2026年9月13日日曜日

共和国軍の攻勢から反乱軍の反撃、そして機動戦から消耗戦へ Brunete 1937 (Alea43) AAR part5

 ●第5ターン

 残り2ターンである。このゲーム、序盤は共和国軍が圧倒的に優勢であるものの、反乱軍には続々と増援が登場する。下の写真はこのショートシナリオが扱う第1~6ターンの両軍の増援で、一目瞭然、共和国軍には微々たる数しか現れないのに対し、反乱軍は大量の援軍を受け取る。ヒストリカルノートによると、共和国軍の攻勢は奇襲に近かったものの、反乱軍は素早く反応したそうだ。先述のように攻撃側に出血を強いる戦闘結果表に加え、兵力バランスが均衡していくにつれて共和国軍は苦戦を強いられるようになる。

 だが勝利するためには共和国軍は前進しなければならず、少なくとも引き分けに持ち込むには激戦が続くMosquito山を確保しなければならない。前ターンに撃退された山頂右上のヘクスを、航空・砲兵の支援を最大限使い損害を出しながらも奪還する。そしてマップ中央では、前ターンに反撃して突出してきた反乱軍を、南下してきた増援で包囲し撃退した。

 反乱軍はMosquito山頂を囲む形になっている共和国軍を攻撃、だが敵を退却に追い込めない。一方、中央と左翼(マップ左方)では攻撃が成功、Burunete前面にまで迫った。


●第6ターン

 最終ターンである。消耗が激しい共和国軍は残った戦力をかき集めMosquito山を5方向から強襲。この山頂を占領、保持すれば引き分けに持ち込めるのだ。結果は攻撃側損害1,防御側は1へクス後退。だが反乱軍は防御効果のある山頂で守っているため、死守を試みる。両プレイヤーがかたずをのんで見つめる中、出た目は4。死守は失敗し、反乱軍は退却。激戦を制した共和国軍は山頂を占領した。

 このターン、反乱軍にはマップ右端、つまりMosquito山頂に近い方面から増援6ユニットが登場するのだが、山頂奪還をしようにも1へクスからしか攻撃できないため共和国軍の守備隊を退却させるのは無理である。また紫へクスを1つでも奪還すると反乱軍の勝利なのだが、マップ左のQuijornaも中央のBuruneteも共和国軍が守りを固めていてこのターンに落とせる可能性はないので、ここでゲームは引き分けで終了となった。



 今回のプレイ、両軍とも、攻撃側に不利な戦闘結果表という印象が強かったせいか、なるべく高比率での攻撃を行おうとしていた。その結果、攻撃地点の数が少なくなってしまったが、共和国軍は少なくとも前半はもっと積極的に低比率でも攻撃してよかったのかもしれない。また反乱軍も、後半は中央から左翼にかけて反撃したが、もっと早い段階で損害を恐れず攻撃することで敵に消耗を強いて、主攻勢方面から兵力を回さざるを得ない状況を作るべきだったとも思われる。要は両プレイヤー、攻撃側に損害を強いる戦闘結果表にビビって積極性に欠けたということか。

 なお第2ターン終了時にサイコロを振って決まった共和国軍の目標へクスはマップ右端中央のBoadilla del Monteだったそうだが、その手前のMosquito山を占領するのでさえやっとだったので、Boadilla del Monteを獲るためにはかなりの戦力をこちら方面に投入しなければならなかっただろう。ただそうすると他方面が手薄になり今回のプレイのように反乱軍の反撃を食らうわけで、共和国軍としては悩ましい。

 また反乱軍は無理に攻撃せずとも、兵力が互角になった方面では早い段階で接敵し、ZOCtoZOCの浸透のプレッシャーを共和国軍に与えじわじわと退却させる、ということも可能だったと思うが、マップ左方では両軍とも敵の浸透を警戒して、敵から距離を置いてしまっていた。だが積極的な性格のプレイヤーだったら、混戦状態に持ち込んでまた違った展開がみられるのかもしれない。もちろん、今回はショートシナリオだったので、全14ターンのキャンペーンではまた戦い方が変わってくる部分があるかと思う。


 このブルネテの戦い、ヒストリカルノートによると、一方が奇襲や数的優勢でもって突破し前進するものの、敵が対応して消耗戦になるというスペイン内戦の多くの戦いに共通してみられるパターンだそうだが、まさにこのゲームはそういった展開になる。簡単なルールのわりに取りうる選択肢が多く、一方で戦闘後前進の制限など多くのWWIIのゲームとは少し違う点もあり、作戦研究のし甲斐があるのでは。作戦級に慣れたウォーゲーマーの感想を聞いてみたいものだ。


