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2026年4月5日日曜日

モスクワは燃えているか?- クリミア・ハン国のロシア侵攻 Molodi 1572 (VV184) AAR Part4

 ●第4ターン(1571年6月)

 前ターンに要塞を陥落させたタタール軍主力が、マップ中央のツーラを強襲。消耗で軽騎兵2ユニットが消えたが、守備隊が銃兵1ユニットしかいないツーラをあっさりと陥落させた。これでタタール軍の勝利得点は8に。かたやロシア軍はいまだゼロだ。


 ロシア軍はこのターンもモスクワに増援が4ユニット登場。全兵力でもってツーラの敵主力と勝負と思いきや、増援の指揮官は移動力3で、河川と森林に阻まれツーラに届かない。ツーラを攻撃できる位置にいる2個軍は計9ユニット。この兵力でツーラのタタール軍12ユニットに会戦を挑むのは無謀だ。前ターンのタタール軍の要塞攻撃で5ユニットが失われたところに、同盟勢力の離脱が生じたのが痛い。ロシア軍は今ターンの増援を含め、ツーラ前面に全兵力を集結させた。

「あれ、ツーラの右隣りにいるDvelerを攻撃しないの? 5ユニットしかいないよ。勝てるでしょ」

「ふん、そんな口車には乗りませんよ。餌につられて攻撃してきたうちの軍勢を、次のターンに主力で襲いかかろうってつもりでしょ?」



●第5ターン(1571年7月)

 最終ターンである。全軍集結したロシア軍の攻撃を受けたつか、と思いきや、タタール軍主力は右方に転進して防備が手薄なリャザンを屠った。

「大会戦をやってみたほうが面白いってのはわかるけどさ、こっちは無理に戦う必要ないんだよね。やっぱり遊牧民ってさ、正面からのガチンコのぶつかり合いは避けて、敵の弱いところを突くもんだろ」

「いやいや、わかってたけどさ。最後に一勝負してくれてもよかったんじゃない?」

 このゲーム、両プレイヤーともに最終的に獲得した勝利得点によって勝利レベルが決まり、レベルが高いほうが勝ちとなる。勝利得点が11~14、15~19、20以上とレベル分けされていて、タタール軍はすでに8点を得ている。それだけでなく、ゲーム終了時に同盟勢力を自陣営に保っていると、主要、中小それぞれの同盟勢力につき4得点を得られる。ロシア軍も保持しているレベル3の要塞ごとに1点得られるが、勝利レベルでタタール軍が上になるのは明らかなのである。でも最後に会戦ぐらいやってもよかったんじゃないかなあ。

(ガチンコでぶつかれば、こんな感じ↑の会戦が行われたかもしれない)


 決戦だと勢い込んでいたものの軽くいなされたモスクワ大公国軍は、ツーラを奪還し敵の同盟勢力を動揺させた。だがタタール軍の同盟勢力は陣営離脱には至らず、ここでゲームが終了、タタール軍の勝利となった。




 モスクワ大公国は、初っ端に要塞を落とされ同盟勢力が動揺したことにプレイヤー自身が動揺してしまい、終始タタール軍に主導権を握られたのが痛かった。デザイナーズノートには、ロシア軍は兵力を集結させないといけないと書いてあるのにね。ただ第3ターンにタタール軍が二つ目の要塞を落としてロシア軍の同盟勢力を中立化させたが、ラウンド数が少なかったり砲撃のサイの目にツキが無かったりすると、時間切れとなって攻略に失敗していた可能性が高い。そうなっていたらロシア軍はもっと余裕をもって対応できたはず。それに安易に要塞に兵を籠らせて機動的な対応ができなくなるよりは、要塞を落とされるリスクを冒してでも軍を自由に動かせる状態にしておいたほうがよかったのかもしれない。

 ただ史実でもタタール軍はモスクワまで攻め込んで街を焼き払っているため、この1571年シナリオでモスクワ大公国が不利になるのは仕方がないのだろう。1572年シナリオは増援が多いうえ、第1ターンにタタール軍はChambouliしか登場しない。そのためロシア軍アh余裕をもって敵に対応することができる。また焦土(Brûler la steppe)によってタタール軍に消耗を強いることもできるので、もっといい勝負になるんじゃないかと思う。デザイナーズノートでは両シナリオをプレイして勝利得点は2つのシナリオ終了時に集計することを勧めているし。

