝わったんじゃないかっていう疑念がぬぐえないんですが、いいんですよ。しびれるエピソードはいくらあっても。


 そんなLepicですが、この突撃をシミュレートしたゲームがあるんですよ。先述のVaeVictis178号の、「La Garde veille!」。前回AARを書いたのは「アイラウの墓地」シナリオですが、それとは別に「親衛擲弾騎兵の突撃」というシナリオもあるんですよね。こりゃプレイするしかないでしょ。って意気込んだんですけど、VaeVictis178号、実家に置いてきて手元にないわ、ダメじゃん俺…。と意気消沈していたんですけど、スキャンデータをとっていたことを思い出しました。ナイス俺。で、Vassalモジュール的なものを作ってソロプレイしてみましたよ。

(つづく)


2025年3月14日金曜日

親衛隊は、銃剣だけで戦うのだ! La Garde veille! (VV178) AAR part4

 ●第2ターン(つづき)

 ロシア軍Essenの攻撃によって窮地に陥ったナポレオン。

「頼む、親衛騎兵、動いてくれ! 皇帝を守るのが親衛隊だろ!!」

 そんな仏軍プレイヤーの願いもむなしく、引かれた活性化チットはロシア軍のEssen。当然、ナポレオンを守る負傷兵に追い打ちをかける。なすすべもなく負傷兵は壊滅、ナポレオンは混乱状態の砲兵とともに退却する。さらにロシア軍は、Dorsenneの砲兵が守るアイラウ村へクスを2ユニットで攻撃。仏軍の砲撃をかいくぐって露近衛兵が村に突入、占領した。アイラウ村は各ヘクス1勝利得点となるため、教会ともどもこのままゲーム終了時まで保持すればロシア軍はかなり有利となる。

 仏親衛騎兵のDahlmannの活性化チットがまだ引かれずに残っているが、Jours de Gloireシリーズでは最後に残った活性化チットはプレイされず、ターン終了となる。

「おいおい、親衛騎兵が動かなかったじゃん。どうなってんだ?!」


●第3ターン

 ナポレオンが危うい状態が続いており、戦略イニシアティブを決めるサイコロに両プレイヤーとも気合が入る。

「本当に頼む、親衛隊、動いてくれ!」

 皇帝の危機に兵たちが奮い立ったか、イニシアティブを得たのは仏軍となった。

「おっしゃ、ラ・ギャルド・ア・ドネ!!」

 Dorsenneの部隊が活性化し、親衛隊が動く。ちなみにLa Garde a donné!(親衛隊が動いた!)というのは以前のブログに書いたけど、Bulletin de la Grande Armée(大陸軍広報)の決まり文句La Garde n'a pas donné.(親衛隊は投入されなかった)を踏まえているようで、ヒストリカルノートの見出しになっていたもの。仏軍プレイヤーはこの言葉を言いたくてうずうずしていたらしい。

 このDorsenneの親衛擲弾兵第I連隊第I大隊、兵質(Valeur d'engagement)は7、士気(Cohésion)は8という化け物である。非命令下でも攻撃時の兵質チェックは80%の確率で成功するし、露近衛兵に対する攻撃時には士気差で+4のDRMが付く。逆に露軍が攻撃しようとすると最低でも3ユニットはかき集めてこないといけないが、たとえ戦闘結果で士気チェックが出ても親衛隊は90%で無傷なのである。

 親衛隊は教会を守る露近衛兵を攻撃、突破(Choc de rupture)となって追撃、追い打ちをかける。近衛兵はたまらず敗走していった。

 そしてDahlmannの親衛騎兵が続く。前ターンのアイラウ村攻撃のために側面をさらけ出す形になっていた露軍歩兵を攻撃、敵を退却させた。

「がははは、見たか! やっぱり皇帝が危機のときに頼りになるのは親衛隊だな」

「前のターンで頼む、動いてくれ、とか言っていたのに動かなかったのを忘れた?」


 さらに仏軍はSoulèsが砲撃でEssenの近衛兵を混乱状態に。親衛隊の擲弾兵と騎兵の攻撃に加えて砲撃と、ロシア軍は殴られっぱなしだったがやっとEssenの活性化が回ってくる。敵の反撃に怯んでられるかと、単独でいたDorsenneの砲兵の側面に回り込んで攻撃、壊滅させた。やはり仏軍はユニット数が少ないため、親衛擲弾兵を反撃に使い、2ユニットいる親衛騎兵も反撃のためにスタックさせるとどうしても防御が手薄なところが出てしまうのである。