2026年9月9日水曜日

共和国軍の攻勢から反乱軍の反撃、そして機動戦から消耗戦へ Brunete 1937 (Alea43) AAR part4

 ●第4ターン

 全6ターンのうち、残るは半分の3ターンである。共和国軍は広がった戦線維持に兵力を割かれる一方、反乱軍には続々と増援が到着しているという状況で攻勢を続けないといけない。

 前ターンに攻略に失敗したマップ右方中央のMosquito山は敵が新手を投入したため、再度の強襲は難しくなった。この山頂の北と南で揺さぶりをかけるしかない。反乱軍は増援を得ているものの、隙間なく並べられるほどの兵力は無いため、共和国軍はZOCtoZOCの移動で敵ユニット間に浸透し、山頂の北と南の隣接へクスを攻撃する。戦車の支援を受け、サイの目にも恵まれて両ヘクスの敵を退却させた。

 多くのWWII作戦級ゲームだったらここで戦闘後前進で敵の背後に回り込む、特に戦車ユニットがその突進力を発揮、ということもあり得るのだが、このゲームでは戦闘後前進の2へクス目以降は敵ZOCに侵入不可(ただし退却したユニットのZOCは無視できる)。そのため、敵ユニットが密集しているところで敵を退却させても、そこから戦闘後前進で敵を包囲、というわけにはいかず、空いた1ヘクスのみ敵戦線に食い込むことになる。この点、なんだか第一次世界大戦のフレーバーを感じる。また、防御側は退却時に敵ZOCに進入するとステップロスとなるが、自軍ユニットがいればそのような損害は被らない。ユニットが密集して混戦状態になっている場所では先述のように攻撃側が戦闘後前進で戦果を拡大しにくい一方、防御側は味方に助けられて退却ができるようになっている。

 共和国軍はマップ右下方向へも攻撃を続けるが、高戦力比に持っていけず双方に損害が出るのみ。反乱軍がスタックして守れるようになってきているので、有利な戦力比での攻撃に持って行けないのだ。また、先述のように攻防ともに航空・砲兵支援マーカーを投入できるのだが、いくつ使用するか、またCPを使用するかどうかも相手プレイヤーには秘匿して決めて、同時に公開する。そのため、読みが外れると不利なコラムシフトとなってしまい、しかもCPを消費しないと各マーカーごとに支援できるか判定があるため、最終的な戦力比が意外と読めなかったりする。これに加えて両軍ともに精鋭ボーナスを使用するかどうか決められるので、さらに戦力比が動く可能性がある。なお精鋭ボーナスの使用は攻防どちらが先に宣言するのか、それとも同時なのかルールに記載がないようで、今回は攻撃側から先に使用するかどうかを決めるという形でプレイした。


 Mosquito山を失うわけにはいかない反乱軍は、先ほど攻撃を受けた山頂隣接の2へクスに反撃。攻防双方に出血を強いる激戦の結果、山頂右上のヘクスは奪還した。

 このゲーム、共和国軍の歩兵は1ユニット8戦闘力なのに対し、反乱軍のほとんどは7。作戦級に慣れたウォーゲーマーならすぐにわかると思うが、反乱軍が攻撃をしようとすると、共和国軍が攻撃する際に比べて多くのユニットを投入しないと有利な比にならない。共和国軍のように戦車の支援シフトを得られるわけではないし、航空・砲兵の支援もゲーム後半になってやっと共和国軍と対等になる。そのため、攻撃側に出血を強いる戦闘結果表と相まって、反乱軍が反撃をする際は多数の部隊を集めて攻撃しない限り不利な戦闘になることが多い。ちなみにヒストリカルノートによると、ブルネテの戦いで共和国軍は自軍の精鋭を集めたそうで、装備や弾薬の供給も最優先だった。しかもこの攻勢のために共和国軍はほぼ全航空戦力を集中させている。共和国軍ユニットと反乱軍ユニットの戦闘力差や、ゲーム初期の共和国軍の圧倒的な航空・砲兵支援数はこういうのを反映しているのかな。


 さらに反乱軍は、共和国軍が東方向(マップ右方)への攻撃に兵力を注ぎ込んでいるのを見て、マップ中央部で反撃に出た。こちらの方面は、マップ左方や下方から登場してきた増援のおかげで共和国軍より数的に有利となっている。5ユニットで共和国軍1ユニットを撃破、戦闘後前進でBruneteの街に迫った。また、左翼(マップ左方)でも共和国軍に接敵、次ターンはZOCtoZOCで浸透できるので、敵に後退を強いることになる。