 1571-1572年のクリミア・ハン国の侵攻を扱ったゲームって多分ほかにないと思うので、そういう意味でもこのあたりの歴史に興味がある人だったらプレイしてみてもいいんじゃないかな。

2026年4月2日木曜日

モスクワは燃えているか?- クリミア・ハン国のロシア侵攻 Molodi 1572 (VV184) AAR Part3

●第3ターン(1571年5月)つづき

 タタール軍は砲兵を含め計14ユニットの大兵力でOdoev要塞を強襲。L'or et l'acierシリーズでは移動の後に消耗チェックがあり、兵力が大きかったり森林や山地を移動すると不利な修正を受ける。このTereberdeyの大部隊も消耗で1ユニットが溶けていったが、この大兵力にはかすり傷である。一方のモスクワ大公国軍の守備隊は5ユニット。これだけの兵力があれば敵が大軍であったとしても数ラウンドは耐えられる、と考えていたのだが、タタール軍の砲兵が気を吐き、要塞レベルをすぐにゼロにしてしまった。毎ラウンド2分の1の確率で要塞レベルを1下げられるのだが、続けざまに成功したわけである。砲撃によって城壁が崩され、タタール兵が城内になだれ込む。こうなっては大兵力にかなうわけもなく、ロシア軍守備隊は全滅してしまった。結果、ロシア軍の同盟勢力が第1ターンに続き動揺する。

「げ、同盟勢力が中立になっちゃった?!」

 モスクワ大公国の主要同盟勢力であるコサックは兵力の半数が、中小同盟勢力のカザン・ハーン軍は全兵力がこのターンの終了時に戦場を去っていった。次ターンにはコサックの残りの兵も消えてしまう。

 だがこのターン、ロシア軍にはBelsky率いる5ユニットの増援がモスクワに登場する。マップ右方のリャザン、それに中央のツーラで守備隊となっている部隊とあわせて、圧倒的兵力でもってマップ右方で孤立している敵Devler一世の5ユニットを集中攻撃だ。

 L'or et l'acierシリーズの戦闘では、両軍どちらかが10ステップ未満の場合は小戦闘(bataille mineure)となり、戦力比を決めて1D6振るだけなのだが、両軍ともに10ステップ以上の場合は会戦(bataille majeure)となる。会戦になると作戦マップ(carte tactique)上で中央、両翼などに兵を展開して戦闘を解決していく。L'or et l'acierシリーズの特徴の一つで結構盛り上がるだけでなく、このゲームでは会戦に負けると自軍同盟勢力が動揺してしまうのだ。

「Devlerを三方から囲んで袋叩きだ!  ねえねえ、なんか名将の采配って感じ? トラップにはまっちゃった気分はどう?」

と調子に乗るロシア軍プレイヤーだが、

「いや、守備隊になっている2部隊両方ともDevlerのところまでたどり着けないだろ」


 L'or et l'acierシリーズでは守備隊(garnison)が移動できるように軍(armée)になる際、2移動力を消費する。そして森林エリアへの侵入には2移動力が必要だ。マップ右方の少し離れたリャザンにいるTcherkasskyは移動力4,Devlerの左隣のエリアにいるYakovlevは移動力3なので、両部隊ともDevlerのいる森林エリアに侵入するには移動力が足りない。ちなみにこのシナリオに登場するタタール軍指揮官はすべて移動力4である。

「マジかよ~。こんなことになるんだったら守備隊にして要塞に籠らせるんじゃなかったよ…」


 モスクワに登場した増援の5ユニットだけではDevlerに会戦を挑むのはリスクが高い。ロシア軍は残存兵力の集結を目指すことにした。もうこうなったら一か八か会戦を挑むしかないだろう。勝てば敵の同盟勢力が動揺する。そしてその余勢を駆って要塞を奪還するのだ。中央のツーラの防備が手薄になるが仕方がない。肉を切らせて骨を断つ、だ。

(つづく)

2026年3月27日金曜日

モスクワは燃えているか?- クリミア・ハン国のロシア侵攻 Molodi 1572 (VV184) AAR Part2

 ●第1ターン(1571年3月)つづき

 タタール軍によっていきなり要塞を落とされたロシア軍。要塞陥落による同盟勢力の離反を防ぐために、マップ右方のリャザンにTcherkasskyの部隊を派遣。ロシア軍のほとんどの要塞はタタール軍の通過を防ぐ防衛線の北にあるが、リャザンは南に位置するため、次ターンの敵増援に強襲される可能性があるのだ。またマップ左方ではTroubetzkoyの部隊が、渡渉点を探していたChambouliを追い払った。



