2026年5月5日火曜日

(幕間)『ナポレオン戦争の背景 - 18世紀フランスにおける戦術理論』

 Hondschooteの戦いのあったフランス革命戦争期での戦い方についてもうちょっと知りたいな、と思っていたんですが、つーか「祖国は危機にあり(La partie en danger)関連ブログ」で紹介されていたCamille Baruch Léviの『La défense nationale dans le Nord en 1793 (Hondschoote)』とか読んでもね、いろんな部隊の動きはわかるんですけど戦術的なところは自分にはわからんわけですよ。でも以前ブログで紹介した『La révolution militaire napoléonienne』の第二巻の第一章がDe la bataille linéaire à la bataille séquentielleってタイトルでプレ・ナポレオン戦争期の戦術と言いますか戦い方を数十ページ使って解説していて、17世紀から18世紀にかけての変遷が分かりやすくて助かりました。Hondschooteやほかの革命戦争期の戦いについても触れられていて面白かったです。でもbataille linéaireとbataille séquentielleってなんて訳せばいいですかね。

 もうちょっと知りたいなと思って、DSSSMさんが以前紹介されていた『Napoleonic Wars: The Essential Bibliography Series』で探してみたら、『The Background of Napoleonic Warfare: The Theory of Military Tactics in Eighteenth-Century France』がおすすめされていたので読んでみました。この本は、formed the cornerstone of traditional examinations of pre-revolutionary theories and their influence on French tactical reforms during the Revolutionだそうです。ほうほう。なんといってもInternet Archiveで公開されているのがありがたいです。小さなウォーゲーム屋さんで扱っている「ナポレオン戦争の背景」がこの本の和訳になるのかな。


 副題どおり18世紀フランスにおける戦術理論の変遷を扱っているんですけどね、革命戦争期どころかナポレオン戦争の戦術についての知識もおぼつかない自分、18世紀なんて知るはずもなく…。cadenceって言葉が出てきても、 あー、ケイデンスね、『弱虫ペダル』の。でも、あれ? 18世紀に自転車ってあったの? って感じでした。しかもcompanyやplatoonをどう配置して機動させるか、みたいな隊形的な話が多く、こういうのが好きな人にはたまらんのでしょうけどね。まあでもunitaryって言葉が何回か使われていましたが、プレ・ナポレオニックでの軍隊の機動って大変だったんだなってことはなんだか伝わってきました。

 しかもこの本、副題どおり理論的な話がほとんどで、七年戦争とか18世紀の実際の戦いを参照しながら読めばよかったのかな。ゲームだったらBattles from the Age of Reasonシリーズをやりながらとか。やったことないけど。まあでも、ordre profondとordre minceとか、1778年のThe Camp of Vaussieuxでの機動の検証とか、『La révolution militaire napoléonienne』で簡単に触れられていたので助かりました。

 でもTactics at the End of the Eighteenth Century and during the Great Warsっていう最後の章は特に面白く読めました。自分みたいに初心者だけどナポレオニックに興味がある人は、この章だけでも読むといいんじゃないかなって思います。ゲームだったらバタイユシリーズやっている人にも参考になるのかな。やったことないけど。フエンテス・デ・オニョーロの戦いの後の、「If Boney had been here, we should have been beaten.」っていうウェリントンの言葉が引用されていましたけど、結構ナポレオンを擁護するというかナポレオンのこと好きなんでしょ?って印象でした。

 あと、この章ではオマーンへの批判を結構書いていて、たぶん有名なcolumnとlineについての話とか、What is the misconception here? It is that the Revolutionary armies of 1793 and 1794 habitually fought in column, and that the column remained the fighting formation right through the Empire.って感じで、わりと字数を割いています。オマーンのNapoleon was essentially a strategist rather than a tacticianって言葉についても、the facts support Colin's judgment of Napoleon as a tactician rather than Oman's.って反論していていて、読んでいて楽しめましたよ。


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