2022年5月11日水曜日

少数精鋭の十字軍vs機動力に富むトルコ軍  Antioch 1098 - Infidel, Men of Iron Tri-Pack (GMT) AAR ③

  このアンティオキアの戦いでは、トルコ軍を率いるケルボガは十字軍をすべて市内からおびき出して一気に叩こうとして攻撃を控えていた。その間に十字軍が素早く攻撃にでてトルコ軍を打ち破ったらしい。

 その轍は踏まない、と、十字軍の態勢がまだ整っていないのを見て取ってトルコ軍が攻勢に出た。トルコ軽弓騎兵部隊に向かっていたユーグ隊(赤)の側面に対して、Duqaq(緑)の重騎兵が機動力を生かして一気に襲い掛かる。
 まだ全軍が出ていない段階で、しかも遠巻きにしていた位置からの攻撃に十字軍は慌てる。こんなに早くトルコ軍が攻勢に出るなんて。増援部隊の出撃を優先していたからユーグ隊(赤)は左側面をさらけ出したままじゃないか。
 そこに騎兵群の突撃。ユーグ隊の弓兵とクロスボウが瞬殺された。まあこうなるよね。さらに重武装の歩兵MAも、重騎兵2部隊の突撃を側面と後方からくらい、混乱状態(Disordered)になって退却した。

 このゲームの白兵戦は10面体ダイスを一つ振って出た目に、防御側の地形や防御ユニットの防御力、それに攻撃側と防御側の兵種の組み合わせでサイの目修正が適用される。さらに側面や後方からの攻撃は有利なサイの目修正がつく。
 MAは防御力に優れ重騎兵が攻撃しても不利なサイの目修正がつくうえ、攻撃されたMAユニットの防御力は-2(マイナスの数値が大きいほど防御が固い)で、正面から攻撃するとなかなか損害が与えられない。だが側面と後方の二方向からの突撃にはさすがに耐えられなかったようだ。

 MAを退却させた重騎兵は継続攻撃(Continued Attack)の戦闘結果が出た。戦闘後前進をしてさらに攻撃できる、というか攻撃しないといけない。だがその正面にはさらにMAがいて重騎兵の攻撃を撃退。重騎兵は混乱状態となった。突撃あるある。
 だが全体としてDuqaq(緑)隊の強襲は成功と言える。


 Duqaqの重騎兵にほかの部隊も続け、 と言いたいところなのだが、トルコ軍は継続活性に失敗。総大将のケルボガの言うことを諸将があまり聞かないという、トルコ軍の本領発揮か。

 重騎兵の攻撃で損害を出したユーグ隊(赤)が反撃。だが槍兵(Pike, PK)2ユニットによる攻撃は跳ね返され、逆に槍兵が混乱状態に。さらに十字軍が誇る最強ユニット、騎士(Knight, KN)による攻撃も効果なしに終わった。接近戦に弱いトルコ軍の中で、重騎兵が例外的に白兵戦でもなかなか強いのである。

 今度は十字軍が継続活性に失敗。トルコ軍のDuqaq隊(緑)が、ユーグ隊(赤)とその左翼を守るゴドフロア隊(青)に突撃する。両隊の槍兵を3ユニット壊滅させるとともに、ユーグ隊(赤)の騎士への包囲攻撃も成功、騎士が壊滅してしまう。さらに継続攻撃で残存の槍兵を混乱状態に。だがMAへの攻撃は跳ね返され重騎兵は混乱して退却した。

 この攻撃でDuqaq隊(緑)はユーグ隊(赤)をほぼ無力化したものの、多くが混乱状態となっており衝力はかなり落ちてしまった。その援護のためにQaradja隊(青)が前進し、突出したDuqaq隊(緑)の右翼をカバーする。

 ここで十字軍のゴドフロア隊(青)がDuqaq隊(緑)に反撃。1ユニットを混乱、退却させ戦闘後前進で1ユニットを包囲する。だがMAと連携しての騎士の突撃は、なんと攻守両者混乱。なんか全然活躍してないぞ、騎士。


 十字軍は最大兵力を擁するボエモンド隊を早く出陣させたいのだが、トルコ軍の攻撃に対応するのに追われてその余裕がない。この戦いの十字軍は増援として出す隊の順番が決まっており、一番強力なボエモンド隊は最後に出さないといけないのである。

つづく



(以前、SNSマストアタックに書いたものです。修正を加えている場合があります)

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