2022年7月17日日曜日

アンナ・コムネナに見送られて Dorylaeum 1097 - Infidel, Men of Iron Tri-pack(GMT) AAR ⑤

  援軍があと少しで来る。それまで耐えるんだ! と、十字軍のロベール隊が必死の反撃。混乱状態での攻撃だったがさすがは騎士、2ユニットを敗走させた。

 だがトルコ軍主力のアルスラン隊が数の暴力をふるう。騎士が3ユニット壊滅し、十字軍の累計FPは46に上った。もう騎士もほとんど残っていない。あとは歩兵どもを駆逐するのみ。この開けた地形で、騎士の援護のない歩兵など赤子同然よ。


 窮地に立たされた十字軍だが、トルコ軍が継続活性に失敗し、自由活性を得た。増援登場チェックである。これまで4回失敗しているためサイの目7以上で成功する。主よ、我らを異教徒どもから救いたまえ! と振ったサイコロは8。おおおおお、援軍が来たぞ‼

 

活性化値5を誇るサン・ジルが騎士6ユニットを率いて駆け付けた。援軍の登場に勇気づけられたか、ボエモンド隊が突撃、さらに継続攻撃で敵軍深くに切り込んでいく。これまでさんざん袋叩きにしてくれたな。増援さえくればこっちのもんじゃー‼


 増援は1部隊ごとに自由活性を使わないと登場できないため、逐次投入となる。トルコ軍としては敵が本格的な反撃に出る前に、十字軍を崩壊に追いやらなければ勝利は望めない。

 トルコ軍はロベールやボエモンドの残存騎士ユニットに射撃と白兵戦をしかけるものの、多くが失敗。1ユニットを壊滅させるにおわった。だが数の多さを利用して、ほかの中弓騎兵は十字軍歩兵部隊に攻撃をしかける。射撃で混乱させた後、白兵戦で敵陣に突入。十字軍なんぞ、騎士以外は恐るるに足らんわ!


 トルコ軍が十字軍の歩兵部隊に迫り、「きゃー、ラテンの蛮族はやられてもいいから、ローマの軍隊は無事でいてー!!」とアンナちゃんが言いそうなシチュエーションである(当時、ビザンツでは自分たちをローマ、西欧人をラテンと呼んでいました)。この戦いの十字軍の歩兵部隊には、ビザンツが道案内としてつけたタティキオス(Tatikios)の小部隊もいる。漫画「アンナ・コムネナ」では皇帝アレクシオスがタッちゃんって言っていますね。

 アンナ・コムネナの著書「アレクシオス」では西欧人のことをときどき蛮族って呼んでいて、金に貪欲って何回も繰り返し書いているし、アンナ様はかなり西欧人のことが嫌いだったんでしょうなあ。


 十字軍はサン・ジルに続いて騎士9ユニットを率いて司教アデマールが到着。だが登場エリアには歩兵部隊がいて増援が一気に展開できない。


 このマップ右下の増援登場エリア近くにいる歩兵部隊は、隠者ピエールの率いていた民衆十字軍である。諸侯たちの軍隊が来るより先にやってきたのだが、ほとんどが農民や都市の下層民で武器も持たず、コンスタンティノープルに来る途中でも略奪を繰り返していたらしい。漫画「アンナ・コムネナ」では「村を襲って住民を串刺しにしたり火あぶりにしたり赤ちゃんを切り刻んだりするなんて!」と十字軍にドン引きしているけれど、「アレクシアス」では隠者ピエールに率いられた十字軍のこととして書いている。このドリュラエウムの戦いの前に皇帝アレクシオスの忠告も聞かずにアナトリア半島に渡ってトルコ軍に虐殺されており、その生き残りが第一回十字軍について行っていたのだ。


 このゲームでは民衆十字軍は足手まといというかはっきり言って邪魔で、一部槍兵(Pike, PK)がいるものの、多くはCamp Followerといって要は軍隊について行っている一般民衆だから戦闘の役に立つことはほぼ皆無。十字軍プレイヤーとしてはクレシーのクロスボウのごとく騎士で踏みつぶしていきたいのだが、巡礼を守るはずの十字軍がそれじゃ本末転倒でしょ。


つづく


(以前、SNSマストアタックに書いたものです。修正を加えている場合があります)

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