今月発売になったVae Victisの最新号、166号の付録ゲーム「Velikié Louki 1942-43」はヴェリキエ・ルキの戦い。確かコマンドでもこの戦いは付録ゲームになった記憶があるなあ。
7ページのヒストリカルノートもついていて東部戦線のことを知らない自分には勉強になりました。でもこの号で目を引いたのが、「Des étudiants s'invitent au combat(学生たちが戦闘に参加)」という記事。Conflict of Heroes: Stormes of Steel - Kursk 1943」というサブタイトルがついていて、記事冒頭の写真には「Conflict of Heroes」が広げられたテーブルを半分囲むように20代前半ぐらいの6人が写っているんだけど、そのうち5人がなんと女性なんですよ。
いや、若い女の子に目がいったとか、女子5人に囲まれた男子にこんちくしょーと言いたくなったとか、そういうのじゃないんですよ。そうじゃなくて、高齢化が進んでいるであろうウォーゲーム業界、しかも圧倒的に男性プレイヤーが多いはずなのに、どうして?! と思ってしまったんですよね。
読んでみると、パリの大学のビジネススクールでプロジェクトの一環として行われたものらしい。ちなみにそこのマネジメントコースでは多くのウォーゲームが使われてもう4年になるとか。僕も入学したいなあ。
記事になっているのは、ウォーゲームのことをほとんど知らない学生を集めて、プレイしてみたらどういう感想をもつのか、というセッションだったそうだ。Twilight's Last Gleamという4人でできるシナリオをやったそうで、二人はオブザーバー。4人のプレイヤーそれぞれの感想が書かれているんだけど、女子も楽しんだようでほっとしました。みなさん、女の子にはConflict of Heroesが受けるみたいですよ。
……あ、いや、なんかセクハラおやじみたいになってきましたが、性別とか年齢のことを言いたいんじゃないんですよ。そうじゃなくて、大学の研究でウォーゲームが使われているのは、このホビーが好きな一人としてうれしいです。
プレイした4人は、ルールの説明を受けているときは難しそうに感じたり、カウンターに書かれている情報がプレイ上どういう意味を持つのかと、最初は簡単ではないように感じたようだけど、プレイしているうちにみんな集中してきて、共同作戦も行えるようになったみたい。よかったよかった。
ところで今回のVV付録「Velikié Louki 1942-43」はターン=5日で11ターン、1へクス=2.5km、1ユニットは基本的にドイツ軍が連隊、ソ連軍が旅団~師団。1942年11月24日から1943年1月17日をカバーしていて、ソ連軍の攻勢からドイツ軍のヴェリキエ・ルキ救出作戦が失敗して守備隊が降伏するまでの期間となっています。
簡単なルールで、作戦級の基本がわかっていたらすぐにプレイできるんじゃないかな。実際、同じシステムを使ったものがVV98号のOpération Nordwind、それにVV120号のColmar1945という付録ゲームで出ているけど、BGGでは両ゲームとも難易度2.00となっていて、かなり簡単みたい。
ヴェリキエ・ルキは史実でも包囲された後かなり持ちこたえたそうで、このゲームでも東西2へクスからなるヴェリキエ・ルキの守備戦力はマーカーで表されるだけど、そのマーカーがFestung OUEST, Festung ESTと独仏表記になっていたのが個人的にはツボでした。
あと、たまたまスペインのALEA誌も最新号は東部戦線だったんですよ。Twitterでもつぶやいたけど、サブタイトルが「北のタイフーン」と、VV166号の「北の小スターリングラード」というサブタイトルと結構似てますよね、ということで仲良く並べて写真を撮ってみました。両方ともルールとヒストリカルノートを読んだだけでまだプレイしていないけど、そのうち時間ができたら遊んでみようと思います。
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