 教会と墓地ががら空きになっている仏軍は、右翼(マップ下方)のBruyèresをその防御に回す。露左翼(マップ下方)のDokhtourovは仏騎兵を追って墓地を目指すものの、非命令下なので進軍が遅い。接敵できるマップ下方の仏騎兵を歩兵2ユニットで攻撃。この騎兵は何度も回復に失敗して混乱状態のままなのだ。だが露歩兵の両ユニットとも兵質チェックに失敗、攻撃ができない。再び活性化したDokhtourovはもう一度2ユニットで混乱状態の騎兵を攻撃しようとするも、またも兵質チェックに失敗。ゲーム開始時の素早い行動とは対照的に、動きが鈍くなってきたDokhtourovである。


つづく

2025年3月11日火曜日

親衛隊は、銃剣だけで戦うのだ! La Garde veille! (VV178) AAR part3

 ●第2ターン(つづき)

 敵の攻撃で損害を被った仏軍右翼(マップ下方)のBruyères騎兵部隊。やられっぱなしになってたまるか。自軍Dorsenneの砲撃で混乱状態となり回復のため後退していた露軍歩兵にむかって、Bruyèresの騎兵1ユニットが突撃。当然敗走させたものの、追撃(Pousuite)は露Essenの部隊によって押しとどめられたうえに、突撃後の士気チェックに失敗して混乱状態になってしまった。

「げ、もしかしてエッセン、このターンはまだ動いていない?」

 そして待ち受けていたかのようにこのタイミングで露軍Essenの活性化が回ってくる。先ほどの突撃で突出した仏騎兵を集中攻撃で敗走させた。そして近衛兵1ユニットがアイラウ村の教会にとりつく。

 この教会は先述のとおりロシア軍が占領・保持していると4勝利得点を得られる。それだけでなく、ここには初期配置で軍医のLarreyマーカーと負傷兵(Blessés)ユニットが配置されている。デザイナーズノートによると、このマーカーは軍医のLarreyと重傷で動けない兵たちを表しており、移動不可でロシア軍が捕虜にすると2勝利得点となるため、ロシア軍としてはねらい目なのである。


 この軍医Dominique-Jean Larreyは近代的な軍医のさきがけとも言われるそうで、ナポレオンの戦役にずっと従軍し、敵味方関係なく戦場で負傷した兵の治療に当たった。救急車やトリアージなど近代的な医療システムの構築を行い、負傷兵を素早く救護するため救急車として馬に牽かせた荷車を導入したのだが、これは馬に牽かれた砲がartillerie volante(直訳すると「空飛ぶ砲」)と呼ばれていたことからambulances volantes(空飛ぶ救急車)と言われるようになったらしい。

 

 教会とLarreyを守っている仏負傷兵ユニットは攻撃不可で戦闘力1、士気も2とかなり脆弱なうえ、敗走すると壊滅となる。さらにこのユニットを通過した友軍ユニットは混乱状態になってしまううえ、移動はターン最後の敗走フェイズ(Phase de déroute et de démoralisation)にしか行えないため、結構邪魔と言えば邪魔である。第1ターンの最後に後方に下げておいて第2ターンの初めに他のユニットを教会の守備に入れればよかったのだが、

「やっぱ負傷兵は軍医を守るべきでしょう。だからそのままにしておいたんだよ」

と強がる仏軍プレイヤー。実際、仏軍にはDorsenneの強力な親衛隊がいるものの1ユニットだけだ。他は騎兵が8ユニットと負傷兵、あとは砲兵である。砲兵は単独でいるとZOCがないだけでなく、攻撃を受けた際に対応射撃(Tir de réaction)で敵を撃退できたらいいものの失敗すれば即壊滅で、悪天候で砲撃に-1の不利なサイの目修正が付くことを考えると砲兵は他のユニットとスタックしていないと心もとない。一方で露軍は歩兵12ユニットを擁しているため、仏軍は負傷兵を後方に下げる余裕はあまりなく、砲兵と一緒に教会を守らせておいたほうがいいのかもしれない。

 

 露近衛兵が、負傷兵が守っている教会を攻撃する。Soulèsの砲兵が必死に砲撃を加えるものの、近衛兵は意に介さず教会に突入。負傷兵と砲兵は混乱状態になって隣のナポレオンのもとに逃げ込んだ。露軍は教会を占領、Larreyは捕虜となった。

「おいおい、近代的軍医の祖がつかまっちゃったじゃん! 一緒にいた動けない重傷の兵たちは、ロシア軍からどんな目にあわされるのか……」

「いやいや、それよりナポレオンのことを心配しろよ。皇帝を守っているのは混乱状態の負傷兵って、かなりヤバくないか?」

 このターン、まだ引かれていない活性化チットはロシア軍のEssenと、仏親衛騎兵のDahlmann。次に動くのはどっちだ? そして、皇帝は助かるのか?


