●第10ターン
ブルゴーニュ軍の両端は兵力が足らず間隙が生じており、フランス軍の両騎兵部隊はそこに浸透。背後から白兵戦をしかけブルゴーニュ軍騎兵はたまらず潰走していく。フランス軍騎兵部隊がマップ右端へと前線を押しこんでいるため、中央のマクシミリアンの指揮が届かずブルゴーニュ軍は有効な対応が打てない。
もうボロボロになったブルゴーニュ軍左翼騎兵部隊を率いるPhilippe de Clevesは、ギネガテの戦いの前からフランドル地方を治めフランスと戦っていた。ブルゴーニュ公シャルルが残した一人娘の公女マリーは領民たちから「美しき姫君」や「我らのお姫さま」と慕われていたのだが、Philippe de Clevesは幼い頃はそのマリーの遊び相手だったらしい。マクシミリアンとマリーの夫婦仲はよかったが、マリーは若くして亡くなる。その後マクシミリアンは神聖ローマ皇帝になり、ブルゴーニュ領ネーデルラントを帝国の勢力圏内に組み込もうとしたらしく、Philippe de Clevesはそんなマクシミリアンに対して反旗を翻す。あくまでブルゴーニュ公家そして幼馴染のお姫様マリーに忠節を貫いたということか。
ブルゴーニュ軍は中央でもフランス軍の射撃によってじわじわと士気低下、はては潰走するユニットが出る。両翼の敵騎兵部隊に対応する必要があるため、ゲーム前半のときのように中央で積極的に攻勢に出ることができないのだ。マクシミリアンとしては耐えるしかない。
最後の騎士と呼ばれたマクシミリアンはさまざまなエピソードを残しているのだが、狩猟で銃を使うのは卑怯、と弓矢でカモシカ猟をしていたそうだ。そういうこだわりが最後の騎士と呼ばれた所以ですかね。ある日、お供のものもついて行けないほどの峻険な岩山をものともせず一人でガンガン上っていき、狭い岩角に片足をかけ、弓矢を放っていた。だがあまりにも険しい場所だったためそこから動くことができず片足で立ったままになっていたという。いやなんかそれ、騎士というよりはギャグですか、という印象を受けるんですけど…。そうすること三日目、いずこともなく牧人が現れマクシミリアンを安全な場所に導いた。いまもインスブルックにはマルティンの岩壁という場所があり、これがマクシミリアンが三日間立ち尽くしていたところだと言われている。マクシミリアンを助けた牧人は天使だったとも伝えられているらしい。なんか、こういうおちゃめなエピソードが何百年も語り継がれているところに、マクシミリアンが人々に敬愛されたということがうかがえますな。
ちなみに岩山で立ち往生、という話を聞くと、落石事故で右腕が岩に挟まれ、5日間の苦闘ののちに自ら腕をナイフで切断して脱出したアーロン・ラルストンを思い出す。母校のスピーチでもこの経験をポジティブに語っていて、すげーなーと。
●第11ターン
ターン最初の射撃戦で双方に潰走ユニットが出る。もともとユニット数が敵よりも少ないブルゴーニュ軍としては痛い。
そしてフランス軍騎兵部隊の攻撃。目指すはブルゴーニュ軍の荷車列、お宝を奪うのだ! 欲に疲れも忘れたか、次々と敵騎兵を潰走、壊滅させていく。
フランス軍右翼の騎兵部隊を率いる、フランス軍総指揮官Philippe de Crèvecœurは若い頃はブルゴーニュ側で仏王ルイ11世と戦ったりしていたが、マクシミリアンの舅ブルゴーニュ公シャルルが1477年に戦死するとフランスに寝返ったらしい。ギネガテの戦いのたった2年前ですね。この戦いの4年後にはフランス元帥(Maréchal de France)になっている。
フランス軍は騎兵部隊と連動して中央の歩兵部隊も攻撃に出る。集中射撃で敵槍兵を潰走させた。フランス軍は得点を伸ばしていき、壊滅ユニットによる得点の差は2にまで縮まった。
●第12ターン
最終ターンである。お宝頂戴! と全力で駆けるフランス軍騎兵だったが、おしくも一歩及ばず。だがフランス軍総指揮官率いる騎兵主力部隊が敵歩兵を壊滅させていく。
中央では両軍ともに指揮官たちが陣頭に立って最後の死闘を繰り広げる。フランス軍の歩兵部隊を率いるAntoine de Choursesに至っては、指揮官自ら騎兵を率いて突撃。たまらず戦列を乱して後退するブルゴーニュ軍の歩兵。マクシミリアンを中心に、残り少ない兵力で必死に防戦、反撃する。
そして長時間にわたった戦闘も終わりを迎えた。勝利得点は、フランス軍は51。ブルゴーニュ軍は敵ユニット壊滅によって同じく51、だがそれに加え、潰走状態の敵軍1ユニットにつき1点を得られるので、計55。両者の差は4で、この戦いは引き分けとなった。
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