2025年10月19日日曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ 「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part5

 ●第3ターン

 前ターン、包囲網を突破したフランス軍の攻撃で大きな損害を受けたロシア軍だが、敵は攻撃・追撃をして分散し、しかも1スタックは混乱状態となっているのだ。今反撃しなくてどうする。ロシア軍はSomovのイニシアティブ値を使って、今ターンも命令下にできるかどうか賭けに出る。気合を入れて振ったサイコロ(Vassalなんで、気合を入れてサイコロボタンをクリックだけど)の目は3でチェックに成功。おっしゃ、仏騎兵を袋叩きだ。

 ロシア軍はフランス軍右翼(マップ下方)の混乱状態のスタックを歩兵2ユニットで包囲。混乱状態になっても仏親衛擲弾騎兵は士気6と強力なのだが、戦闘力は両ユニットともわずかに1。敵歩兵の集中攻撃を防ぎきれず敗走を余儀なくされるものの、包囲されていたため壊滅した。

 このシナリオでの勝利得点は敵ユニットを壊滅させると通常2点を得られるのだが、親衛擲弾騎兵はなんと5点なのである。今回のスタックの壊滅で仏軍は一気に7点を敵に献上してしまい、ロシア軍の累計勝利得点は9に上った。仏軍の得点は13なので、また仏騎兵スタックが包囲、壊滅すると逆転となる。


 ロシア軍によって各スタックが分断、包囲されてしまったフランス軍だが、中央では前面にいる混乱状態のSomov騎兵を攻撃、壊滅させる。そして下方では、Sackenの砲兵の横をすり抜け、混乱状態の歩兵を攻撃、敗走させた。Jours de Gloireシリーズでは砲兵はZoCを持たないため、歩兵とスタックしていないとこういうことが起きてしまうのだ。


 仏軍の攻撃でボロボロのSacken隊は敵騎兵に接敵して機動を阻害するぐらいしかできない。混乱状態のユニットも、士気が低いためなかなか回復しないのである。

 そんなロシア軍をしり目に、仏軍は敵に襲い掛かる。そしてマップ上方で混乱状態だったスタックは、ロシア軍騎兵によって回復を妨害されていたが、やっと2ユニットとも正常状態に戻った。

 ターン最後の敗走移動フェイズではロシア軍歩兵2ユニットが盤外に。これでフランス軍の勝利得点は20となった。



●第4ターン

 かなり兵力が減少しているロシア軍だが、マップ右下端の仏スタックを歩兵と砲兵のスタックで封じ込めた。


 このシナリオはかなり短く、今回が最終ターンである。敵より7点以上得点が上だと勝利で、勝利得点でフランス軍はロシア軍を大きく上回っている。マップ下方で動きを封じられた自軍スタックは集中攻撃を受けると後退できないので危ないが、それでも時間を稼げば勝ちである。

 だが、親衛騎兵がそんなセコい勝ち方できるか!  敵はもう崩壊寸前だ、突撃!  突撃!  とマップ上方の2スタックがSomov隊に襲い掛かる。ロシア軍騎兵は仏親衛騎兵の敵ではなく、次々と敗走していった。


 ロシア軍は最後のあがきで使える戦力をかき集めて攻撃する。騎兵1ユニットが移動力8を活かして後方に回り込み、歩兵2ユニットともに仏軍1スタックを包囲。DRM+3となり、仏親衛騎兵は後退できずに壊滅してしまった。そのうち1ユニットは親衛擲弾騎兵なので、計7点をロシア軍は獲得。やっぱりフランス軍は変にこだわらずに後退したほうがよかったか。 

 とはいうものの大勢は覆らず。ターン最後には敗走移動でロシア軍騎兵2ユニットが盤外に消えていった。結果、フランス軍の損害は親衛擲弾騎兵2ユニットを含め5ユニットの壊滅でロシア軍は計16点。ロシア軍の損害は壊滅12ユニット、計26点で、仏軍の圧勝となった。これでLepicも無事généralに昇進することだろう。


 この「親衛擲弾騎兵の突撃」シナリオ、ターン数は短くユニット数も少ないのでサクッとプレイできる。VaeVictis178号付録の「La Garde veille!」収録の二つのシナリオのうち一つだから、ミニミニゲームなのは当たり前なんだけどね。フランス軍親衛騎兵を思う存分暴れさせたい、という人向けかな。でもちょっと判断を誤ったり運が悪かったりすると、ロシア軍が数の暴力で袋叩きにしてくるので気が抜けない。それと、Jours de Gloireシリーズは多く出ているので、その導入といういうか練習シナリオとしても適しているんじゃないかな。


 ところでアイラウ戦での仏騎兵の突撃だけれども、仏中央のオージュローの軍団が敗走し、ナポレオンが危機に陥ったとき親衛隊が反撃、そしてミュラが騎兵を率いて突撃した、と言われている。このミュラの突撃は結構有名なようで、ヒストリカルノートではune des plus formidables charges de l'histoire(歴史上もっとも凄まじい騎兵の突撃の一つ)なんて書かれている。でも実際どうだったのか、ナポレオニック関連ではいつも勉強させてもらっているサイト「祖国は危機にあり!」「祖国は危機にあり!(La partie en danger)関連blog」では様々な資料に当たって考察されているので、ご興味ある方はどうぞ。

1807年2月8日 アイラウ

吹雪の騎兵突撃

アイラウ 3









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