2024年3月22日金曜日

ノルマンディーとイングランドの兄弟喧嘩。殴り合いを制するのはどっちだ!? Tinchebrai 1106 - Norman Conquests(GMT) AAR ④

  ノルマンディー軍左翼(マップ右方)のポンティユー伯ロベール・ド・べレームに続いて、右翼(マップ左方)のモルタン伯ギョームが継続活性。すでに大きな損害を被っている敵サリー伯の部隊に、とどめだとばかりに激しい攻撃を加える。イングランドの兵たちは自部隊の軍旗目指して我先に敗走。サリー伯が率いる重装騎兵だけがからくも持ちこたえた。

 ノルマンディー軍の攻撃によって右翼のラヌルフ隊は大きな損害を被り、左翼のサリー伯隊にいたってはほぼ壊滅状態。左右両翼で危機にさらされているイングランド軍。唯一無傷でいるのは中央後方に布陣しているヘンリーI世の部隊のみ。たった2ユニットの部隊だが、精鋭の下馬騎士で、防御力も高い。この王直属部隊を投入すべきか。


 イングランド軍を率いるヘンリーI世はノルマンディー公ロベール二世の弟で、征服王ウィリアムが死去した際、ロベールがノルマンディーを、もう一人の兄ウィリアムがイングランドを相続したが、ヘンリーは現金をもらっただけだったそうだ。だがイングランド王となったウィリアムが狩猟中に死去。その死因には諸説あるようだが、とにかくすぐさまヘンリーはウェストミンスターに駆け付けそこにあった王室の宝庫を確保、そしてイングランド王に即位している。優秀な指揮官であった一方で冷酷な面も持ち、ヘンリーのせいで孫娘がむごい目にあっている。そのことに激怒した孫娘の母親、つまりヘンリーの娘が、クロスボウで自分の父を狙撃、危ういところで矢がそれた、というエピソードが残っている。おいおい、どんな親子だよ。


 しばし迷ったイングランド軍だが、王を危険にさらすな、とイングランド軍右翼のラヌルフが配下の兵を叱咤して突進させる。粘っていればブルターニュの重装騎兵部隊が敵の側面を攻撃し始める。そう信じて戦い続けるのだ。 

 ラヌルフの槍兵1ユニットが敵の混乱状態の2ユニットを一気に壊滅させる。さらに、先ほど突撃してきたノルマンディー軍指揮官ポンティユー伯ロベール・ド・べレームに対し、ラヌルフが重装騎兵とともにチャージ! 慌ててポンティユー伯がカウンターチャージを命ずるものの、消耗しているイングランド軍から突撃を受けるとは思っていなかったノルマンディー軍の騎兵はカウンターチャージに失敗。浮足立つノルマン騎兵にラヌルフが突っ込む。たまらずノルマン騎兵は混乱状態で退却。逃すか、とさらにラヌルフが追い打ちをかけ壊滅させる。その勢いは止まらず、ついでとばかりにノルマン弓兵を攻撃して損害を与えた。


 Men of IronシリーズではMounted Men-at-Armsなどの兵種が白兵戦や射撃、突撃を受けた場合、カウンターチャージを試みることができる。敵から攻撃を受けた精鋭の騎兵が、なめるな! とやり返す、ってことですね。突撃に対するカウンターチャージは基本的に50%の確率で成功し、敵の突撃の効果を無効にする。Men of IronシリーズではMounted Men-at-Armsなどは兵種としても白兵戦で有利なのだが、突撃やカウンターチャージが行えるためさらに強力なユニットとなる。「Men of Iron Tri-pack」収録の「Infidel」に登場する騎士(Knight, KN)なんか、狂暴なまでに強い。

 また、今回のラヌルフの突撃はサイの目が走り継続攻撃(Continue Attack)が続いた。正常状態の防御ユニットに対する攻撃は、白兵戦では継続攻撃は得られず、突撃でサイの目がいい場合のみ、防御側が混乱して退却、継続攻撃となる。混乱した防御ユニットに対する継続攻撃ではさらに継続攻撃を得られる可能性があり、連続して継続攻撃を得たラヌルフは敵部隊を切り裂いていったのである。  


 左翼が大損害を被っていたイングランド軍は一方的に敗走ポイントが蓄積していき、13となっていたが、このラヌルフ隊の奮戦でノルマンディー軍の累積敗走ポイントも11に上った。両者互角といった状態である。 


つづく


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