2022年9月17日土曜日

重騎兵の突撃、そして側面からの奇襲 Sagrajas 1086 (Alea 38) AAR ②

●初回ターン(第3ターン)

―キリスト教軍ターン

 ゲームは第3ターン、キリスト教軍のターンから始まる。なんで第1ターンにしないかというと勝利得点に関係してくるからだと思うんだけど、それはまた後述する予定。


 キリスト教軍は当然、重騎兵集団が怒涛の突撃。烏合の衆など敵ではないわ! と突っ込んでくる騎兵に、グラナダ、セビリア、バダホスの諸タイファ軍は吹っ飛んでいった。敵を蹴散らしていくこの快感。初回ターンの突撃だけでもキリスト教軍やっててよかったと思えるんじゃないかな。


 Sagrajas1086では各ユニットは、A~Cの練度と、数字で表された戦闘力を持つ。戦闘の際は攻撃側と防御側の練度と戦闘力の差をDRMとするのだが、使うサイコロが8面体ダイスなのである。BGGでは、8面体ダイスなんて誰が持っているんだよという書き込みがあったけど、ほんと、8面体ダイス持っている人ってどれくらいいるんでしょうね。でもその書き込みは続けて「俺はRPGやるから持っているけど」なんて書いている。持ってるんかい。自分は10面体で代用しました(0や9の目が出たときは振りなおし)。


 キリスト教軍の騎兵の多くはA5(練度・戦闘力。以下同じ)で、突撃能力を持つ。突撃をするとDRM+2で実質的に戦闘力が2アップする。対して諸タイファ軍ユニットは基本的にB4で、キリスト教軍のA5騎兵が突撃をすると8分の5、62.5%の確率で防御側は壊滅だ。潰走の結果も含めれれば75%の確率で防御ユニットが吹き飛ぶことになる。


 これだけでもキリスト教軍の騎兵の突撃は恐ろしいのだが、突撃によってユニットが壊滅すると周辺のユニットの潰走も引き起こす可能性がある。このゲームではユニットが戦闘で壊滅すると、隣接する友軍ユニットはすべて士気判定を行い、6面体ダイスを振って自軍の士気以上の目が出るとそのユニットは潰走する。

 士気はキリスト教軍の騎兵、歩兵、ムラービト軍の騎兵、歩兵、それに各タイファ軍ごとにそれぞれ設定されており、グラナダは7、他の2タイファは8と比較的低い。しかも所属ユニットが壊滅するごとに士気は下がっていくため、味方がやられていくのを見て士気喪失していき、つられてすぐに潰走してしまう、という状況になる。特にグラナダ・タイファ軍は1ユニット壊滅するだけで士気が6に下がり、隣接ユニットは6分の1の確率で潰走するのだ。


 結果、計14ユニットの突撃で諸タイファ軍は8ユニットが壊滅し、4ユニットが潰走した。恐ろしや。アルフォンソ六世がタイファの軍勢をなめていたのもよくわかる。


 突撃をしたユニットは自動的に混乱状態となり、練度と戦闘力が下がる。例えばA5の騎兵は混乱状態だとC4だ。さらに突撃能力もなくなるため、攻撃の威力がかなり落ちる。だが戦闘フェイズの後に回復フェイズがあり、正面2へクスに敵ユニットがいなければ4分の1の確率で回復するのだ。突撃を行った騎兵集団のうち3ユニットが回復した。


 Sagrajas1086での勝利得点は基本的に、壊滅した敵ユニットの戦闘力の総計、それにイスラム教軍はマップ上端からマップ外に突破した騎兵1ユニットにつき2点獲得し、相手より10点以上多い側が勝利する。お互いにより多くの敵を撃破し、イスラム教軍は多くの騎兵をマップ外に突破させないといけない。そのためキリスト教軍は初回ターンで全力で突撃しなるべく多くの敵ユニットを壊滅させたわけである。


なお、レオン・カスティーリャ王アルフォンソ六世もしくはムラービト朝君主ユースフが戦死したらその時点でサドンデスである。リーダーは戦闘に参加すると6分の1の確率で戦死するので、アルフォンソもユースフも最前線には投入できない。

「でも、あれ、騎兵と一緒に突撃してきたの、アルフォンソじゃない?」とイスラム教軍プレイヤー。

「え、うそ。アルフォンソはちゃんと後方に配置したはず……げ、間違えた!」

 キリスト教軍にはアルフォンソ六世とアルバル・ファニェスの2人のリーダーがいるのだが、アルフォンソを最前線に置いてしまったらしい。なお、能力に違いはない。

「陣頭に立っているのは王の影武者ということで、なにとぞご容赦を」

「うーん、どうしよっかな~。まあすぐにゲームが終わってもつまらないから、後方にいるのを本物のアルフォンソってことにしてあげるけど、面白いからリーダーユニットはこのままで」

 相手をいじるネタができて喜ぶイスラム教軍プレイヤーである。


つづく



(以前、SNSマストアタックに書いたものです。修正を加えている場合があります)

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