つづく



2025年3月6日木曜日

親衛隊は、銃剣だけで戦うのだ! La Garde veille! (VV178) AAR part2

 ●第2ターン

 このターン、戦略イニシアティブ(initiative stratégique)を握ったのはロシア軍だった。Jours de Gloireシリーズでは戦略イニシアティブを得たプレイヤーは最初に活性化する部隊を選ぶことができる。ロシア軍は左翼(マップ下方)のDokhtourovを活性化。非命令下だったが指揮官のイニシアティブチェックに成功して前進、仏Bruyèresの騎兵部隊にとりつき、一部の兵は敵騎兵の側面に回り込んだ。

「なんで騎兵が歩兵に回り込まれるんだ?!」

とぼやく仏軍プレイヤー。

「吹雪で仏軍は行動に支障が生じるだろうけど、ロシア軍は普通に動けるってことなんじゃないの。まあイニシアティブチェックに失敗したら何もできなかったわけだから、こっちもリスクをとってるんだよ」

 ちなみに今回もプレイヤーは「La Garde avance!」のときと同じメンツで、いつもは中世の会戦級ばかりやっているのでナポレオニックの用兵はほとんどわかっていない。

 ロシア軍はまずは2ユニットで敵騎兵防御ライン中央付近を攻撃。Bruyèresの仏騎兵はすべて士気(Cohésion)は5と高いものの、戦闘力(Points de force)はほとんどのユニットが1と低いためまともに戦うと不利と判断、機動力を生かして戦闘回避。JdGでは騎兵が歩兵の攻撃を受けた場合、戦闘回避(Refus de choc)を行うことができるのだ。だがその結果、仏騎兵部隊の右端のユニットが包囲されてしまう。ここでも攻撃を受けた仏騎兵は戦闘回避を行うものの、包囲されていため混乱状態に。さらに戦闘回避後の士気チェック(test de cohésion, TdC)にも失敗して敗走(Déroute)してしまった。

 仏軍はSoulèsが砲兵2ユニットで砲撃を行うが、効果なし。このゲームでは悪天候を反映して、砲撃には-1の不利な修正が課せられるのだ。そしてSoulèsが連続して活性化するものの、これまた砲撃は効果なし。

「もう砲兵はいいから、親衛隊を使わせてよ!」

 Soulèsの部隊には砲兵のほかに親衛隊4ユニットが所属しているのだが、先述のように投入すると勝利得点がかなりマイナスとなってしまうのである。

 露軍歩兵の果敢な機動で損害を被った仏右翼(マップ下方)のBruyèresに活性化が回ってくる。ほとんどのユニットは接敵されており突撃が行えない状態だが、先ほど戦闘回避で後退していた騎兵がDokhtourovの歩兵に突撃。

「おいおい、ドクトゥーロフの部隊は無傷だぜ。そんなところに1ユニットで正面から突っ込んでいいの?」

「騎兵が防御に徹するなんてやってられないだろ。殴られたら殴り返せ!……と言いたいところだけど、ドクトゥーロフの部隊は非命令下で活性化も一回終わっているでしょ。突っ込んでいっても反撃にあう可能性は高くない…はず」

 騎兵は通常の攻撃(Choc)だと-2の不利なDRMが付くため、突撃できるときは突撃しておいた方がいいとも仏軍プレイヤーは思ったらしい。

 突撃を受けた露軍歩兵は混乱状態になって後退。だが突撃終了時に課される士気チェックに失敗し、仏騎兵も混乱状態になってしまった。

 続いてDorsenneの部隊が連続して活性化。Soulès同様に執拗な砲撃を行い、やっと敵1ユニットを混乱状態にする。アイラウの吹雪はそれほど激しいのか。

 仏軍が効果のない砲撃を続けている隙に、再び露軍左翼(マップ下方)のDokhtourovが動く。突撃して混乱状態になった仏騎兵を包囲し、2ユニットで集中攻撃。Dokhtourovは非命令下なので各攻撃ユニットは兵質チェック(test d’engagement)を行って実際に攻撃できるかどうか判定しないといけない。1ユニットが失敗したものの、もう1ユニットの攻撃で仏騎兵を壊滅させた。


つづく

2025年3月1日土曜日

親衛隊は、銃剣だけで戦うのだ! La Garde veille! (VV178) AAR part1

  以前ブログに書いたけど、VaeVictis誌最新号はアイラウの親衛隊を描いた「La Garde veille!」。アイラウて言ったら吹雪の中、仏軍が苦戦したことで有名のようだけど、いつものようによく知らないのでヒストリカルノートを読み返してみた。