つづく

2026年9月6日日曜日

共和国軍の攻勢から反乱軍の反撃、そして機動戦から消耗戦へ Brunete 1937 (Alea43) AAR part3

 ●第3ターン

 このターンも共和国軍は南(マップ下方)への攻撃を続ける。兵力的に優勢な序盤の状況に乗じて多くの地点で攻撃をかけたいのだが、このゲームの戦闘結果表は攻撃側にかなり不利で、5:1でも2分の1の確率で攻撃側に損害が出る。この点についてはデザイナーズノートで説明があり、実際の戦いでは攻撃側が甚大な損害を出していたそうだ。攻撃側の損害が多くても防御側にダメージを与えられるといいのだが、2:1~5:1の各コラムで、防御側1へクス退却のみ、という結果が3分の1の確率で出る。しかもこの戦闘結果の場合、森林など防御に有利な地形で守っていると、防御側は死守を試みることが可能で3分の1の確率でその場に留まることができる(ただし標準部隊が死守すると損害が生じる場合もある)。このような戦闘結果表を考慮して、共和国軍はなるべく兵力を集中し、戦車や航空・砲兵の支援も活用して、マップ下端の限られた地点で高比率の攻撃を仕掛けていった。結果、反乱軍は東西に分断されることとなった。

 そして前ターンで敵を包囲攻撃した左翼(マップ右方)中央方面。ここの河川を越えたところには引き分けの条件となる黄色の山頂へクスMosquitoがある。一部消耗しながらもスタックして山頂を守る反乱軍に対し、共和国軍は第11師団と第34師団の計6ユニットが強襲。反乱軍も砲兵と航空支援、それに精鋭ボーナスを使って必死に防御し、結果は両軍ステップロス。共和国軍は大兵力を投入しながらも山頂占領とはならなかった。


 このゲームの特徴の一つに、両軍の指揮能力を表すコマンド・ポイント(CP)がある。今回のMosquito山攻撃のように複数の師団が共同で攻撃する際には、CPを消費しないといけない。また、戦闘時に砲兵や航空の支援マーカーを投入する場合、CPを使用しないと、マーカーごとにサイコロを振って実際に戦闘支援ができるかどうか判定する必要がある。失敗する確率は3分の1だ。攻撃側は一つの戦闘に最大3つまで支援マーカーを投入できるのだが、CPを消費しない場合サイの目によってはまったく支援が受けられない、なんてことも生じる。また、使用した航空支援マーカーはターンの最後に整備判定があり、失敗すると2ターン後に復帰となる。共和国軍は2分の1,反乱軍は3分の1の確率で失敗だ。だがCPを消費したマーカーはこの判定を受ける必要がなくなるため、次ターンにも確実に航空支援を得たい場合はCPを使うことになる。このように用途は多様だが、CPは両軍とも各ターン3ポイントしか保有していないため悩ましい。CPをどのタイミングで何に使うかで、プレイヤーの性格が出ると思う。


 反乱軍には増援が西方(マップ左)から5ユニット、北東(マップ右上)からも5ユニットが登場するが、共和国軍の激しい攻撃にあっている南方には2ユニットしか現れない。前ターンに決まった共和国軍の目標へクスがどれであるかは不明だが、目標へクスの一つであるマップ下端中央の街Sevilla la Nuevaを守るため、左翼から兵力を抽出、中央部に回す。そして東方(マップ右方)では、共和国軍の攻撃に耐えたが消耗しきったMosquito山の守備隊を増援と交代、さらに山頂周辺の防御を固めた。



 ターン最後の航空支援マーカー整備判定では、共和国軍のマーカー1つが判定に失敗。共和国軍の次ターン使用可能な航空・砲兵支援マーカーは5となる。一方、反乱軍には次ターンにも増援で航空支援マーカーを得られるため、これまでの増援と併せると計4となる。ゲーム開始時の共和国軍の圧倒的な航空・砲兵の優勢という状況から、ほぼ互角となった。


つづく


2026年9月3日木曜日

共和国軍の攻勢から反乱軍の反撃、そして機動戦から消耗戦へ Brunete 1937 (Alea43) AAR part2

 ●第2ターン

  反乱軍には砲兵支援マーカーと航空支援マーカーがそれぞれ1つ増援として登場。初期配置の砲兵マーカー1と併せて3個に増えたが、やっと共和国軍の半分である。 

 前ターンに紫へクスQuijorna(マップ左方中央)を占領した共和国軍は、主攻勢軸を南東方向(マップ右下)へと変え、全力で南下する。黄色ヘクスのSevilla la Nueva(マップ下端中央)の前面まで迫り、第15師団が戦車、それに航空支援も投入して敵を後退させた。共和国軍の戦車ユニットは攻撃の際1シフト有利にできるので、攻撃の際には欠かせない(ただし1つの戦闘に対し使用できる戦車ユニットは1つのみ)。ヒストリカルノートによると、ブルネテの戦いには多数の戦車が投入された。2年後に起こる第二次世界大戦よりも第一次世界大戦に近い形で運用されていたものの、両軍とも、この戦いまでの数か月間で砲兵や航空戦力との協調など戦術面を発展させていたそうだ。WWIからWWIIへの過渡期って感じだったのかな。

