2024年4月24日水曜日

天からデンマーク国旗が降ってきた Lyndanise 1219(VV118) AAR②

 ●第1ターン(続き)

 エストニア軍の奇襲で大きな損害を受けたデンマーク軍だが、ダンネブロをゲット。このマーカーは、同じヘクスおよび隣接へクスのユニットの戦闘力と士気に1プラスする。このゲームではスタック禁止で多くのユニットが戦闘力2か3なので、+1となるのは大きい。


 奇襲効果で1ステップロスで配置されたデンマーク軍だが、自軍開始時に敵と隣接している場合は自動的に正常状態に戻る。それ以外のユニットは自軍ターン開始時にサイコロを振り、第1ターンは3分の1の確率で混乱から回復する。第2ターンは3分の2の確率、そして第3ターンはすべて回復するため、デンマーク軍にとっては最初は損害を抑えつつ時間を稼ぐのが重要となる。逆にエストニア軍としては敵が奇襲効果が続いているうちになるべく多くの敵を壊滅させる必要がある。


 このターンでは騎兵を中心としてデンマーク軍の一部が混乱から回復した。 エストニア軍の強力な部隊はマップ右下方面にいるので、デンマーク軍は左方に部隊を後退させる。まだ混乱しているユニットが回復するまで時間を稼ぐのだ。その一方で、ダンネブロを得て戦力が向上している騎兵部隊が敵歩兵に反撃、損害を与える。さらに先ほどの攻撃失敗でステップロスしていた敵を、デンマーク軍指揮官が壊滅させた。

 このゲーム「Lyndanise 1219」が属する「A la Charge!」シリーズでは、低比率でも防御側士気チェック(DT)を含め攻撃側が有利な戦闘結果が出る確率が高い。戦闘力=士気なので、戦闘力の低いユニットはすぐにチェックに失敗して損害を被ってしまう。逆に戦闘力が高いユニットや指揮官とスタックしているユニットは士気チェックに成功する可能性が高く、DTの結果を被っても無傷でいられる。そのため、敵の強力なユニットに対して戦力をかき集めて高比率で攻撃するよりも、低比率で戦闘力1や2のユニットを狙い撃ちにして攻撃し敵にじわじわと出血を強いる、という戦い方も有効である。


 ちなみに、このターンにデンマーク軍が撤退したマップ右下に展開する強力なエストニア軍だが、Revalaの部隊。このゲームのエストニア軍のユニットにはエストニアの旧地方名が書かれて、Revalaと言ったらこの戦いのあったLyndanise、今のタリンを含む地方だ。地元なだけに多くの兵を集められたということか。なおタリンはドイツ語では、地方名のRevalaからRevalと呼ばれていた。タリンはエストニア語で「デーン人の城」という意味だったらしく、ヴァルデマールが築いた城に由来する。


●第2ターン

 後退していくデンマーク軍をエストニア軍が猛追する。マップ上方で先ほど混乱から回復したばかりの敵歩兵を3対1の集中攻撃で壊滅させた。マップ下方では、ダンネブロを得たもののまだ混乱状態から回復していない騎兵を攻撃、後退させる。さらに戦闘力4と3の強力なユニットの攻撃で敵歩兵に損害を与えた。


 第1ターンから大きな損害を被っているデンマーク軍の累積損害は15。20に達したら負けである。だがこのターン、混乱状態で残っていたユニットがすべて回復した。敵の包囲網が縮まり行動の自由が奪われてしまう前に反撃すべし。マップ下方の敵は比較的強力だが、上方はほとんどが戦力2のユニットだ。狙うならそれらの弱小ユニット。下方の守りを指揮官とダンネブロに任せればいい。ダンネブロとスタックした騎兵ユニットには指揮官もいて、合計5戦闘力になるため下方からの敵を食い止める支柱になるだろう。デンマーク軍は騎兵を中心にして上方の敵に反撃を開始。敵1ユニットに損害を与えたものの、こちらも歩兵がステップロスと痛み分けに終わった。


つづく


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