●第2ターン(1571年4月)

 タタール軍にはDevler一世が率いる5ユニットが増援としてマップ南端に登場。リャザンを守っているTcherkasskyに会戦を仕掛けることも考えたが、互角の兵力で会戦を挑むのはリスクが大きすぎる。先述のように負けてしまった場合、同盟勢力が動揺してしまうのだ。同盟勢力の信頼を戻すことはルール上できないようになっているため、慎重にならざるを得ない。それよりも、このターンの移動フェイズの終了時に2か所でオレンジの防衛線の渡渉点が発見できることになる。南端から登場したDevler一世は自軍の攻勢方向を敵に絞らせないよう、2か所の渡渉点の間に移動した。


 一方のロシア軍だが、次ターンにはタタール軍が防御線を越えてくるうえ、さらに敵には4ユニットの増援が登場する。まだタタール軍は砲兵を登場させていないが、大兵力と砲兵のコンボで攻撃されればレベル3の要塞でも危うい。要塞の陥落による同盟勢力の離脱を防ぐため、モスクワ大公国はマップ右方のリャザン、中央のツーラ、それに左方のOdoevをそれぞれ4~5ユニットで防御することにした。敵に会戦を強いられることのないよう、これらの部隊は守備隊に変更。L'or et l'acierシリーズではユニットは指揮官に率いられた軍(Armée)と、要塞に籠っている守備隊(Garnison)に分けられる。軍の状態でいるときに敵に攻め込まれると戦闘が発生するが、守備隊の場合は攻囲戦(Siège)となり、要塞のレベルに応じた防御効果が得られるのだ。



●第3ターン(1571年5月)

 ロシア軍防衛線で渡渉点が発見された。タタール軍はマップ右方のDevler一世が防衛線を越え、レベル1で守備隊のいない要塞を鎧袖一触で陥落させる。そして主力のTereberdeyは砲兵を動員、増援と合流して大兵力でマップ左方、レベル2の要塞Odoevを強襲した。

 

 L'or et l'acierシリーズの要塞攻囲戦は、砲撃の後、攻防の戦力比で損害結果判定、というラウンドを繰り返し、守備隊が壊滅して要塞レベルもゼロになれば陥落だ。ラウンド数は攻囲戦開始時にサイの目で決まるため、攻撃側が優勢な兵力であったとしても時間切れで陥落まで至らず、というケースも起りうる。ただし攻撃側の兵力が多いとラウンド数も多くなる。

 戦力比の決定では3対1以上は同じ戦闘比列となるため、攻撃側が圧倒的な兵力であってもその優位を生かしにくい。さらに、戦闘結果表で戦力比の列を決定した後に要塞レベルがそのまま左コラムシフト数となるため、レベル3の要塞は大兵力相手にかなり頑強に抵抗できる。

 ただし砲撃によって要塞レベルを減少させることが攻撃側は可能で、実際このシリーズの前作、オスマン帝国のハンガリー征服を扱った「La conquête de la Hongrie 1526」ではオスマン側の優勢な砲兵によってあっという間に強力な要塞が陥落したりする。ちなみに「La conquête de la Hongrie 1526」をプレイするときは『夢の雫、黄金の鳥籠』は必読だよね。スレイマンもイブラヒムもユニット化されているから。まあそれはさておき、この「Molodi 1572」ではタタール、モスクワ両軍とも砲兵が1ユニットしかないため、砲兵がどこに投入されるかで敵の主攻勢軸が絞れたりする。


(つづく)


2026年3月21日土曜日

モスクワは燃えているか?- クリミア・ハン国のロシア侵攻 Molodi 1572 (VV184) AAR Part1

  先日ブログで紹介したVaeVictis184号の「Molodi 1572」をプレイしてみた。といってもゲームタイトルになっている1572年のほうではなく、その前年の1571年シナリオ。1572年のMolodiの戦いではモスクワ大公国がクリミア・ハン国に対して決定的な勝利を収めているんだけど、1571年にはモスクワまで攻め込まれて街が焼き払われている。イヴァン雷帝は涙目だったでしょうなあ。最近ナポレオンのモスクワ侵攻の本を読んで、そういやその約250年前にもモスクワ大火ってあったよね、とプレイしてみたわけである。ところで1571年と言えば信長による比叡山延暦寺焼き討ちがあった年。洋の東西でそんなに燃さんでも…。