 さらに上記攻撃の東方(マップ右方)では第11師団の歩兵2ユニットが攻撃。戦力比は2:1にしかならないところ、戦車、それに航空支援マーカーを最大の3個叩き込む。守る反乱軍は精鋭部隊で、そのボーナスを利用してなんとか5:1まで比を落とした。このゲームではユニットは標準部隊と精鋭部隊に分かれ(精鋭部隊にはユニット右上にマークがついている)、戦闘に参加している自軍ステップの半数以上が精鋭であれば、1シフト有利にできるのだ(ただし損害が発生した場合は精鋭ユニットに優先的に適用される)。だが精鋭部隊の奮戦もむなしく、共和国軍のサイの目は6。反乱軍は損害を被って退却した。

 マップ中央Brunete方面に夜間浸透していた第11師団の主力は東方(マップ右方)に突進、渡河点を守っていた反乱軍を4ユニットで包囲する。この周辺は河川が流れているうえに森林地帯が広がっているため機動が阻害されると思いきや、このゲームでは歩兵でも8移動力を持つのだ。反乱軍は精鋭ボーマスを活用し、なけなしの砲兵・航空支援を投入して必死の抵抗を試みるも、共和国軍の圧倒的な兵力に加えて戦車や砲兵・航空支援、それに4ヘクスからの攻撃による1シフトが加わった攻撃にはなすすべもなく、退却。敵ZOCへの退却のためステップロスを被った。

 なお、共和国軍、反乱軍ともにほとんどのユニットが歩兵。それらが移動力8もあるということは攻撃側が柔軟かつ大幅に攻勢地点を変更できる一方、防御側も機動的な対応が可能になっている。共和国軍は南東方面に全力で前進していったが、目標へクスがこちら方面にあるというだけでなく、敵を東西に分断して柔軟な兵力の運用をさせないという意図もあったらしい。

 北東方面(マップ右上)では、河川沿いの守備隊を掃討。この方面には反乱軍が初期配置で3ユニットいるのだが、特別ルールで共和国軍が4へクス以内に近づかない限り移動できない。共和国軍としては敵を刺激せずに攻撃態勢を整えたわけである。

 紫へクスVillanueva de la Cañnada(マップ中央上寄り)では、前ターンに包囲して補給切れにしていた反乱軍ユニットを壊滅させる。なお、このゲームは全移動力を使ってZOCtoZOCの移動が可能である。さらに補給判定は自軍ターンの最後なので、第1ターンに反乱軍はここのユニットを移動させ包囲下から脱出させることもできたのだが、正直なところZOCtoZOCの移動が可能ということを忘れていたらしい。だがそうやって包囲を脱して補給下にしても、再び包囲され増援や戦車ユニットも投入されれば5:1の攻撃を食らうことになるので、少し足止めができたぐらいの違いしかなかったと思われる。


 共和国軍の攻勢に押され続けている反乱軍だが、東方(マップ右方)から第11師団の5ユニットが登場。この方面でもなんとか戦線を張る。またマップ下方や左方からも計3ユニットの増援が駆け付け、薄い防御ラインが強化された。



 このターン、共和国軍が4つの紫へクスを占領したため、サイコロを振って黄色の4ヘクスのうちどれが目標となるかを決める。マップ右上のLas Rozas、もしくはマップ中央下のSevilla la Nuevaになる可能性はそれぞれ6分の1。一方、河川・森林地帯を越えたところにあるマップ右端中央のBoadilla del Monteと右下のVillaviciosa de Odónはそれぞれ3分の1だ。どの目標へクスに決まったかはゲーム終了時まで反乱軍には秘匿されるため、防御側としては敵の攻勢意図が不確かなまま守る必要がある。


つづく

共和国軍の攻勢から反乱軍の反撃、そして機動戦から消耗戦へ Brunete 1937 (Alea43) AAR part5

 ●第5ターン  残り2ターンである。このゲーム、序盤は共和国軍が圧倒的に優勢であるものの、反乱軍には続々と増援が登場する。下の写真はこのショートシナリオが扱う第1~6ターンの両軍の増援で、一目瞭然、共和国軍には微々たる数しか現れないのに対し、反乱軍は大量の援軍を受け取る。ヒスト...