テージョ隊(赤)の自殺的とも言っていい攻撃で損害を受けた黒太子隊だが、冷静に対処する。16歳でクレシーの戦いを経験し、以来約20年の戦歴を重ねてきているのだ。これぐらいの攻撃でうろたえるはずがなかろうが。
カスティーリャ軍はテージョ隊に続けとデニア伯の騎兵部隊(茶)を前進させつつ、これまで忘れられていた観のあるデュ・ゲクラン隊(青)を動かす。いや、放置していたわけじゃないんだよデュ・ゲクラン君。君の活性化値5っていうのはうちのやる気のない諸将の中ではピカイチなので、切り札としてとっておいただけだよ。デュ・ゲクラン隊は正面のパーシー隊(青)を攻撃。損害を与える。
ところでこのトーマス・パーシーだが、どこかで見たことのある名前だと思ったらボスワースの戦いのノーサンバランド伯ヘンリー・パーシーと同じパーシー家じゃないですか。薔薇戦争を終結させた1485年のボスワースの戦いで、ヘンリー・パーシーはリチャード3世の側にいながら動かなかったのだが、一族の日和見行為を天国のトーマスはどういう風に見ていたんだろう。ランカスターとヨークどちらが王座を確保するかわからない状況では、貴族が生き残るためには当然のこと、とでも思っただろうか。というかこの時代、多くの諸侯にとってはお家大事で、王に忠実に仕えるなんて二の次だったんでしょうな。何せトーマス・パーシー自身がナヘラの戦いの三十数年後に兄弟や甥と一緒にイングランド王ヘンリー4世に対して反乱を起こしているし。
デュ・ゲクラン隊に続いてその右隣のデニア伯の騎兵部隊(茶)が黒太子隊に攻撃をしかける。今回もイングランド軍の長弓兵によって次々と損害を受けていく投槍騎兵。8ユニットのうち半数が壊滅したが、黒太子隊の長弓兵1ユニットが壊滅。残り1ユニットも混乱状態になった。さらには、黒太子とスタックしている重装歩兵DMは最強の防御力を誇る精鋭なのだが、投槍騎兵の波状攻撃で混乱状態に。
よくやった投槍騎兵ども、お前らの犠牲は無駄にはしない、と重装騎兵が突撃。目指すは黒太子の首だ! だが最強DMが奮戦、踏みとどまった。
カスティーリャ軍は活性継続をしていたためさらに活性継続は難しい、と思いきや、ここでデュ・ゲクランの活性化値の高さが生きる。ゲクラン隊(青)が再び活性化、正面のパーシー隊(水色)の長弓兵を1ユニット壊滅させる。もっとデュ・ゲクラン隊に兵力があればイングランド軍にひと泡ふかせることができるはずなんだが…。
デュ・ゲクランは小説『双頭の鷲』の主人公。低い出自で、「鎧を着た豚」と呼ばれたこともあったが、その軍事的能力が評価されフランス王軍の司令官にまでのし上がっている。このナヘラの戦いではイングランド軍の捕虜になっており、のちに身代金と引き換えに解放されている。エンリケがデュ・ゲクランの助言を聞いてナヘラでの黒太子との決戦を避けていれば、捕虜になんかならなくて済んだだろうにね。まあデュ・ゲクランはエンリケを支援しているフランスからの援軍、というか傭兵隊の指揮官という立場だから、カスティーリャ王であるエンリケの考えのほうが優先されざるを得なかったんだろうけれど。
つづく
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