●第1ターン(続き)
仏軍の2回の攻撃を受けたロシア軍に、Somov隊の活性化が回ってくる。
この「La charge des grenadiers á cheval」シナリオでロシア軍の悩みどころなのが、Somov隊を制限なしに行動できるようにするかどうか、という点である。というのも、Somov隊は非命令下(Sans Ordres)なのだ。Jours de Gloire(JdG)シリーズでは命令下(Ordres Reçus)の部隊は通常通り行動できる一方、非命令下だと移動力半減で攻撃を行おうとする際にもチェックが必要になる。ロシア軍の半数以上を占めるSomov隊がこんな感じで行動に足かせがあるんじゃかなり不利、となるところだが、JdGシリーズでは非命令下の部隊は、1d10を振って活性化チット(MA)のイニシアティブ値(valeur d'initiative)以下を出すと、命令下と同じ状態になる。ただし失敗すると移動も攻撃もできなくなるため、オールオアナッシングに近いギャンブルである。Somov隊のイニシアティブ値は5なので、成功の確率は60%。うーん、悩ましい。
ただMen of Ironシリーズやっていると、動いてほしい部隊が動かなかったなんてことは日常茶飯事だし(それがまた歯がゆくもあり面白いところだと思うんだけど)、安全策をとるよりもギャンブルに出たほうが面白いと自分は思うほうなので、Somov隊はチェックを行うことにした。チェックに成功すると制限なしに行動できるだけでなく、このシナリオでは既述のとおり仏軍と露軍が交互に活性化していくのだが、Somov隊が命令下で活性化した次のターンは、露軍からになる。今はもう第1ターンの最後で、次のターンも露軍からということは、今回チェックに成功すれば2回続けてSomov隊を動かせるのだ。これぞギャンブルの醍醐味。
ということで露軍はSomovのイニシアティブ値を使ってチェックを行い、成功。Somov隊の砲兵はSackenより強力で砲撃力5なので、砲撃で敵を混乱させたところに側面から回り込んで攻撃、と思いきや、士気の高い仏騎兵は露軍の砲撃に動揺せず。やっぱLepicの親衛騎兵だからね、砲弾なんかにひるむわけないよね。
だが露軍はスペースが開いているマップ左方に回り込み、仏軍右翼を守っていた騎兵1ユニットを3ユニットで攻撃。DRM+4の攻撃にたまらず仏騎兵は退却するものの、士気チェックには耐えた。
●第2ターン
先述のように、Somovがチェックに成功し命令下となって活性化したため、このターンは露軍からとなる。当然、前ターンの最後に引き続いてまたもSomov隊が動く。このターンもイニシアティブ値を使って命令下にできるチェックを試みるのだが、Somov隊は前ターンの攻撃でマップ左方に展開したため、左翼と右翼の戦術グループ(groupe tactique)に分かれている。チェックは戦術グループごとに行わなければならず、左翼(マップ左方)のグループは成功し命令下になったものの、右翼は失敗し何もできなくなってしまう。
Somov隊左翼は騎兵1ユニットが移動力8の快速を生かして仏軍後方に回り込む。そして前ターン攻撃した仏騎兵1ユニットを再びDRM+4で攻撃。たまらず仏騎兵は混乱状態になって後退、そこに露軍が追撃をかける。仏軍は敗走状態となって再び後退を余儀なくされるも、さきほど回り込んできていた露騎兵が後方にいたため退却できず壊滅。この結果、仏軍の主力である3スタックが包囲されてしまった。
これってまさに、このAARの一回目で紹介したLepicのエピソードと同じ状況である。対人プレイをしていたら、ロシア軍プレイヤーは降伏勧告をするんだろうなあ。仏プレイヤーは、「わが騎兵が降伏するように見えるか!」って言い返すんだろうなあ。で、待ってましたとばかり
「ラ・シャルジュ! ラ・シャルジュ! エ・ヌ・パスロン!」
って言うんだろうなあ。
でもロシア軍は「¡No Pasarán!」って返して、
「いや、それフランス語じゃないし、ロシア語でもないし。というかナポレオニックじゃなくてスペイン内戦だし」
って突っ込まれるんだろうなあ。仏語と西語って似た単語多いよね。
……というやり取りを想像してしまいました。一人寂しいぼっちプレイ。
(つづく)



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