2025年11月14日金曜日

1813年、ライプツィヒ。ナポレオン最後のチャンス Wachau1813 (VV182) AAR part6

 ●第7ターン (15:00)

―フランス軍ターン

 主導権の交代があったので仏軍からである。

「マジ? なんの対応もできないの?!」

 と焦る連合軍プレイヤー。前ターンのフランス軍の猛攻で士気が1まで低下したため、あと一つ重要地点を占領されれば負けである。

 仏軍は前ターンに続き、親衛隊が中央右下のGroßpösna村を攻撃する。先ほどの攻撃で消耗しきっている連合軍ユニットは戦闘力2、しかも兵質Cなので、村の防御効果と隣接友軍の防御支援を受けてもDRM+3となってしまった。結果、連合軍の防御ユニットは壊滅。既述のとおり村への戦闘後前進はかなり制限されているのだが、親衛隊なので敵を駆逐した村へクスに突入。重要地点を占領されて連合軍の士気はついにゼロとなった。勝利判定はターンの最後に行うものの、連合軍が士気を上げられる可能性がないので、これで投了となった。


 両プレイヤーともナポレオニックの知識もプレイ経験も少ないんだけど楽しめました。フランス軍は負けないために攻撃し続けないといけないし。歩兵は移動力2、かつ敵ZoCにいるユニットは同じ移動フェイズには別の敵ZoCには侵入不可なので、機動的な展開ができず結構地味かと思いきや、マップ左方での両軍の激突、そして親衛隊が投入されるとともに連合軍も後方の部隊が戦闘に参加、さらにはマクドナルドの登場と変化に富んでいる。ターンが進むにつれて両軍ともに士気がじわじわと低下していくのもスリリング。主導権の入れ替わりによる、一方の軍の連続してのターンも期待やら焦りやらを増してくれる。


 このゲームは作戦チットが総計28枚あって、各チットの効果や背景がルールで説明されていて読んでいるとワクワクするんだけど、アイデアを盛り込みすぎなんじゃないかな、っていう印象。史実ではミュラが突撃、露皇帝に迫るが湿地のため勢いがなくなり、さらに露近衛兵の反撃によって撃退されたっていうシーンがあってこの戦いのクライマックスぽいんだけど、仏軍にはミュラの突撃(Murat et la grande charge)チット、連合軍には湿地(Attention Marais!)とツァーリの護衛(Escorte du Tsar)なんていうチットが用意されている。これらを使えたら盛り上がるんだけど、使える場面が限定されているうえにチットは1ターン1枚しか得られないので、実際の使用はあんまり期待できないんじゃないかなあ。いろんなイベントをシミュレートしている各チットの効果の規定もちょっと緩いため、両プレイヤーで確認が必要なものもあると思う。

 なお、このゲームのルールの英訳がVaeVictisの公式サイトからダウンロードできるんだけど、異なる部隊の共同攻撃に関して、各部隊の指揮官が攻撃に参加していないと共同で攻撃できないとなっている。

- Combined units from different groups/wings may not attack together, unless both commanders of these groups/wings are involved in the combat

 でも原文は以下で、この規定は連合軍のみに適用される。

- Les unité coalisées de différentes groups/ailes ne peuvent pas attaquer ensemble, sauf si les deux chefs de ces groups/ailes sont impliqués dans le combat.

 このルールの違いは大きくて、英文ルールを適用すると仏軍の攻撃に柔軟性がなくなり、特に今回のAARのように親衛隊が他の部隊と共同で攻撃、というのができなくなる。というのも、親衛隊(濃い青帯のユニット)には指揮官ユニットが用意されていないからだ。このAARでは英文ルールを適用、ただし親衛隊は他の部隊と共同攻撃可、ということでプレイした。親衛隊が単独で攻撃しないといけなかった場合、勝負を決めたGroßpösna村の周辺の攻防もどうなっていたかわからない。


 とはいえWachauの戦いにフォーカスしたゲームはあんまりないみたいだし、結構手軽にプレイできる。しかもナポレオンの没落を決定づけた戦いの一つであるライプツィヒで、もしかしたら戦況を変えられたかもしれないというシチュエーションが燃えるんじゃないかな。


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