まずはヨーク軍のノーフォーク隊が前進、オックスフォードの部隊と射撃戦を展開する。そしてリチャードが白い猪の旗印を掲げ左翼方面(マップ右方)に前進。スタンリーに近づいたことで裏切りの可能性がやや低くなる。
あ、白い猪っていうのはリチャードの旗印(heraldic badge)です。映画「ロスト・キング」でも、もちろん出てきましたね。
ランカスター軍はオックスフォード隊が射撃で応戦するものの、ヘンリーが継続活性に失敗。敵の連携がとれていないうちに追い打ちを、とノーフォークは長弓兵に容赦のない射撃を行わせる。そうして敵前衛を牽制しつつ、リチャードがさらにマップ右方を急進した。
ヨーク軍の好きにさせるわけにはいかない。オックスフォード隊が突出していたノーフォークの歩兵を3ユニットで集中攻撃、混乱させる。射撃戦では不利であっても、兵数ではオックスフォード隊のほうが上なのだ。そしてやっとヘンリーが動く。マップ右方にシフトしてリチャードに対応できるようにするとともに、スタンリーに近づくことで裏切りの可能性を上げた。
このシナリオでは最初はスタンリーの2部隊は中立で動かないが、ランカスター軍は自由活性を使ってスタンリーの裏切り(Stanley Mobilization)チェックをすることができる。基本的に、スタンリー裏切りカウンター(Lancastrian Stanley counter)を1枚引いてそこに書かれているサイの目以下が出れば裏切るのだが、カウンターは5枚あって裏切りの可能性は30%~70%と幅がある。とはいえいろいろ計算すると、50%の確率で裏切るはず(でも計算自信ないなあ)。
ただし、スタンリーの2人の指揮官のうちどちらかから12へクス以内にリチャードがいれば裏切りチェックのサイの目が1不利になり、逆にヘンリーが8へクス以内にいれば1有利になる。
今回リチャードはスタンリーに近づくようにマップ右方に展開したが、実際はデメリットの方が大きいと思う。こちら方面は湿地(Bog)や小川(Stream)、それに沼地(Marsh)などがありリチャード麾下の重騎兵の機動力や突撃能力を活かしにくい。それだけでなく、スタンリーが裏切った場合、ヘンリーとスタンリーから挟撃される可能性が高いのだ。
しかもマップ下方の中央右よりにある沼地は、「沼地とリチャード三世ルール(Marshes and the Richard the Third Rule)」なんてのがあって、騎兵がここで白兵戦を行うと強制下馬(Unhorsed)となる可能性がある。ボズワースでは沼地でリチャードが馬を失い討ち死にしたと言わているが、それを反映しているらしい。リチャード三世としてはマップ右下は縁起が悪い。
一方、マップ左方にリチャードが展開した場合、平坦な地形が広がっているので重騎兵がその能力を発揮できるうえ、スタンリーの2部隊がマップ右方から主戦場に駆け付けるのに時間がかかる。そもそも、スタンリーは2人とも活性化値3と凡庸だ。ヘンリーの指揮範囲にいると継続活性でDRM1有利になるが、リチャードがマップ左方から全力で攻撃する場合ヘンリーがオックスフォードの救援に駆け付けざるをえず、スタンリーから離れることになる。つまりスタンリーが活性化しにくくなり、ヨーク軍を攻撃する位置にたどり着くまで時間がかかるのだ。
ということでこのシナリオの場合、リチャードはマップ左方に展開したほうがメリットが大きいと思う。だがヨーク軍プレイヤーは
「進め! 雄々しく! 猛進して乱戦に飛び込むのだ。天国に行けなければ、ともに地獄に進もうぞ」
とうそぶきながらマップ右方に兵を進める。
「いや、それシェイクスピアの『リチャード三世』のセリフでしょ。不吉すぎない?」
と敵プレイヤーに心配される始末。両プレイヤーとも映画「ロスト・キング」を見てリチャード三世に肩入れしてしまっているのである。「リチャード三世」のボスワース戦のところを読み返したりしていたし。
ちなみにこれは「リチャード三世」のボズワース戦冒頭のところで、原文は
March on. Join bravely. Let us to it pell mell,
If not to heaven, then hand in hand to hell.
となっています。
つづく
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