2025年2月23日日曜日

紙の王冠なぞ被るか! The Battle of Wakefield (C3i Nr31) AAR part3

  連続しての攻撃をヨーク軍による継続奪取でくじかれたランカスター軍。やられたらやり返せ、敵に流れを渡してなるものかと、今度はランカスター軍がSeizureカウンターを使用する。右翼(マップ左方)で指揮官が突出しているパーシー隊を動かそうとするも、継続奪取に失敗。逆にヨーク軍に自由活性を与えてしまった。

 

 Men of Ironシリーズは活性継続にはサイコロによるチェックが必要で、先ほどのリチャード・ネヴィルのように動くと思っていた部隊が動かなかったり、意外なところで意外な部隊が動いたりしてゲームをスリリングなものにしているのだが、Seizureカウンターがさらに緊張感を増してくれている。Seizureカウンターには戦闘を有利にするものなどもあるが、敵の活性継続時に継続奪取を試みることができるカウンターもあり、効果的に使用すると敵に対する心理的ダメージも大きい。敵に対応する暇を与えず自軍部隊で連続攻撃、と意気込んでいたら、敵に活性をかっさらわれてしまうわけである。

 ただ継続奪取を試みる側にもリスクがある。サイコロを振って奪取に成功するかチェックしなければならないのだが、失敗した場合は敵に自由活性が与えられる。Men of Ironシリーズでは同じ部隊が連続して活性化することは基本的にできないのだが、自由活性を得たプレイヤーは自軍の部隊を自由に選んで活性化できるため、活性奪取直前に活性化した部隊も動かすことができる。要は、継続奪取に失敗すると敵プレイヤーは同じ部隊を2回連続して活性化することもできるようになるのだ。


 敵の継続奪取失敗で自由活性を得たヨーク軍は、左翼のヨーク公を動かす。継続奪取に失敗して落ち込むランカスター軍プレイヤーに対しダメ押しとばかりに、ヨーク軍はSeizureカウンターのUnsteady Troopsを使って敵右翼(マップ左方)パーシーの歩兵を混乱状態にする。

「イングランド王ヘンリー6世を手中におさめ、このままいけばイングランドの実質的な支配者になるかもしれないヨーク公。そのヨーク公が陣頭に立って攻撃してくるのを見てパーシーの兵たちは動揺したんだよね」

と得意げなヨーク軍プレイヤー。混乱した歩兵をヨーク公が重装騎兵2ユニットで攻撃すると、ランカスター軍の兵たちは散り散りになった。さらに突出しているパーシーの歩兵に対し射撃で損害を与えた後、白兵戦でとどめを刺した。


 ヨーク公の部隊の奮戦で敵パーシー隊はかなりの損害を被った。いけ、ソールズベリー伯、たたみみかけろ。だが、またも継続に失敗。

「おいおい、活性化値5ってかなり優秀なはずだろ。能力を出し惜しみしなくてもいいんだよー」


 またも敵の連携の悪さに助けられたランカスター軍。パーシーが残存の兵をかき集めて戦列を敷く。耐えろ、時間を稼ぐのだ。待っていれば必ず援軍が現れる。サマセットは防御を固めつつ、射撃でヨークの長弓兵を敗走させた。

 そんなランカスター軍にヨーク軍は猛攻を加える。まずは右翼のトマス・ネヴィルが長弓兵で正面サマセットの歩兵を混乱させ、そこにトマス自ら突撃。たまらずサマセットの歩兵は壊滅、そして下馬状態の騎兵(UH)にもネヴィルの重装騎兵が突撃し混乱させた。続けてヨーク軍中央のソールズベリー伯が活性化。ここでも射撃で混乱させ歩兵で白兵戦、というコンボ攻撃でサマセットの長弓兵が敗走する。そして息子のトマスに続け、とソールズベリー伯も重装騎兵を率いて突撃、だがなんとサイの目ゼロが出て両者混乱となってしまった。ランカスター軍に対応する暇を与えずに、トマス・ネヴィルが再び動く。ネヴィル親子の連携攻撃である。射撃と白兵戦で敵を敗走させ、先ほど混乱状態にした下馬騎兵にトマスが3ユニットの集中攻撃で蹴散らす。そしてさらにソールズベリー伯が継続活性に成功。

「げ、ヨーク軍の活性が4回続くの? 対応できないじゃん」

「ふっ、ソールズベリーの活性化値5は伊達じゃないんだよ」

「ソールズベリー、これまで継続活性に結構失敗してましたけど?」


 ネヴィル一族の怒涛の連携攻撃でランカスター軍の敗走ポイントは12に上った。このゲームのランカスター軍の敗走レベルは18。自由活性化が終わるごとに敗北チェックで10面体サイコロを振り、敗走ポイントとの合計が敗走レベルを越えたら負けである。つまり現時点ですでにランカスター軍は30%の確率で敗北チェックに失敗してしまう状況となっている。一方、ヨーク軍はいまだ2である。ランカスター軍の援軍は間に合うのか。


つづく

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C3i誌を出されていたRodger MacGowan氏の訃報が届きました。長年ウォーゲーム会に大きな貢献をされてきた氏のご冥福をお祈りいたします。

なお、カリフォルニアの火災で大きな被害を受けた氏のご家族への寄付は今も受け付けられています。

Support Rodger, Mae and Steven post-Palisades Fire


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