2025年10月5日日曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ 「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part2

  露軍は2部隊(formation)構成で第一線がSacken、その後ろにSomovの部隊が控えており、歩・騎・砲のバランスもとれている。一方、仏軍はすべて騎兵で一つの部隊としてまとまっている。

 兵数は、仏軍は9ユニット、これに対し露軍は17ユニットと倍近くある。しかも仏軍の約半数の5ユニットは戦闘力(Points de force)が1、残り4ユニットも2しかない。露軍の戦闘力は2~4だ。

 こんな敵にLepicは少数の騎兵を引き連れて突っ込んでいかないといけないのか、と思いきや、仏騎兵の士気(Cohésion)は6~7と高い一方、露軍の11ユニットの士気は3,残るユニットも砲兵を除けば士気は4しかない。しかも仏軍はLepicの部隊の活性化チット(Marqueur d’Activation, MA)が2枚あって1ターンに2回活性化できるのに対し、ロシア軍はSacken,Somov両部隊ともMAは1、つまり1ターンに一回しか動けない。まあ簡単に言って質対量の戦いである。

(なお「La Garde veille!」はJours de Gloire(JdG)シリーズで、ルールに関しては以前、「La Garde avance!」のAARを書いたときに結構触れたのでそっちを見てみてください。それと用語の訳については、これも「La Garde avance!」のAAR同様に自分の好きな言葉を当てています)

 

●第1ターン

 活性化はフランス軍から。JdGシリーズはチットプルで毎回スリリングな感じになるのだが、このシナリオでは両軍が互いに1MAずつ活性化するというように変更されている。

 仏軍の初期配置では中央2スタックが突撃(charge)を行える位置にある。仏軍騎兵はすべて重騎兵なので突撃を行うと+3のDRMが付き、正面のSackenの歩兵の士気の低さも考えると簡単に蹴散らすことができるだろう。だが敗走する敵を追撃して敵陣深くに切り込むことになり、待ち構えている露軍Somovの部隊から袋叩きにされるのは目に見えている。仏軍の危機を救うために親衛騎兵が敵中央に突撃したなんてシチュエーション、それにLa charge des grenadiers à cheval(親衛擲弾騎兵の突撃)なんてシナリオタイトルからして、フランス軍は突撃したくなるだろう。でもこれはおそらく孔明、じゃなかったデザイナーの罠だ。

 

 というわけでフランス軍は突撃を控え、4スタックで敵Sacken隊の右翼(マップ上方)から中央にかけて攻撃を行う。JdGでは騎兵は突撃を行うとプラスのDRMを得られるが、逆に通常の攻撃(choc)では-2の不利な修正がつく。全ユニットが騎兵のフランス軍にとってこれは痛い、と思いきや、-2の修正を補って余りあるほど仏軍騎兵は士気が高いのである。Lepicの「ク〇じゃないぞ!」っていう叱咤のおかげかな。結果、ロシア軍は2ユニットが敗走してしまった。

 露軍Sacken隊中央の砲兵は目の前まで迫ってきた仏騎兵に慌てて砲撃を加えるものの、効果なし。Sackenの砲兵は砲撃力(capacité de tir)が3と低いうえに、「アイラウの墓地」シナリオ同様、アイラウでの悪天候を反映して砲撃時には-1の不利なDRMつくので、隣接へクスかつスタックへの砲撃であっても、仏騎兵に損害を与えるのは難しくなっている。Sacken隊は後退、戦列を整えた。


 仏軍はSakcen隊に猛攻を続ける。敵砲兵の防御射撃(tir de réaction)をものともせず突っ込んでいき、ロシア軍歩兵は次々と混乱状態になって後退していった。だがマップ上方での攻撃は、Somov最右翼の騎兵を混乱状態で退却させ突破(choc de rupture)、露軍騎兵にたたみかけようとするも、+3の攻撃でまさかのサイの目ゼロ。仏騎兵スタックの攻撃は撃退され、混乱状態になって退却する羽目に。混乱状態だと攻撃ができないので、ユニット数が少ない仏軍にとってはかなり痛い。


(つづく)



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