2024年9月27日金曜日

ファレーズ、再び? Alsace1944 (VV175) AAR part1

  この9月はマーケット・ガーデンの80周年で、ということは今年バルジも80周年? おお、西部戦線が呼んでいるぜ、というわけで、先日ブログでも書いたVV175号のAlsace1944をやってみることにした。やっぱりウォーゲームの王道はWWⅡの作戦級だもんね。

 ……でも、いつも中世の会戦級ばっかりやっているメンツなのでちょっと不安。まあいわゆるIGOUGOシステムを基本とした簡単なルールなのでなんとかなるでしょう。それにね、ヒストリカルノートを読んでみるとドイツ軍はヤークトパンターをかき集めて必死に反撃する様子が描かれていて、654 sPz Jgなんてユニットを見つけると、あー、このイラストがヤークトパンターなんだろうなーと気分が上がるわけです。

 このゲームについては以前のブログである程度説明したとおり、バルジの約一か月前、フランス南東でのフランス第一軍の攻勢をシミュレートしている。仏軍は南仏からの進軍で消耗しているうえに天候が悪化しており、ドイツ軍は敵の攻撃はないものと思っていた。仏第一軍指揮官も前線視察に来たチャーチルに対し、「こんな天候下では攻撃には出ません!」と断言していたが、その翌日に奇襲をかけた、という戦いである。チャーチル、嘘つかれて怒んなかったのかな。

 WWⅡの陸戦ゲームは数多く出ているけど、フランス軍の攻勢を扱ったのってあんまりないんじゃないかと思う。VV120号に、同じゲームシステムで1945年1月~2月のColmar包囲戦を扱ったものがあるけど。あ、ちなみに「ファレーズ、再び?」っていうのは以前のブログにも書いたけど、ヒストリカルノートにそういう意味の小見出し(Un Falaise-bis?)があったのでパク…参考にさせていただきました。でもファレーズ戦は規模も大きいし包囲されたのもドイツ軍の精鋭を多く含んでいたし、それと比べるのは大げさなんじゃないですかね。まあこの戦いでも独軍1万ほどが包囲されたそうだけど。

 この戦いは過去にVaeVictisで一度ゲーム化されているが、もっと短時間でプレイできるものを、ということで今回のゲームとなったってデザイナーズノートに書いてあった。実際、ルールも簡単で全8ターンと短く、マップも小さくユニット数も多くないので結構手軽にプレイすることができる。展開も仏軍機甲部隊の突破からドイツ軍の反撃と変化に富んでいるので、仏軍ファンのウォーゲーム初心者(いるのか?)を引きずり込むのに適している。

 マップの右3分の1ぐらいがアルザスで、右端にライン川が見える。つまりドイツはほんの目の前である。右下はスイスだ。

 マップ左方に山地や荒地、森林と防御に有利な地形沿いに前線が伸びているが、マップ右方は平地が広がっている。また前線後方にはBelfortという街を中核にした陣地帯があり、そこに陣地や都市など得点源が集中している。だがフランス軍はそれらすべてを占領しても勝利にはならず、最低でもあとどこか一つ得点源を占領する必要がある。なお仏軍はマップ右上から突破しても得点が得られるが、そういう事態になったらもうドイツ軍はぼろ負けなんじゃないかな。


●第1ターン(11月14ー15日)

 「チャーチルに言ったことなんぞ知るか! 攻勢開始だ、アルザスを取り戻せ!」と仏軍プレイヤーが気炎を上げゲームスタート。仏軍が攻勢を開始する。

 最南端、スイス国境に隣接している地点で山岳歩兵連隊がZOC浸透能力を発揮して敵歩兵の後方に進出し包囲したうえで、増援として現れる第5機甲師団の2ユニットをここに投入。第1ターンの奇襲効果である+2DRMも相まって、仏軍機甲部隊が敵前線を突破した。


 この時期のフランス軍機甲師団はアメリカ軍の編成に準じていたようで、このゲームで登場する2個機甲師団はいずれも3個コンバット・コマンドで構成されている。コンバット・コマンドって言葉、そういえばバルジゲームで見たなあ。このゲームでは歩兵と装甲ユニットが同じ戦闘に参加していると諸兵科連合効果で1シフト有利になるのだが、コンバット・コマンドは単独でも諸兵科連合効果を得られる。そもそもコンバット・コマンドはどのユニットも戦闘力が5とゲーム中最強のうえ、同一師団効果で2シフト有利になったりするので、仏軍機甲師団はかなり強力である。


 機甲部隊が集中攻撃をかけた左隣でも仏軍が司令部からの支援砲撃、それに同一師団効果などを活かして攻撃、マップ下方のドイツ軍前線はほぼ崩壊した。前線中央や上方は仏軍の兵力が潤沢ではないもの、攻撃をしかけて敵にプレシャーをかけた。 


つづく


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