2022年10月24日月曜日

親衛隊は死すとも降伏せず  La Garde Avance! (VV161) AAR ①

  ワーテルローの戦いの最終局面、親衛隊による攻撃をシミュレートしている「La Garde Avance!」はナポレオニックの会戦級のゲームJours de Gloire(栄光の日々)シリーズの最新作で、今年3月に出たVae Victis161号の付録ゲーム。ウェリントンの粘り強い防御に消耗していくフランス軍。その右翼にはブリュッヒャー率いるプロイセン軍が迫る。だが激戦の末に戦場中央部の要衝ラ・エイ・サントを陥落させたナポレオンは、親衛隊を投入して中央突破の賭けに出る。果たして親衛隊は英連合軍の戦列を抜くことができるのか、という燃えるシチュエーションである。



 Jours de Gloire(JdG)シリーズはVae Victisの付録のほか、単体ゲームなどで計30作以上出ているらしい。その中で「La Garde Avance!」はマップが小さいうえ5ターンしかなく、プレイ時間は1時間とのことだから自分のようなJdG初心者でも気軽に遊べる。

 とはいえ、JdGでは命令を受けている部隊とそうでない部隊ではできることが違ったりとか、うーん、自分の脳みそのキャパではちゃんと理解できているか不安……と思っていたら、JdGの解説動画がユーチューブにありました。動画で説明してもらうとわかりやすいっす。いやルール読めばいいだろ、という話なんですけど、ふんだんに図で例示してもらえるとハードルが下がります。2014年にアップされたみたいでルールの細部は変更があるかもだけど、ルールやゲームの手順をざっくり把握するのに役立ちました。


 それにしてもワーテルローなんてメジャーテーマのゲーム、長い間怖くて手が出せていなかった。でもBANZAIマガジンの次号はワーテルローだ。乗るしかないだろこの波に! ということで「La Garde Avance!」をやってみた。

←ウソです、ごめんなさい。BANZAIマガジンのことはプレイしてこのAARを書き始めた後に知りました。

 「La Garde Avance!」をやってみたのは、たまたま前回プレイしたAu fil de l'épéeシリーズ(AFdE)のデザイナーFrédéric Beyがデザインしたゲームだから。だってFrédéric Bey先生、AFdEは2018年から新しいのを出してないし。Vae Victisでは162号でビザンツについて記事を執筆したりしているのになー。でも、別のデザイナーのゲームだけどA la Charge!シリーズは今年5年ぶりに新作が出たし、Bey先生、あきらめずに待ってますよ! それとBANZAI次号も期待してます。

 BANZAI次号の付録ゲームはSSワーテルローの再版らしい。SSシリーズといえばたしか昔シミュレイター誌に、中黒氏がSS川中島を日本のワーテルローだと言ってアメリカ人に売り込んでいたって書かれていた(自分の記憶違いだったらごめんなさい)。若い頃から国際的なマーケティングセンスがあることをうかがわせるエピソードで、栴檀は双葉より芳しというやつですか。


 というわけで「La Garde Avance!」なんだけれども、ナポレオン戦争は、まあその、なんだ、よく知らないんですよ。すみません。なのでまずはヒストリカルノートを読んでみた。Vae Victis161号には"L'infanterie de la Vieille Garde au combat"というタイトルで、親衛隊について1799年の執政親衛隊の創設からワーテルローでの敗戦までが6ページにわたって描かれている。筆者は「La Garde Avance!」のデザイナーFrédéric Bey。親衛隊は二百年以上たった今でも、ナポレオン軍の中でもっとも敬意を払われ研究されている、なんてこと書かれていたら読むしかないじゃないですか。親衛隊って精鋭部隊だよねぐらいの漠然としたイメージしか自分は持ってなかったけど、いろいろと勉強になりました。ということでヒストリカルノートを和訳してみました。ご興味ある方は下記リンクからどうぞ。





……なんてなことはしてません。だって、ナポレオン関連の文献は日本語でふんだんにあるでしょうからね。親衛隊のことを含めナポレオニックについてあんまり知らない自分がウォーゲーマーの中ではマイノリティなんだろうなあ。それと、デザイナーズノートでは親衛隊の士気などについて説明されていて面白かったです。


つづく

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