他の2部隊に遅れてやっと活性化が可能になったロベール隊が前進。ころはよし、とノルマン軍が攻撃を開始する。まずは右翼(マップ上方)のリシャールがフレデリック隊の左翼端に回り込み、弓兵を側面から襲う。
つづけて中央のオンフロワが活性化。敵フレデリック隊の再右端(マップ下方)に位置する弓兵に射撃戦を仕掛け、相打ちで混乱状態にしたのち、重装騎兵4ユニットがそろって突撃。脆弱な歩兵どもなどノルマン騎兵の前では鎧袖一触、と思いきや、このゲームでは槍兵(Pike, PK)の正面から突撃をする際は、騎馬が突撃を躊躇したかどうかのチェックが課されるCharge Reluctanceというルールがある。まあ、槍衾に正面から突っ込むって想像しただけでも結構怖いもんね。このチェックは基本的に2分の1の確率で成功するのだが、リシャール隊の重装騎兵4ユニットのうち半数が成功。1ユニットは敵の固い陣形に恐れをなしたか馬がスピードを緩めてしまい、白兵戦(Melee)となった。
突撃に成功した騎兵は敵戦列に食い込む。混乱して後退する槍兵に追い打ちをかけたが、小川越しの攻撃となり逆に撃退された。
また一斉に攻撃をしかけた騎兵4ユニットのうち一つは敵弓兵に突っ込む。この弓兵は先ほどの射撃で混乱状態となっていたため一息に蹴散らせてくれるわ、と思いきや、必死に放たれた矢によってノルマン騎兵は強制下馬(Unhorsed)となってしまった。
敵の攻撃で大きな損害を受けた教皇軍のフレデリック隊だが、果敢に反撃する。敵ノルマン軍のオンフロワも正面攻撃で大きな被害を出している。左翼が敵リシャール隊の圧力を受けているからといってこのまま守りに入っていては敵の思うがまま。機を逃さず反撃あるのみ。フレデリックの弓兵が、先ほど強制下馬となった敵ユニットを至近距離からの射撃で敗走させる。そして槍兵が混乱状態の重装騎兵を包囲、壊滅させた。ノルマン軍としては痛い損害である。
このシナリオで登場するオンフロワとロベール・ギスカールは異母兄弟で、仏ノルマンディ地方西部のオートヴィル家の出身。このオートヴィル家は冒険心盛んで、フランスから南伊に渡りシチリアを征服してシチリア王国を建てている。オンフロワとロベール二人の長兄ギョームは鉄腕の異名を持つほか、父タンクレードも勇猛だったらしく、狩りの最中、猟犬に襲いかかった巨大イノシシを剣で倒したというエピソードが残っている。ちなみにこのシナリオのもう一人の指揮官リシャールはオートヴィル家の出身ではないが、オンフロワやロベールの姉妹フレッセンダと結婚している。
フレデリックに続け、とばかりに教皇軍右翼(マップ下方)のヴェルナーの精鋭部隊が前進。射撃でロベール隊最左翼の重装騎兵を強制下馬とした。
このヴェルナーの歩兵は南西ドイツのシュヴァーベンの兵だったようだが、シュヴァーベンと言えばロンメルの出身地で、どっかの本でロンメルがきついシュヴァーベンの方言で話した、みたいなこと書いてあった記憶がある。というか、自分は昔シュヴァーベンの農家で2カ月ほど居候させてもらったことがあって(仕事を手伝う代わりに部屋代・飯代はタダ)、シュヴァーベンと聞くとちょっとえこひいきしてしまいたくなる。チヴィターテにドイツから参加した兵たちもSchwäbischを話していたのかなあ。
このまま教皇軍に押されてたまるか、とノルマン軍もやり返す。先ほどノルマン中央オンフロワ隊に対して反撃に出た教皇軍のフレデリック隊だが、その分マップ上方のリシャール隊に対する備えが犠牲になっている。これを見て取ったリシャールが、重装騎兵を突撃させる。側面や背後から騎兵の突撃をくらった歩兵たちは次々と混乱状態に陥っていった。そして敵の射撃をものともせず弓兵にもリシャールの騎兵が突撃、馬蹄にかけて蹴散らした。
つづく
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