●第8ターン
このターンも両軍が射撃戦を展開。ブルゴーニュ軍の槍兵が砲撃で吹き飛び、砲兵も壊滅した。スイス軍も射撃を受けてマップ中央から上方にかけて兵力が消耗していった。
「でもさ、この時代の砲弾って炸裂しないんでしょ? 敵の撃ってきた弾を再利用できなかったのかな。ほら、テイラー・スイフトも歌ってるじゃん、I could build a castle out of all the bricks they threw at meって」
「いや、まったく文脈が違うだろ。つーか、強引すぎるだろ」
「everyday is like a battleって言ってるしさ、やっぱり戦いの絶えなかったこの時代のこと歌ってるんじゃない?」
「もういいから」
このターン、イニシアティブをとったのはスイス軍だった。おっしゃ、チャンス。敵の右翼(マップ下方)に対応する余裕を与えずに攻撃し、中央ではScharnachtalが立て直すのだ。マップ下方でのFaucingnyの3ユニットによる攻撃はことごとく成功。特にFaucignyが陣頭に立って敵指揮官Orangeを猛攻、たまらずOrangeは敗走した。
そしてScharnachtalがConcise村周辺で敵にプレッシャーをかけつつ、下方の台地上でEptingenの騎兵を動かし、砲兵の背後から壊滅させていく。この方面のブルゴーニュ軍右翼はFaucingnyの攻撃で弓兵がほとんど壊滅しているうえ、強力な砲撃ができる砲兵も背後からの攻撃には無力、さらには砲兵を守る槍兵にも事欠く状態で、やっとのことで戦列を維持している状態である。
ブルゴーニュ軍はマップ上端では前ターンの指揮官の敗走で前線に取り残されているReding部隊を騎兵が攻撃、そして中央では激しい射撃を加える。次々と敗走していくスイス軍。ついにはConsiseを守っていたGoldiまでもが敗走してしまった。空になった村をすかさず槍兵が占領。そしてこれまで戦列の後ろで指揮をとっていたシャルル・ル・テメレールだったが、勝負どころとみて自ら騎兵を率いて敵総指揮官Scharnachtalに襲いかかる。槍兵も攻撃に加わって包囲攻撃、スイス兵は後方からの攻撃を受けても不利なDRMは生じないのだが、総指揮官同士の激突はシャルルに軍配が上がりスイス兵は壊滅、Scharnachtalはすんでのところで捕虜になるのを免れて味方のもとに逃げ去った。
Au fil de l'épéeシリーズでは後方から攻撃されると+2DRMと結構不利になるのだが、Grandsonのシナリオでは無効となる。デザイナーによると、スイス兵はその方陣(formation en carré)で卓越していたそうだ。そのため、先述のとおりこのシナリオでは騎兵の突撃も無効になる。側面と背面も防御し騎兵の突撃に対抗するのにも有効なこの隊形は次第に発展してきたそうで、Epées et Hallebardes 1315-1476に含まれている三つのシナリオ、1315年のMorgarten、1386年のSempach、そして1476年のGrandsonでは対騎兵突撃や後方からの攻撃に関するDRMは次第にスイス兵有利になっている。
ちなみにここで言われている方陣(formation en carré)って、Gewalthaufenのことだと思うんだよね。方陣を指す言葉としてGevierthaufenというのもありますが。以前紹介した『Militärgeschichte des Mittelarters』では、Grandsonの戦いについて、スイス兵は密集した隊形で戦ったって述べていて、in geschlossener Formation (Gewalthaufen) って言っている。ただ、Hans Delbrückの<<Geschichte der Kriegskunst, Band 3>>では、nicht bei der Vorhut, sondern bei dem Gewalthaufen(前衛ではなく主力に)と、この言葉を主力という意味で使っているみたい。Wikiでも冒頭ではそう説明している。でもすぐ後にDiese bildeten einen schützenden Rahmen um die restlichen Nahkämpfer mit ihren Hellebarden und anderen Waffen.(近接戦用の兵の周りに防御隊形を形成し、ハルバードやその他の武器を装備していた)と、隊形のことだと読めるような書いていていてどっちやねん、という感じなんですが。
回復フェイズではブルゴーニュ軍右翼(マップ下方)の多くが回復。この方面では劣勢に立たされているので助かる。だがその正面のスイス軍Faucingyの部隊もすべて回復してしまった。次ターンの攻撃がおそろしい。
つづく
0 件のコメント:
コメントを投稿