2024年5月1日水曜日

天からデンマーク国旗が降ってきた Lyndanise 1219(VV118) AAR③

 ●第3ターン

 デンマーク軍の反撃が始まったがエストニア軍としても攻撃の手を緩めるわけにはいかない。上方では先ほどの攻撃で損害を被っていた敵歩兵にとどめを刺し、下方では指揮官やダンネブロのいる強力なユニットは避けて中央の2戦闘力の歩兵を攻撃。たまらず後退するデンマーク軍を追撃する。あと一押しでデンマーク軍の士気は崩壊する。敵の防御態勢を突き崩すのだ。


 デンマーク軍ターンになって、やっとヴァルデマールの位置が判明。3つある指揮官ユニットのうち2つはダミーで、両軍ともどれがヴァルデマールかわからない状態で初期配置をしていたのだが、国王がいたのは下方左。デンマーク歩兵と一緒だった。このゲームのデンマーク軍は、デンマーク部隊のほか、Roskildeのデンマーク兵、Lundのドイツ兵、Schleswigのドイツ兵、Rügenのスラブ兵から構成されている。やっぱり国王はデンマーク本隊と一緒にいたということか。ちなみにRügenはバルト海南西の島だが、12世紀にデンマーク軍の侵攻を受けこのLyndaniseの戦いの少し前にデンマーク王に臣従している。


 なお、指揮官ユニットをエストニア軍が討ち取ったとしても、やはり第3ターンになるまでそれがダミーなのかヴァルデマールなのかわからないことになっている。史実ではデンマーク軍野営地を襲撃したエストニア軍はエストニア司教を殺害したが、デンマーク王だと思っていたそうで、このことを反映したルールとなっているらしい。指揮官ユニットが除去された場合、4戦闘力分の除去となるのでかなり大きいのだが、エストニア軍はせっかく敵指揮官を討ち取ったと思ったらダミーでポイントにはならない、ということもありうるため、両軍ともに第3ターンのデンマーク軍ターンまで気が抜けないようになっている。


 デンマーク軍は前ターンに続き上方で反撃を続ける。消耗していたエストニア歩兵が壊滅。この勢いでさらに敵を蹴散らせ、と3対1で2戦闘力の歩兵を攻撃するものの、逆に撃退されてしまった。そしてマップ下方。先ほどの攻撃で突出してきていたエストニア軍ユニットを包囲、ヴァルデマールが陣頭に立ちダンネブロの効果も得て最大比率である4対1で攻撃、壊滅させた。これでエストニア軍の累積損害は7。エストニア軍は損害が16に達すると負けである。


●第4ターン

 エストニア軍の熾烈な攻撃が続く。マップ上部ではデンマーク軍のルンド騎兵をステップロスさせた。エストニア軍としては敵騎兵が上部に展開した結果生じた隙間に右側面からつけこみたいのだが、すべて歩兵であるため移動力が足りず、下方中央の敵に10戦力を集中して攻撃する。デンマーク軍はダンネブロを掲げ果敢に防御するものの衆寡敵せず後退。その後方にいた歩兵は、ダンネブロが敵の攻撃を撃退してくれないことに衝撃を受け、隊列を乱して退却してしまった。

 このゲームでは味方ユニットのいるヘクスに後退した場合、連鎖退却が起き、連鎖退却となったユニットは士気チェックが課される。今回はダンネブロとスタックしたユニットが後退しその後方の歩兵ユニットが連鎖退却、士気チェックに失敗してステップロスした、という形である。


 デンマーク軍は上方で攻撃を続ける。騎兵の集中攻撃、それに弓兵の支援のもとでのスラブ歩兵の攻撃で2ユニットをステップロスさせ、この方面のエストニア軍をかなり消耗させた。


●第5ターン

 最終ターンである。あと3戦闘力、壊滅させればエストニア軍の勝ちだ。海の向こうから侵略してきて我々の信ずる神々まで奪おうとする敵を打ち破るのだ。デンマーク軍の騎兵2ユニットを包囲、攻撃する。スラブ騎兵は出血しつつも攻撃に耐えたものの、すでに消耗していたルンド騎兵が壊滅してしまった。


 デンマーク軍の累積損害は20になり、士気崩壊閾値に達してしまった。エストニア軍の損害が同軍閾値の16に達しない限り負けてしまう。いや、我々には神のご加護があるのだ。異教徒どもに負けるはずがない!

 デンマーク軍は必死に最後の攻撃を行う。先ほど包囲攻撃を受けたスラブ騎兵が弓兵の支援を得て反撃、敵を壊滅させる。さらにダンネブロを掲げたRoskilde騎兵が突進、敵を蹴散らす。これでエストニア軍の累積損害は14。よし、ここで勝負をつける! ヴァルデマール自らが陣頭に立ち、渾身の一撃をくらわす。だが民族の自由と独立に燃えたエストニア兵が奮起、損害を被りつつも壊滅には至らなかった。

 こうしてデンマーク軍の侵攻は撃退された。だがバルト海の制海権を握り勢力拡大を目指すデンマーク王は再び遠征してることだろう。南部からはリヴォニア帯剣騎士団、後にはドイツ騎士団の攻撃が続きキリスト教化が進められ、Lyndaniseの約20年後には「Nevsky」の時代を迎えるのである。


 ミニゲームだけど最後まで両プレイヤーとも楽しめました。以前も書いたと思うけど、A la Chargeシリーズは中世の会戦を扱いつつ、移動・戦闘のシンプルなターン構成、ZOCあり、戦闘力比での解決と、ウォーゲームの基本的なルールを使っています。なので、中世に興味のあるウォーゲーム未経験者にプレイしてもらって、そこから「ドイツ戦車軍団」とかWWⅡに引きずり込むのに使えるんじゃないかなーと思っています。


0 件のコメント:

コメントを投稿

ブルゴーニュvsスイス Grandson 1476 - Epées et Hallebardes 1315-1476 (VV81) AAR part5

 ●第7ターン  今ターンも冒頭に激しい射撃戦が行われたが、砲兵、弓兵ともに数で勝るブルゴーニュ軍はより多くの損害を敵に与えた。  だがスイス軍はFaucingnyが敵右翼(マップ下方)を切り崩す。弓兵の防御射撃をものともせず白兵戦で敗走させ、さらに連鎖敗走でブルゴーニュ軍弓兵が...