 ロシア軍に押され気味になった仏軍は中央でオージュローの第VII軍団を投入。だが猛吹雪のために誤って敵の真正面に出てしまった仏第VII軍団はロシア軍の猛攻をくらって敗走、仏軍中央に大きな穴が生じた。これぞ好機と、ロシア軍はナポレオンとその幕僚たちがいるアイラウ村に向かって総攻撃をしかける。ナポレオンは退却するか親衛隊を投入するかの選択を迫られた…

 というのが今回プレイする「La Garde veille!」のアイラウ墓地シナリオ。危機に陥ったナポレオンを救うため、親衛隊がロシア軍に反撃するという燃えるシチュエーションである。ゲームは以前AARを書いた「La Garde avance!」と同じくJours de Gloire(JdG)シリーズ。1へクス100m、1ターン15分と「La Garde avance!」とほぼ同じスケールである。

 仏軍は騎兵、砲兵、歩兵と一見兵種のバランスが取れているように見えるうえ、後方に超強力な親衛隊5ユニットが控えている。だが、実際のアイラウ戦ではこれらの部隊は戦闘に参加しなかったようで、このゲームでは投入できるようになっているものの、勝利得点でかなりのペナルティが課されるため仏軍は安易に使えない。そのため、仏軍が実質的に使える歩兵はDorsenneの部隊の親衛擲弾兵第I連隊第I大隊の1ユニットだけだ。 

 一方、ロシア軍は2部隊からなりすべて歩兵で構成されている。両部隊とも6ユニットあるが、右翼(マップ上方)のEssenの部隊ほうがやや質が高い。デザイナーズノートによると、アイラウ戦のロシア軍部隊についてははっきりわかっていないのだが、テストプレイチームの一員がロシア語の資料にあたったおかげでこのゲームの2つのシナリオに登場するロシア軍の戦闘序列に根拠を持てたそうだ。

 マップ中央やや左寄り、上端から中央にかけてがアイラウ村である。村を守っていた第IV軍団の部隊は、このシナリオでシミュレートする戦いには直接は加わっていなかった。だが仏軍の反撃の左翼をカバーする働きがあったそうで、これを表すために(先日のブログでも書いたけど)ユニット化されずにマップ上で赤いシルエットで表され、村へクス固有の防御値になっている。

 ナポレオンのいるマップ中央部には教会と墓地2へクスがあり、ロシア軍はゲーム終了時に占領しているとヘクスごとに4勝利得点を得られる。また教会に置かれている移動不可の軍医Larreyマーカーもロシア軍の得点源なので、マップ中央部目指してロシア軍は攻撃を仕掛けることになる。


●第1ターン

 ロシア軍が前進を開始する。フランス軍はSoulèsの砲兵でナポレオン前面の防御態勢を強化。そしてBruyèresの騎兵部隊で右翼(マップ下方)をカバー。ロシア軍右翼(マップ上方)のEssenは非命令下(Sans Ordres)だったが指揮官のイニシアティブ値(Valeur d'initiative)を使ったチェックに成功、命令下の左翼Dokhtourovにさほど遅れることなく前進した。

 このシナリオでのロシア軍総指揮官(général en chef)Dokhtourovの命令値(Potentiel d’ordre)は1なので、ロシア軍は2つの部隊のうちどちらかしか命令下(Ordres Reçus)にできない。非命令下だと移動力が半減など行動に制限が出てしまうので、どちらの部隊を命令下にするかロシア軍は悩みどころである。ただし露軍の両部隊とも2枚の活性化チット(Marqueur d’Activation, MA)うち1枚はイニシアティブ値4で、総指揮官の指揮範囲にいるとDokhtourovのダイス修正値(Modificateur au dé, MD)1が加わって、非命令下の部隊でも60%の確率で命令下にすることができる。一方のナポレオンの命令値は2であるうえダイス修正値も2なので、部隊運用の柔軟性はフランス軍のほうがかなり上である。

(なおJdGのルールに関しては以前、「La Garde avance!」のAARを書いたときに結構触れたのでそっちを見てみてください。それと用語の訳については、これも「La Garde avance!」のAAR同様に自分の好きな言葉を当てています。

親衛隊は死すとも降伏せず  La Garde Avance! (VV161) AAR ①)


つづく





『ナポレオンの騎兵とその指揮官たち』

  いつものことなんですが本って自分でなかなか選べずにほかの人が勧めているのを読むのが多いんですけどね、先日こういうポストを目にしまして。 『Napoleon's Cavalry and its Leaders』、読了しました。 1978年初版と古い本ですけど、フラン...