2024年2月8日木曜日

ノルマン騎士に、シュヴァーベンの意地を見せろ! Civitate 1053 - Norman Conquests(GMT) AAR ①

 Men of Iron(GMT)シリーズの最新作「Norman Conquests」が去年末、やっと出た。ノルマン・コンクエストと言ったら世界史でも習うほど有名で、1066年に北フランスからノルマンディー公ギョーム(英語風の読みだとウィリアム)がイングランドを征服した、という歴史的な出来事。イギリス史的には当然超重要であり、かつて英外相が自国のことを「1066年にフランス人によって創立された(founded in 1066 by the French)」って言ったことがあるぐらい。

 Men of Ironシリーズの最新作を待ちわびつつ、そうか、これまでMoIは十字軍や薔薇戦争、イタリア戦争を扱ってきたけど今度はノルマン・コンクエストか、と思っていたんだけど、タイトルをよく見るとNorman Conquestsと複数形になっている。11世紀にノルマン人はイングランドだけでなく南伊なども征服しており、そういったノルマン人の広範囲な征服活動をこの複数形は示しているんだろうな。実際、収録シナリオの半数以上は1066年の戦い以外だし。しかし最初は複数形だと気が付かなくて、征服王ウイリアムのノルマン・コンクエストだって思い込んでましたよ。ははは…。


 今回プレイするのは「Norman Conquests」収録のシナリオの一つ、Civitateである。チヴィターテって読むらしいけど、ノルマン・コンクエストの13年前、1053年に南イタリアで行われた戦い。11世紀の南伊はビザンツ帝国の影響下にあったものの分裂状態で、北フランスからやってきたノルマン人の荒くれ共が傭兵として暴れつつ自分たちの勢力を拡大していく。そこに教皇レオ9世がノルマン人を鎮圧しようとして起こったのがチヴィターテの戦い、とざっくりいうとこんな感じ。教皇軍はさんざんに打ち破られ、レオ9世がノルマン側の捕虜になったという。この戦いで南伊におけるノルマン人の優位が確立し、以後シチリアを征服、さらには東に向かいバルカン半島にまで進出しようとするのである。でもそんなことしたらアンナ様に怒られるよ。


 初期配置は写真のとおり。両軍のユニット数はほぼ互角であるものの、ノルマン軍は弓兵3ユニットを除いた残り12ユニットがすべて重装騎兵(Mounted Men-at-Arms, MM)と、騎兵中心の軍勢であるのに対し、教皇軍には騎兵は無くすべて歩兵という、対照的な兵種構成となっている。

 指揮官の活性化値の点ではノルマン軍のほうが優れており、同軍の騎兵の機動力も考慮すると、教皇軍としては固く守るほうが得策だろう。

 ちなみにこの戦いに参加しているノルマン人の指揮官はフランス出身なので、このAARでは名前をフランス風にしている。Humphrey de Hautvilleはオンフロワ、Richard Drengotはリシャール、Robert Guiscardはロベールとなる。

 また、実際の戦いでは教皇軍左翼(マップ上方)のイタリア兵がノルマン軍の突撃で早々に敗走したが、南ドイツのシュヴァーベンから来た部隊が最後まで奮戦したそうで、教皇軍右翼のヴェルナーの精鋭部隊はシュヴァーベンの兵を表していると思われる。というか、このAARではシュヴァーベンの兵として扱う。単にシュヴァーベンに思い入れがあるという個人的な理由からなんだけども、それは後で触れる予定。



 プレイ開始。ノルマン軍はリシャールとオンフロワの2部隊を右(マップ上方)にシフト。ロベールの前面を空ける。一方、教皇軍は全軍を後退、小川を利用して守りを固めようとする。

 こうして両軍が態勢を整えているうちにロベールが活性化可能となった。チヴィターテの戦いはリシャールとオンフロワが右翼で教皇軍を崩壊させている間に中央から左翼にかけてが苦戦に陥った。そのときにロベールが敵の側面にまわり勝負を決めたそうで、ロベールが戦闘に参加するのが遅くなったのを反映してか、このシナリオではノルマン軍の2回目の自由活性化にならないとロベールは活性化できない。そのため、ノルマン軍プレイヤーは他の2部隊で早急に攻撃をしかけることなく、時間をかけて攻撃態勢を整えたのである。


つづく


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