2024年4月20日土曜日

天からデンマーク国旗が降ってきた Lyndanise 1219(VV118) AAR①

  先日、「デンマーク侵攻のゲームはあるかな?」ってつぶやきを見て、そういや4月9日はドイツ軍がデンマークに侵攻した日だったなと思い出した。

デンマークは一日も持たずあっさり降伏したのでそりゃゲームにはなりづらい。まあ、ASLのシナリオではデンマーク戦があるらしいし、「Noruega 1940」というノルウェー侵攻を扱ったゲームのシナリオとして、ALEA38号にデンマーク侵攻の仮想戦が載っているけど。

 ぶっちゃけWW2ではデンマークってしょぼいというか、思いっきり弱小国の印象だけど、でもね、昔っからそんな感じだったわけじゃないんですよ。かつては北欧の強国で、トルフィンの時代に西はイングランドを征服しているし、東はバルト海に勢力を広げている。クヌートのイングランドの戦いは以前プレイしたことがあるので、今回はバルト海方面での戦いをやってみた。


 プレイしたのは1219年に今のエストニアの首都タリンにあたる場所で起こった戦い。11世紀末に始まった十字軍の影響でバルト海沿岸もキリスト教勢力による征服が進んだ。12世紀末ごろには今のリトアニア、そしてエストニアもキリスト教化の対象となる。だが先住民である異教徒の執拗な抵抗にあい、デンマーク王ヴァルデマールII世に援軍を派遣するよう要請が来る。1219年、ヴァルデマールII世は大艦隊を率いて現在のタリン付近Lyndaniseに上陸した。強力なデンマーク軍にエストニア人は抵抗するべくもなく降伏を申し出る。だが、そうして油断させておいたところにエストニア人は奇襲をしかけた、という戦い。

 ゲームは「Lyndanise1219」といってVaeVictis118号の付録で、前回AARを書いた「Basileus II」と同じく中世の会戦を簡単なルールでシミュレートしたA la Charge!シリーズである。

 デンマーク軍をエストニア軍が挟撃する形になるのだが、奇襲効果でデンマーク軍は最初はステップロスの状態となっており、時間がたつにつれ回復していく。またデンマーク軍の指揮官は3ユニットあるが、そのうち1ユニットだけが本物のヴァルデマールII世でほかの2つはダミー。どれが本物かはエストニア軍にはもちろん、奇襲による混乱を反映してデンマーク軍にもゲーム中盤になるまでわからない。

 このLyndaniseの戦いでは、デンマーク軍は油断しきっていたところにエストニア軍の攻撃を受けて苦戦に陥る。危うしデンマーク軍! そのとき、天から白い十字架が描かれた赤い旗が降ってきた。おお、これこそ神のご加護が我らにあることの印! デンマークの兵たちはこの奇蹟に奮起、エストニア軍を打ち破った。そしてこの時現れた旗がのちのデンマーク国旗ダンネブロになったのである……という伝説があったりする。このゲームでも、デンマーク軍の壊滅したユニット戦闘力合計が12になるとダンネブロが現れることになっている。

 このゲーム、以前MAでAARを書いたことあるけど、ルールはシンプルでコマ数が少なく5ターンなのでサクッと終る。そのわりには上記のようにいくつか仕掛けがあるので飽きがこず、個人的には気に入っている。


●第1ターン

 エストニア軍が東西(マップ下と上)から奇襲をしかけた。混乱状態のデンマーク軍は次々と壊滅していく。唯一、マップ下方では攻撃側にも出血を強いたものの、その隣の精鋭騎兵が士気チェックを強いられ失敗、兵は恐慌状態となり戦場から逃げ出した。この騎兵ユニットは正常状態だと戦闘力4とデンマーク軍最強なので、初っ端から壊滅してしまうのは非常に痛い。

 だがその時、おお、天からダンネブロが降ってきた。神のご加護を信じて戦うのだ!


つづく

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