●第5ターン
最終ターンである。このゲームでは、壊滅させたり潰走状態で残っている敵ユニットの数に応じて勝利得点が得られ、相手より7点以上多いほうが勝利する。ただしフランス軍にだけ重要ポイントの占領による得点があり、マップ上部の左のほうにある白線の街道(route)とオレンジ線の小道(chemin)が交差するヘクスをゲーム終了時に占領していれば7点得られる。
ちなみにこの街道とマップ右端を走る街道がモン・サン・ジャンという町というか集落で交わってブリュッセルまで続いているようなので、この街道までフランス軍が進出するというのは英連合軍にとっては結構やばいってことなんでしょう。
今のことろ損害数ではフランス軍が2ユニット多いが、老親衛隊の攻撃で英連合軍は混乱状態のユニットが多い。ゲーム前半とは逆に、ウェリントンにとっては精神的に厳しい状況になってきた。
ターン最初の戦略イニシアティブ(initiative stratégique)を決めるサイコロに、両プレイヤーとも力が入る。イニシアティブをとったほうが最初に活性化する部隊を選べるのだ。フランス軍としては敵に態勢を立て直す余裕を与えることなく老親衛隊で攻撃を続行したいし、英連合軍は残存兵力で防御ラインを引くとともになるべく多くのユニットを回復する必要がある。
両プレイヤーがふったサイの目は、仏軍4、英連合軍3でフランス軍がイニシアティブをとった。Vive l'Empereur!! 当然、ロゲ(赤)率いる老親衛隊が動く。
このままの勢いで邁進して7点のボーナスポイントを得られる交差点ヘクスを狙うか。だがそうすると、ユニット数に劣る老親衛隊は回復してきた敵の包囲攻撃を受けるかもしれない。それよりは弱体化している英連合軍に老親衛隊をぶつけて敵戦力の撃滅を図ったほうが確実だ。
「え、このゲームってワーテルロー最後に親衛隊を投入してのナポレオンの賭けなんでしょ。ここは男らしく突破を狙わないの?」
「うるさい。老親衛隊は割高なんだよ」
通常のユニットは壊滅すると2点だが、老親衛隊と親衛隊騎兵(Cavalerie de la Garde)は3点なので、無理に突進したはいいものの包囲攻撃を受けて退却できずに壊滅、という事態は極力避けたいところである。しかしプロイセン軍が右翼から攻撃しているというギリギリの状況で安パイを狙っていいのか、ナポレオン。
そんな批判をよそに、ロゲ率いる老親衛隊が猛威を振るう。士気の高い精鋭部隊の攻撃をうけた英連合軍は、あるいは混乱して退却、あるいは潰走、壊滅していく。見る見るうちに高地中央部の自軍ユニットが掃討されていくのをみて顔が引きつる英連合軍プレイヤー。
「ふん、これぐらいで動揺してたらウェリントンたる資格はないわ!」
と強がりを言うものの、前ターンの後半でせっかく多くのユニットが回復したのに元の木阿弥どころか状況は悪化している。
英連合軍はほとんどの歩兵が混乱状態になった今、ここは騎兵を使うしかない。ロゲ部隊(赤)の壮年親衛隊に向かって、戦力9,士気5の精鋭騎兵がチャージ!
この壮年親衛隊は砲撃で混乱した後に回復していたため、方陣は解かれていた。「La Garde Avance!」では特別ルールで親衛隊は自発的に方陣を解くことが禁じられていると先述したが、混乱状態になると方陣でなくなるのである。方陣を解いた歩兵は騎兵の突撃に対して不利となるが、さすがは親衛隊、敵騎兵が迫ってきたのを見るや、即座に方陣を組む。
JdGでは、突撃された歩兵は正常状態であれば方陣を組むことができる。1d10で士気以下が出れば成功なのだが、失敗すると混乱状態になる。突撃してくる騎兵を前にして方陣を組もうとして失敗し、逆に隊列が乱れた、という感じか。
方陣に対する突撃は、突撃のDRMボーナスが無くなるどころか-2の不利な修正となる。ファランクスやシルトロン、Gewalthaufenなど、がっちり守る歩兵への突撃が自殺行為なのは古来変わらずですな。
だがJdGでは、突撃の標的ユニットが方陣を組んだ場合、突撃の中止(rappel de la cavalerie)ができる。兵質チェック(test d’engagement)を行い、成功した場合は1へクス後退、失敗した場合はそのまま突っ込むことになる。
突撃してきた英連合軍の騎兵は兵質(Valeur d'engagement)が5と高く、親衛隊が方陣を組んだのを見るや突進を止めて後退した。いやー、こういう攻守の駆け引きも結構好きです。ちなみに突撃しようとした騎兵はVivianの部隊で、史実のワーテルローの戦いでは後退する親衛隊に突撃してとどめをくらわしたらしい。
続けて英連合軍は予備部隊(緑)で反撃。敵右翼(マップ右方)で弱体化しているドンズロの部隊に追い打ちをかけ潰走させた。それに先ほどの攻撃で、後退する敵を追って高地から駆け下りてきた老親衛隊の第二猟兵連隊第二大隊が側面をさらけ出している。好機、いつまでも老親衛隊の好きにさせてたまるか!と攻撃すると、さすがの老親衛隊も後退。
その後退した先は英連合軍ユニットの前面ZOCで、混乱状態になってしまう。さらに戦闘結果で士気チェックが課せられていたため失敗すると潰走になるところだったが、混乱状態でも5という高い士気を維持する老親衛隊は踏みとどまった。
英連合軍は多くの歩兵が混乱状態であるものの、フランス軍も両翼がほぼ崩壊しさすがの老親衛隊にも損害がでている。両者ともにフラフラになりながらの最後の殴り合いである。
つづく
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