2022年11月4日金曜日

親衛隊は死すとも降伏せず  La Garde Avance! (VV161) AAR ⑤

 ●第2ターン


 第1ターンの英連合軍の反撃によって高地上に残っている壮年親衛隊は第三猟兵連隊第一大隊のみとなっていた。ところでChasseurって、猟兵でOK? まあとにかく、1ユニットしか残っていない親衛隊を英連合軍は袋叩きにして壊滅させる。さらに前ターンの親衛隊の砲撃と攻撃で多くのユニットが混乱状態になっていた英連合軍の中央部隊だが、順調に回復していった。


 JdGでは各部隊の活性化は、砲撃、移動、攻撃、回復という手順になっている。活性化中に何も行動をせず敵に隣接していないユニットは回復(ralliement)を試みることができ、1d10を振って士気以下が出れば混乱ユニットは回復する(潰走ユニットの場合はサイの目が1不利になる)。

 つまり士気の高いユニットほど回復しやすい。当然親衛隊はすぐに回復する、と思いきや、壮年親衛隊ユニットは混乱状態だと士気がガクンと落ちるのである。通常のユニットは混乱状態だと士気が1下がるだけだが、壮年親衛隊は3も低くなる。高い士気を誇る精鋭だが、いったん混乱状態になると脆弱で回復もしにくくなるのだ。有能だけど怒られるとすぐに気弱になっちゃう子、という感じか。デザイナーズノートによると、この局面での壮年親衛隊の士気は明らかに揺らいでいて、それを反映しているそうだ。



 ここでロゲの老親衛隊(赤)の活性化が回ってくる。ネイの部隊の攻撃によって一時は危うくなった英連合軍はほぼ回復し、壮年親衛隊の攻撃なんかあったっけ、と思わせるような強固な防御ラインが高地上に再び構築されている。こんな相手に攻撃を仕掛け突破しないといけないのか。心折れそう。気持ちが沈む仏軍プレイヤーに対し、

「あきらめたら、そこで試合終了ですよ…?」

と、そっとささやく英連合軍プレイヤー。そのセリフ、こういう状況で敵から言われるとマジむかつく―‼ だが前進するしかない。じりじりと進む老親衛隊。ネイの部隊の砲兵がそれを援護する。敵中央部隊の歩兵を集中砲撃によって潰走させた。


 中央部隊(青)の活性化となった英連合軍。歩兵の援護なしに中央高地上で孤立している敵砲兵を屠るか。だがその後、まず確実に老親衛隊が襲ってくる。ここは守備を固めるべき。そう考えた英連合軍プレイヤーは突出している歩兵を後退させ、混乱しているユニットの回復に努めた。


 ネイの壮年親衛隊が事実上壊滅した以上、老親衛隊の他に仏軍が使えるのは右翼のドンズロの部隊(緑)と左翼のバシュリュの部隊(黄色)。どちらの歩兵も戦闘力は8や9と高いものの、ユニット数が少ないうえ、バシュリュの歩兵は士気が3と低いため粘り強く戦うことは期待できない。もう夕方の7時ですからね、予備としてとっておかれていた親衛隊とは違って、そりゃ疲れていますよ。さらに左翼は平地が広がっており、敵の砲撃で混乱したところに騎兵の突撃をくらったら確実にアウトである。

 だが右翼は激戦の末に占領したラ・エイ・サントがある。このヘクスは両軍とも進入不可で、英連合軍に対しては周囲にZOCも及ぼす。右翼でドンズロの部隊が不利な状態になってもすぐには総崩れにならないだろう。しかも砲撃の応酬で敵最左翼(マップ右方)の砲兵が混乱状態となっている。好機と見た仏軍は、老親衛隊を支援するためにドンズロの歩兵を前進させ、敵の最左翼スタックに攻撃をしかける。攻撃を受けた英連合軍は歩兵が混乱状態になって後退、砲兵は潰走した。

 いいぞ、ドンズロ。ラ・エイ・サントの攻防戦で兵たちはすでに疲れ切っているはずなのによくやった。こうやって右翼でプレッシャーをかけている間に、老親衛隊はさらに前進。次ターンには敵戦列にとりついてその真価を発揮することだろう。





つづく

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