 ゲームはL'or et l'acier(黄金と鉄)シリーズ。このシリーズではつい最近小さなウォーゲーム屋さんから「Bicocca (1522) / Pavia (1525)」が発売になったけど、VaeVictisのほうでもオスマン帝国のハンガリー征服とか、フランスのブルターニュ征服とか、結構コンスタントにこのシリーズのゲームが出ている。

 マップには上端にモスクワがあり、クリミア・ハンの軍勢が南から攻め込んでくる。ところでクリミア・ハンってなんか長いので、このAARではタタールって表記することにする。VVのヒストリカルノートでもTatarって繰り返し使っているし。一方のモスクワ大公国のほうだけど、なんか調べてみたらイヴァン4世は1547年にツァーリとして戴冠してロシア・ツァーリ国を自称するものの、他からはそのままモスクワ大公国って呼ばれていたらしい。ヒストリカルノートでもla Moscovieって呼んでいる。ルールでは一ヵ所だけ、Tsar de toutes les Russiesって書いてたりするけど。まあとにかくモスクワ大公国ってのも長いので、基本的にロシアってこのAARでは呼ぶことにする。

 マップ上で青やオレンジ、赤のマーク(VFと数字がついているもの)は要塞で、ぱっと見てわかるようにロシア軍は要塞戦を築いている。それだけでなく、赤とオレンジの点線はオカ川とその支流を利用したロシア軍の防衛線(lignes fortifiées ou barrières)を示していて、タタール軍がこのラインを越えるためには渡渉点(gué)を見つけないといけないのだが、それには2ターンかかるので、機動力のあるタタール軍と言えども簡単にはロシア深奥に攻め込めない。


●第1ターン(1571年3月)

 南から現れたタタール軍の軽騎兵のChambouliが快速を活かして浸透、渡渉点を探す。渡渉点は次ターンの移動フェイズ終了時に発見となるため、第3ターンになってからタタール軍はこの防衛線を越えられることになる。なお、Chambouliは渡渉点が見つかっていなくてもロシアの防衛線を越えて移動ができる。

 ところでこのChambouli、渡渉点を探すだけでなく捕虜(captifs)をとって勝利得点を稼いだり、略奪(fourrager)をやって補充ポイント(Point de Recrutement, PR)を得たりすることができる。軽騎兵が敵の住民をかっさらったり食料を略奪したりするのって、なんだか遊牧系の騎馬民族っぽいんだけど、Chambouliって何?と思って調べてみたら、たぶんこれのことのようだ。

Чамбул

タタールの騎兵の、機動力のある分遣隊で、ステップを越えて移動し住民を襲うらしい。ルールかヒストリカルノートで解説しておいてよ。

 

 軽騎兵を前方に放つ一方、Terberdey率いる5ユニットがロシア要塞群南西端のOrelを強襲、1ステップロスのみの損害で陥落させた。この要塞はレベル2なのでタタール軍は勝利得点2を獲得。それだけでなく、モスクワ大公国の同盟勢力が動揺してしまう。


 このゲームではタタール、ロシア両軍ともに同盟勢力を持つ。タタールの主要同盟勢力(Allié majeur)はノガイ・ハン国、中小同盟勢力(Allié majeur)は北コーカカス・ハン国(Khan du Nord Caucase)だ。ロシア側にはコサックとカザン・ハン国がついている。これらの同盟勢力は、自陣営のレベル2以上の要塞を落とされたり、会戦で敗北したりすると動揺する。そういったことが2回起こると中立状態になり、同盟勢力に属するユニットはゲームから取り除かれてしまうのだ。

「え、あと一つ要塞をとられたらコサックとかが離れていっちゃうの? 要塞を奪還したら同盟勢力の忠誠心がまた戻ったりしないの?」

「残念ながらそういうルールはないんだよ。一度失った信頼は取り戻せないってことかな。人生だよな」

「マジか~」

いきなりのピンチに動揺するロシア軍プレイヤーである。

(つづく)


2026年1月29日木曜日

VaeVictis184号はイヴァン雷帝、Molodi 1572

  VaeVictis誌の最新号はMolodi1572……って言ってもどんな戦いなのかさっぱり。モスクワ大公国がクリミア・ハン国を破ったそうだけど、16世紀のロシアって言ったらイヴァン4世、いわゆるイヴァン雷帝の時代じゃないですか。とはいえイヴァン雷帝について詳しく知っているわけでもなくて、確かアンリ・トロワイヤの本やらエイゼンシュテインの映画を見たなあ、ぐらい。そういえばグロズヌイっていう駆逐艦だか巡洋艦だかもあったよね。

