●第1ターン(11月14ー15日)続き
ドイツ軍はマップ下方の敵の突破を見て、部隊を大きく後退。史実ではこの陣地帯の守備のために、聴覚障碍者で大隊を編成して投入することまでしたらしい。このゲームでも、ドイツ語でOhren(耳)と書かれたカンプグルッペユニットが登場する。
陣地帯の防衛もさることながら、仏機甲部隊の平野部への突破を防ぐのに必死のドイツ軍。平野部に敵が進出すると戦線が広がって防御に不利になるだけでなく、仏軍機甲ユニットは平地では歩兵のZOCをすり抜けられる。ほとんど歩兵しかいないドイツ軍は森林地帯で極力敵を食い止めておかないと、ただでさえ兵力劣勢なのにさらに苦しい戦いとなる。
●第2ターン(11月16ー17日)
フランス軍には第1,第5機甲師団の計3ユニットが増援として登場する。フランス軍の増援はマップ西端か南端から登場させられるのだが、もちろんマップ南端のスイス寄り、前ターンで突破した方面に投入してさらに激しくドイツ軍を攻撃する。仏軍は最大限の支援砲撃を投入、ここを抜かれるわけにいかないドイツ軍はなけなしの支援砲撃で応じる。河川越えの攻撃のため攻撃力は半減するものの、同一師団効果と諸兵科連合効果のコンボで戦闘比を上げた仏軍だったが、兵質チェックで失敗。敵を1へクス後退させるだけに終わった。
このゲームでは各ユニットが兵質(Qualité)をもち、戦闘の際には攻防両軍が兵質チェックを行う。ずっと防戦が続く独軍も、なんとかここをこらえてくれ、とサイコロを振ることができるのだ。サイの目によって有利なコラムシフトを得たり逆に不利になったりするのだが、仏軍第一機甲師団のユニットの兵質はB。3分の1の確率で1コラム有利に、6分の1で不利になるのだが、その6分の1の目が出たわけである。
フランス軍は機甲部隊がマップ右方面への突破を図る一方で、歩兵を中心に陣地帯を攻撃していく。そして独軍の守備が手薄な陣地を狙ってコマンド部隊2ユニットが襲撃する。
マップ上に9つある陣地へクスには守備隊(garnison)が1ユニットずつ配置されているのだが、守備隊しかいない陣地へクスに対し仏軍コマンド(commando)は襲撃(raid)を行える。守備隊は戦力未確認状態で配置され約4割が戦闘力ゼロ。コマンドが襲撃して守備隊が戦闘力ゼロの場合は成功、戦闘力が1以上の場合、1D6で1-4で成功だ。成功すると陣地は占領、失敗するとコマンドユニットは除去される。
「いやー、少数精鋭のコマンド部隊が敵陣地を電光石火の襲撃で占領って、ロマンがあるよね」
「使えるものは使えるうちに使っておけってだけでしょ。ドイツ軍が前線を縮小したら守備隊が他のユニットとスタックするだろうから」
結局、コマンド部隊2ユニットの襲撃は1カ所成功、もう一カ所は失敗に終わった。
ドイツ軍は陣地帯の左方と下方からできる限り兵力を撤退させる。だがこのゲームでは敵ZOCからの離脱に2移動力を消費するため、6移動力しかない歩兵は思うように後方に回せない。敵機甲ユニットのZOC浸透能力を防ぐ機械化・自動車化ユニットはドイツ軍には偵察大隊1ユニットしかないのだが、その偵察大隊をスイス国境近くの前線左端に派遣して敵機甲ユニットの動きを止めようとする。だがフランス軍が平野部に突破するのは時間の問題だろう。
●第3ターン(11月18ー19日)
フランス軍にはさらに機甲ユニットが増援として登場するが、交通渋滞で前線までたどり着けない。このゲームでは第3ターン以降、ドイツ軍は交差点などに交通渋滞(Embouteillage)マーカーを一つ置くことができ、仏軍機械化・自動車化ユニットに1移動力追加で消費させることができるのだ。
このターンもスイス軍はスイス国境近くの右翼に機甲ユニットを集中。だが前ターンに続き今回も兵質チェックに失敗、大きく突破とはならなかった。
「おいおい、フランス軍の第1機甲師団ってどうなってんだ?!」
とぼやく仏軍プレイヤー。このゲーム、諸兵科連合効果など多くのコラムシフト要素があるだけでなく、兵質チェックでさらに戦闘比が動く可能性があるので、戦闘結果が結構読めなかったりする。
陣地帯近くではフランス軍が包囲していた敵歩兵を掃討、だが陣地への攻撃は独軍が奮戦し損害を受けつつも踏みとどまる。マップ左上に配置されている仏軍歩兵4ユニットは第3ターンまで移動できず、高比率で陣地帯を攻撃しようとすると多くのヘクスを攻撃できないのだが、低比率になることを恐れずにもっと積極的に攻撃すべきだったかもしれない。
つづく
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