●第1ターン
このターンはスイス軍の活性化から始まる。スイス軍は前進して丘陵地帯の隘路出口で防御を固めた。
「猪口才な。スイスの農民どもなんぞ蹴散らしてくれるわ!」
とブルゴーニュ軍プレイヤーが気炎を上げる。一斉に襲い掛かると思いきや、敵右翼端(マップ上方)のみを攻撃、損害を与えて後退させるに終わった。
「あれ、威勢がよかったはずなのに一カ所だけしか攻撃しないなんて、しょぼくない?」
「すんません、それは無理っす」
先述のようにスイス兵は戦闘力、兵質ともに高く兵種としては騎兵と同等のため、1ユニット同士の白兵戦ではブルゴーニュ軍が不利になる。このゲームでは白兵戦をするユニットは正面ヘクスにいるすべての敵ユニットが攻撃されるようにしないといけないため、きっちりと戦列を組んでいる相手に一斉攻撃をしようとするとどうしても1ユニット同士の白兵戦が生じてしまう。さらにはスイス軍は地形効果も得られるユニットもあるわけで、ブルゴーニュ軍としては一斉攻撃をして次々と撃退されるという事態を避けるために敵戦列の端に2ユニットを投入し、さらに騎兵部隊指揮官Château-Guyonの指揮ボーナス(Bonus)で+2DRMを得て何とか有利な形で攻撃ができたのである。
●第2ターン
スイス軍には増援のRedingの部隊が登場。この部隊は現在のスイス中央部の兵からなる。ちなみに初期配置されているScharnachtalの部隊はベルンの兵である。
ブルゴーニュ軍は敵の指揮官Scharnachtalを攻撃、疲弊状態(Fatiguée)で後退させた。だがScharnachtalは怯まず、戦闘後前進で突出した敵騎兵を包囲、袋叩きにして敗走させる。ちなみにこのゲームでは戦闘後前進は強制である。うかつに攻撃するとこのように反撃をくらうことが多い。
スイス軍の反撃を受けたブルゴーニュ軍は騎兵部隊を支援するためHochbergの弓兵が射撃で敵に損害を与えるものの、騎兵部隊とHochberg隊だけでは増援が登場したスイス軍を積極的に攻撃していくには兵力が足りない。
「予備がいっぱいいるんだから、早く投入させてよ~。デザイナーの意地悪~」
と嘆くブルゴーニュ軍プレイヤーである。
●第3ターン
イニシアティブを得たブルゴーニュ軍は先手を取って騎兵が攻撃。すでに疲弊状態だったスイス兵ユニットを士気低下状態(Découragée)にして後退させた。
スイス軍は総指揮官(chef d’armée)Scharnachtalのもと、一斉に反撃。このゲームでは基本的に部隊ごとに活性化するが、総指揮官は自分の指揮範囲内にいる他の部隊のユニットも活性化できる。Scharnachtalは6という広い指揮範囲にものを言わせて前ターンに登場したRedingの部隊も投入、敵戦列の間隙から浸透しブルゴーニュ騎兵に強力な攻撃を行う。特にRedingは指揮ボーナス3と強烈なDRMを持つのだ。包囲されていたブルゴーニュ騎兵はたまらず敗走していった。さらにScharnachtalに続いてRedingが活性化。敵に追い打ちをかけていく。
そしてスイス軍には今ターンも増援が登場。Redingの後を追ってマップ上部からGoldiの4ユニットが、そして丘陵地下方の道からはFaucingnyの強力な歩兵部隊が現れた。
頼みの騎兵が次々とスイス軍に撃破され、敵には続々と増援が現れるのを見たシャルル・ル・テメレール。Hochbergの弓兵の射撃で敵を牽制しつつ、後方にいた予備の3部隊を動かした。
「いやー、早いとこ騎兵が2ユニット敗走してくれてよかった。これで予備が投入できるもんね」
「それ、一軍の将が言うセリフじゃないと思うぞ」
このシナリオでは先述のように、ブルゴーニュ軍は騎兵が2ユニット敗走するまでは予備の3部隊は活性化できない。そのため無理は承知で騎兵部隊で攻撃をかけていったのである。それにブルゴーニュ軍は騎兵が攻撃しなかったターンごとに1勝利得点(PV)をスイス軍に献上してしまう(最大で累計5PV)。そのため、史実同様騎兵で攻撃を仕掛けうるよう誘導される仕組みとなっている。
つづく
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