マーク・ハーマン先生と言ったらウォーゲーム界の大御所。SPIの時代から約50年のキャリアを誇るウォーゲーム・デザイナーで、「For the People」や「Empire of the Sun」など数十のゲームをデザインしてきた…
なんて説明は不要なぐらい有名だと思うのですけど、そのマーク・ハーマンが『Wargames According to Mark』という本を出したので読んでみました。タイトルどおり、ウォーゲームとはこうあるべきという内容ではなく、あくまで自分はこうやってウォーゲームをデザインしてきた、というもの。My Views on Wargame Designっていう部があって、The Sequence of Play and Initiative or How to Organize ChaosやWargames CRTs or How to Resolve Chaosといった章が並んでいます。最後のほうには「We The People」や「Fire in the Lake」などいくつかのゲームのデザイナーズノートも付いていました。
この本では「Empire of the Sun」とか「Churchill」とか、マーク・ハーマンがデザインしたゲームを多数取り上げてどうデザインしたのか、ということを論じてくれていて、実際にプレイしたことのある人だったら、あー、なるほど、そういう考えでデザインしたのか、と膝を打つような感覚が続出するんだろうなあと読みながらずっと思いました。実は自分、プレイしたウォーゲームの数も所持数も少ないから、この本に出てくるゲームって名前を聞いたことはあるけどってものばかりなんですよね。それによく考えたらアメリカのパブリッシャーのものってあんまり持ってないんで、余計に縁遠いというか。も、もちろんSPIのことは知っていますよ。ははは…。あと、この本を読んで気が付いたのが、自分はそれほどゲームシステムには関心がないんだな、ということ。デザイナーさんとか、システムに興味がある人だったらもっとこの本でマークが述べていることがいろいろと勉強になるんだろうなあと思いました。とほほ。
それでも、Experiencing the dynamics of a battle is what separates wargames from narrative history.なんて言葉にうんうんとうなずいたり、When I am designing an historical wargame, by definition I am creating alternative history.っていうところにもそうなんだろうなと思えたりしました。あと、Due to the limits of my allowance when you got a new game, you played it a hundred times. That world is gone and while I may be nostalgic for that in my life, the competition for personal time precludes that level of commitment except to a few personal favourites.
って書いていて、先日ブログでも触れましたがつい最近ウィリーさんが同じようなことを言っていたのが思い出されました。
と、まあちょっと消化不良気味なんですが、how does one capture the psychological element of uncertainty even as you have visual and textual information not available to your historical persona?とかウォーゲーマーだったら関心がある点が結構述べられていて楽しめました。いろいろとゲームをプレイしながら、「そういえばああいうこと書いてあったな」と振り返るんだろうなと思います。デザイナーさんやウォーゲームに詳しい人の感想を聞いてみたいなあ。