2022年11月1日火曜日

親衛隊は死すとも降伏せず  La Garde Avance! (VV161) AAR ④

 ●第1ターン(続き)


 JdGの砲撃では、砲兵ユニットの砲撃力(capacité de tir)や地形効果がDRMとなって1d10を振って解決する。砲撃力は砲門数を反映しているそうだが、このゲームでの英連合軍砲兵の砲撃力はほとんどが3で、方陣を組んでいる親衛隊が砲撃された場合10%の確率で混乱(désordre)し、40%の確率で士気チェック(test de cohésion, TdC)となる。士気チェックでは1d10を振ってそのユニットの士気(Cohésion)以下だと損害無し、そうでなければ混乱となるが、壮年親衛隊の士気は6あるため混乱する確率は30%。つまりなんやかんや合計すると22%の確率で砲撃を受けた親衛隊は混乱することになる(計算あってる?)。

 なので一回の砲撃で損害を受ける可能性自体はそれほど高くはないのだが、英連合軍の砲撃のサイの目や活性化チットの引かれた順番によっては、壮年親衛隊が砲撃で次々と損害を受け、それでも残存部隊が悲壮なまでの攻撃を行う(でも反撃でボロボロにされて仏軍プレイヤーのモラル崩壊)、というケースも珍しくない。


 ただ、ワーテルローのこの最終局面では英連合軍の砲撃の威力はかなり落ちていたのでは、と書いているAARもあった。弾薬が不足していたうえ、数と長距離射撃力で上回る仏軍砲兵からの砲撃で消耗していたし、仏軍騎兵の突撃で砲撃手が退却して多くは戻っていなかったことを考えると、もっと英連合軍の砲撃力を制限したほうがいいのでは、と提案している。自分はワーテルローのことは全然知らないんですけど、多くの資料ではそう書いてあるんですかね。



 第1ターンの仏軍だが、壮年親衛隊は無理に突っ込まずに後方の老親衛隊を待てばいいのでは、と思えるかもしれない。だが特別ルールで、壮年親衛隊がショック戦闘を行った次のターンからロゲ率いる老親衛隊の活性化が可能になるのだ。老親衛隊も壮年親衛隊同様に方陣を組んでいるので前線にたどり着くまでに時間がかかる。5ターンしかないこのゲームでは1ターンでも惜しく、第2ターンから老親衛隊を活性化させたい。そのため、ネイの部隊は敵戦列に全力で(とはいえ方陣だからゆっくりとだけど)向かっていったのだ。まあ、たまたま今回はかなり運に恵まれて壮年親衛隊が悲惨な状況にならずにすんだけど。



 余裕で守れると思っていたらいきなりピンチとなった英連合軍。ひるむな、反撃するのだ! 予備部隊(緑)が動く。戦列中央部で砲兵の援護を受けつつ歩兵が攻撃をしかけると、さしもの壮年親衛隊も耐え切れずに後退する。続けて中央部隊(青)の砲門が火を噴く。至近距離から砲弾を浴びて次々と混乱していく親衛隊。そこに英連合軍が歩兵をかき集めて包囲、攻撃すると親衛隊は後退できずに2ユニットが壊滅。さらには2ユニットが潰走(déroute)した。




「い、いいのさ。老親衛隊の封印を解くために壮年親衛隊は犠牲になる運命なんだから」

と平静を装う仏軍プレイヤー。やっぱりこのゲーム、フランス軍をやるには強靭な精神力が必要である。


 先述のように親衛隊はすべて方陣を組んでいるが、方陣だとZOCを持たないため、するすると敵軍が親衛隊ユニットの間隙を縫って来たり背後に回ってきたりするのだ。さらに移動力が低いうえ砲撃やショック攻撃を受けるとサイの目が1不利になるため、方陣を解かせてよ!と思いたくなる場面は多い。

 だが一応、方陣にもメリットがある。JdGにはユニットの向きがあって周囲6へクスのうち前面(front)2へクス以外は背面(arrière)となり、背面から攻撃を受けると不利になるのだが、方陣を組んでいるとこのルールの適用は受けなくなる。さらにショック攻撃は前面へクスに対してのみ行えるのだが、方陣だと周囲すべてが前面へクスとみなされるため攻撃方向に制限がない。乱戦上等、どっからでもかかってきやがれ!という感じである。


つづく


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