2022年8月21日日曜日

But we can still rise now-だが我らは再び立ち上がる  Bannockburn 1314 - Men of Iron Tri-Pack(GMT)第二戦 AAR ③

  イングランド軍左翼(マップ下方)に対してスコットランド軍は軽騎兵Hobilarの独立部隊を派遣してきたが、イングランド軍は長弓兵で射撃するほかは有効な手が打てない。それに対してスコットランド軍はロバート一世を活性化。前線中央でイングランドに攻撃を続けつつ、右翼では独立部隊のHobilarが小川(Burn)を渡り長弓兵を攻撃する。


 このHobilarのうち1ユニットを率いているロバート・キースは、代々Marischal of Scotlandという称号を受け継いでいる。スコットランド軍元帥、みたいな感じかな。王権を守ることが職務だったらしく、ロバート一世とその息子に忠実に仕えている。

 もう1ユニットを率いているジェームズ・ダグラスはバノックバーンの後も対イングランド戦で活躍し、1327年にはWear川の河畔に陣取っていたイングランド王エドワード三世の軍を夜襲している。エドワード三世は危ういところでのがれたが、もしこの時ダグラスがイングランド王を討ち取ったり捕虜にしていたら、百年戦争は起こらなかったかもしれませんね。


 小川(Burn)向こうのイングランド軍左翼の槍兵は一目散にエドワード二世を目指して逃げていたため、長弓兵を守るユニットがおらず、Hobilarは長弓兵の側面に回り込んで白兵戦を仕掛ける。ダグラスはこのバノックバーンの時点ではイングランド軍のロバート・クリフォードに領土を奪われていたそうで、クリフォード隊(青)を目の前にして復讐する気満々だったでしょうな。

 下馬したHobilarは白兵戦では重装備の歩兵、Dismounted Men-at-Arms(DM)と同様に扱われる。Men-at-Armsといったら、日本人が中世ヨーロッパの鎧と言ったら思い浮かべるような、鋼鉄のがちがちの装甲に身を包んだ兵だと思えばいいんでしょうな。それが攻撃してくるのだから、長弓兵に勝ち目はない。スコットランド軍右翼を脅かしていた長弓兵が2ユニットとも混乱状態になった。


 さらにスコットランド軍右翼のキャリック伯がダメ押し。小川向こうの長弓兵をHobilarに任せられるため、正面の敵クリフォード隊(青)に突進。クリフォードはスコットランド軍との対戦経験が豊かな指揮官だったが、バノックバーンで戦死しているのだ。史実同様、この戦場で最期を迎えさせてやる。キャリック隊(緑)の攻撃でクリフォードの長弓兵が1ユニット混乱状態で退却、さらに1ユニットが壊滅した。


 左翼(マップ下方)で押されているイングランド軍は、クリフォード隊(青)が敵キャリック隊(緑)に対して必死で反撃を行うも、スコットランド軍のHobilarによって小川向こうの長弓兵が掃討されてしまった。


 やや分が悪くなってきたイングランド軍。状況を落ち着いて分析する。左翼は湿地帯や小川があるうえ自軍ユニットが多く、兵の展開には適していない。中央は兵数の多いエドワード二世の隊がなんとか敵の攻勢に対抗できるだろう。とすると、右翼だ。騎兵に迂回させて敵の側面を突くのだ。

 ヘレフォードが重装騎兵を連れて右翼に展開する。こちらは小川や森など機動に不向きな地形があるし騎兵が小川(Burn)を越えるときは混乱チェックをしなければならない。だが騎兵の移動力、それにヘレフォードの活性化値が4と高いことを考えれば、迂回して敵左翼を脅かすことができるだろう。この方面にいるスコットランド軍は戦力が半減しているマレー伯隊(青)。そこに重装騎兵をぶち当てるのだ。


 これに対し、スコットランド軍は右翼で敵の混乱状態の槍兵を掃討しつつ、左翼のマレー伯で攻撃をしかける。敵のヘレフォード隊が迂回してくるまで時間がかかるはず。それまでに正面の敵に損害を与えておくのだ。

 マレー伯の領土はこの戦いの前年、エドワード二世によって寵臣ヒュー・ディスペンサーに与えられたらしい。ふざけんなエドワード、おれの土地を返せ、とマレー伯が猛攻。正面のボーモント隊に大きな損害を与えた。



つづく



(以前、SNSマストアタックに書いたものです。修正を加えている場合があります)

0 件のコメント:

コメントを投稿

(幕間)『ブルゴーニュ国家』

  AARを書いているGrandsonの戦いはブルゴーニュ公率いる軍隊とスイス軍の戦いですが、ブルゴーニュの歴史ってよくわからないんですよね。薔薇戦争とかその他14-15世紀のヨーロッパの本を読んでいると「ブルゴーニュ公国」って言葉がちらほら出てきて、なんじゃらほいとずっとモヤモ...