 ということでヒストリカルノートを読んだんですけど、いつもながら知らないことばかりで勉強になりました。Molodiの戦いの前年、1571年にはクリミア・ハン国に攻め込まれてモスクワを焼き払われたとか、イヴァン雷帝、ダメじゃん。まあMolodiの戦いで決定的な勝利を収めることで、クリミア・ハン国からの大規模な侵攻はその後なくなったそうだけど。でもモスクワ大公国の封建的な軍事体制の欠点も描写されていて、

Les campagnes militaires successives ont épuisé ce système. Les pertes humaines empêchent le renouvellement des troupes. L'épuisement économique est patent. Faute de bras, l'agriculture s'effondre. On ne peut plus équiper hommes et chevaux. ... 'armée russe ne pourra plus rien face aux hussards polonais et aux mercenaires hongrois de Stéphane Bathory lors des campagnes en Livonie, entre 1575-1580.

だそうだけど、おいおい、大丈夫ですかって突っ込みたくなりました。


 付録ゲームはL'or et l'acier(黄金と鉄)シリーズで、1ターンは一ヵ月、1571年と1572年の二つのシナリオが収録されている。このシリーズ、ついこないだもVV180号で1526年のオスマン帝国のハンガリー侵攻を扱ったりしていて、ある程度の数が出ているので一度ルールを覚えればいろんなゲームやれるはずなんだけどね。あんまりプレイしたって話を聞かないなあ。テーマ的には5-16世紀で自分的にはばっちりなんだけど、ウォーゲーム界ではマイナーですかね…。ちなみにこのシリーズはこれまでこれだけ出ています→https://boardgamegeek.com/boardgamefamily/38723/series-gold-and-steel-philippe-hardy/linkeditems/boardgamefamily

 L'or et l'acierシリーズは基本的に戦略マップ上でプレイするんだけど、大兵力同士がぶつかる会戦は戦闘マップ上で中央、両翼などにユニットを展開する。その際、戦術チット(marqueur tactique)が使用できるんだけど、Avalanche(雪崩)なんてチットがあって、あー、ロシアって大雪降るもんね。でも、ん? 戦いの最中に雪崩? と思ってルールを読んでみたら、このチットの注釈にtactique de cavalerie employée par les deux armées visant à envelopper une des ailes adversesって書いてある。ヒストリカルノートのほうにはLes cavaliers russes utilisent des tactiques qui se rapprochent de celles des cavaleries occidentales mais en combinant le choc et le tir, << l'avalanche >>.とも書いてあって、要は騎兵の波状攻撃のことですかね。

 他にはGulylai Gorodってチットがあって、火縄銃兵が防御時に使用できるんだけど、ルールの注釈によるとlors des batailles, à l'instar des armées hussites et ottomanes, les unités russes étaient protégées par un mur mobile (<< ville mobile >>). Streltsy et artilleurs pouvaient tirer sous cette protection.だそうで、ヒストリカルノートにはL'infanterie est protégée derrière une fortification de campagne, la << ville mouvante >> (<< gulyay gorod >>), des parapets mobiles en bois, avec un fossé face à l'ennemi.って書かれている。どうやらこれのことのようですね→https://en.wikipedia.org/wiki/Gulyay-gorod このMolodiの戦いがあったのは日本だと戦国時代に当たるけど、日本でも確か竹の束で鉄砲の弾除けをしたってどこかで読んだことがあるけど、おんなじようなもんだったんですかね。

 戦術チット以外にも、モスクワ大公国はBrûler la steppe(焦土)を使えてタタール軍(クリミア・ハン国)の消耗が大きくなったり、タタール軍はcaptifs(捕虜)をとってVP源にできるけど、捕虜を連れていると移動力が減少する、なんてルールもあって、マップやユニット構成だけでなくこういった特別ルールがなんか雰囲気を出してくれている気がする。あ、イヴァン雷帝はゲームには登場しません。でも早くプレイしてみたいなあ。


共和国軍の攻勢から反乱軍の反撃、そして機動戦から消耗戦へ Brunete 1937 (Alea43) AAR part4

 ●第4ターン  全6ターンのうち、残るは半分の3ターンである。共和国軍は広がった戦線維持に兵力を割かれる一方、反乱軍には続々と増援が到着しているという状況で攻勢を続けないといけない。  前ターンに攻略に失敗したマップ右方中央のMosquito山は敵が新手を投入したため、再度の強...