ランカスター軍のサマセット隊は特別ルールを利用して連続して活性化していたが、2度目の継続活性に失敗。一度失敗するともうこの特別ルールは適用されなくなるのだ。もう一回成功していればリチャード隊はかなり苦しくなったはずなのに。
このゲームのマップには含まれていないが、テュークスベリーの戦場ではマップ下方面にあたるところに森があって、事前にヨーク軍のエドワード四世は200騎の騎兵を潜ませていた。実際の戦いではサマセット公の側面攻撃でエドワードは苦境に陥ったが、この伏兵がサマセット公の部隊を背後から奇襲、さらにリチャードの部隊も加わってサマセットを敗走させたらしい。
このゲームでも騎兵の待ち伏せルール(Ambush)があり、ヨーク軍は自由活性化を使って騎兵(Cavalry, Cav)1ユニットをマップ下端から登場させられる。騎兵は登場時のみ移動力が2倍となり、最初の移動終了時に接敵している敵ユニットは混乱状態(Disorderd)になり、すでに混乱状態だと敗走(Retire)する、という奇襲効果がある。
敵のサマセット隊がリチャードの側面から後方に回りこみそうになったのを見て、ヨーク軍は騎兵を投入。思いもよらない伏兵の出現にサマセット隊は混乱に陥る。いや、そりゃ騎兵が出てくることぐらいランカスター軍プレイヤーも知っていたけど、そのリスクを冒してでも攻勢に出たほうがいいと判断したわけです。
続けてリチャードがサマセット隊に反撃。後方に回り込んだ長弓兵への攻撃ではサイの目1が出て退却させるだけに終わったが、サマセット隊本体には損害を与える。さらにヨーク軍はエドワード隊も活性化。突出している敵左翼(マップ上方)のデヴォン隊に射撃を加え兵力を削っていく。
騎兵の奇襲にリチャード・エドワード兄弟のワンツーパンチと殴られっぱなしのランカスター軍だったが、やっと自由活性を得た。中央の王太子エドワード隊が前進、サマセット隊の支援に回る。なお、王太子エドワードは戦場経験の少なさから部隊の指揮は実質的にウェンロック卿がとっていた。そのためここでもウェンロック隊と呼ぶことにする。
ウェンロック隊が援護している間に、騎兵の奇襲とリチャードの攻撃で多くが混乱状態となったサマセット隊は自隊の立て直しを図る。包囲されている歩兵(Infantry, Inf)は救出できないが仕方ない。一方、単独でリチャード隊の後方に回り込んでいた長弓兵は、リチャードとスタックしている重装備の歩兵Dismounted Men-at-Arms(DM)を射撃で混乱させた。
ここでさらにウェンロックが動いてくれれば、サマセット隊は窮地を脱し逆にヨーク軍に対して優位に立てるかもしれない。実際の戦いでは、エドワードの側面に攻撃をかけたサマセットの後にウェンロックは続くことなく傍観していた。サマセット公はこれに激怒、戦いの帰趨が決まって敗走しているときにウェンロックの頭を戦斧で叩き割ったと言われている。
そもそもこのウェンロックは味方として信用できない人物で、薔薇戦争最初の戦い第一次セント・オールバーンズの戦いではランカスター側だったが、その後ウォリックと親しくなってヨーク派に寝がえり1461年のタウトンの戦いでもヨーク側で戦っている。そのくせウォリックがランカスター側に移った時はヨーク派にとどまってウォリックを妨害。だがさらにその後ランカスター側に寝返った。状況次第でころころと立場を変える、太平記に出てきてもおかしくない感じの人物である。ウェンロックに限らず薔薇戦争では寝返りは結構あったらしいけど。
「ウェンロックが友軍の窮地を救いに来るわけないじゃない。日和見しておいてヨーク軍が勝ちそうになったら寝返るつもりだよ。ほら、裏切りチェックしてヨーク軍のウェンロックユニットと取り換える?」 とヨーク軍プレイヤーは挑発。
(Blood & Rosesに入っているタウトンの戦いではウェンロックはヨーク側で戦っているので、ヨーク軍にもウェンロックのユニットがある。でもウェンロックの裏切りチェックなんてルールはありません)
それにランカスターの継続活性が続いていたため活性化チェックのサイの目が1不利になるのだ。
だが、ウェンロックは活性化に成功。ランカスター家の大義のためにサマセット公をお助け申すと、リチャード隊の右翼に攻撃をしかけたのだった。ランカスター軍最大兵力を擁するウェンロック隊はヨーク軍の薄い防御を蹴散らし生垣地帯に突入した。
つづく
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