マップ右端上部からカスティーリャ軍の側面を突く形で現れたイングランド軍は、右翼(マップ上方)から順にジャン(Jean III de Grailly, Captal de Buch)、チャンドス(Sir John Chandos)、パーシー(Sir Thomas Percy)、黒太子と展開。
活性化値は上から順にジャン3,チャンドス4,パーシー3,黒太子4だ。最右翼のジャン隊(白)の右側は渡河不可の川で守られているため、活性化値が低めのジャンでもなんとかなるだろう。
最左翼はパーシー隊(水色)が登場するのだが、オープンスペースとなっているため機動力に勝るスペイン軍が優位になるかもしれず、活性化値3のパーシーでは今一つ心配だ。そのため、パーシー隊のさらに左翼に黒太子隊を展開させる。やや交通渋滞気味になりながらも、イングランド軍は攻撃を焦ることなく戦列を整えることを優先する。
一方カスティーリャ軍は機動力を生かしてテージョ(Tello Alfonso of Castile)の部隊(赤)がマップ下方に回りこむことをもくろむ。活性化値の高いゲクラン隊(青)は黒太子隊が最左翼に出ようと団子状態になっているときに先制攻撃をかけるか迷ったが、デュ・ゲクラン指揮下のユニット数が少ないため、自重して後方に下げておく 。こっちは側面を突かれて不利な態勢なのだ。無理に攻勢に出るよりは、騎兵部隊をマップ下方に迂回させてプレッシャーをかけつつ歩兵部隊の正面転換を目指す。
イングランド軍は右翼(マップ上方)のジャン隊(白)から前進。長弓兵による射撃でゴメス(Gomez Carillo)の部隊(紫)の左翼にいたクロスボウに損害を与える。そしてジャンの左横のチャンドス隊(青)も前進。さらに黒太子(黄)も前進。東方(マップ右下)を向いて布陣していたカスティーリャ軍が方向転換する前に距離を詰めていく。
ここでカスティーリャ軍のゴメス隊(紫)が動いた。ほとんどが槍兵で構成されているゴメス隊は数の優位を生かし、犠牲をいとわずイングランド軍の長弓兵に攻撃を仕掛ける。接敵すると長弓兵の対応射撃によって70%の確率で混乱状態になるのだが、白兵戦になったら混乱状態であっても長弓兵相手に互角以上に戦える。だが、肝心の白兵戦でNo resultの連発。おいおい、やる気あんのかー。
すぐにジャン隊(白)が対応。長弓兵を下げ重武装の歩兵DMでゴメス隊(紫)の槍兵を攻撃していく。ゴメス隊もやり返し、チャンドス隊(青)の長弓兵を壊滅させる。
カスティーリャ軍は継続活性でエンリケ王の騎兵部隊(緑)でチャンドス隊(青)を攻撃するか迷う。チャンドス隊の左翼には長弓兵がいないため、対応射撃を気にすることなくエンリケ隊の投槍騎兵でチャンドス隊のDMに攻撃を仕掛けることができる。だがその後が問題だ。一度投槍を使ってしまった騎兵は脆弱になるうえ、敵に自由活性が移ったらチャンドス隊の左側にいるパーシー隊(水色)が確実にエンリケ隊をしとめに来るだろう。活性化値の高いゲクラン隊(青)がエンリケの左翼から支援にいけるが、その正面には黒太子がいる。ここは無理せず、最初の方針の通りテージョをマップ下方に展開させてイングランド軍の左翼を脅かすことを目指す。
イングランド軍は右翼のジャン隊(白)とチャンドス隊(青)で着実にゴメス隊(紫)に損害を与えていく。そんなもの、カスティーリャ軍にとっては計算のうちさ。ゴメス隊が時間を稼いでいる間にテージョ隊(赤)が敵の左翼に回りこむとともに、エンリケ隊(緑)はいったんマップ左方に後退して自軍の他の部隊とともにイングランド軍を待ち受ける体制を整える。
この戦いは両軍のユニット数が多いことを反映してか、敗走レベルが高い。カスティーリャ軍は60もある。カスティーリャ軍のほとんどのユニットは敗走ポイント(FP)が2なので、20数ユニットまでの損害に耐えらえるのだ。
一方のイングランド軍の敗走レベルは45。これも比較的高いが、イングランド軍の主力を構成するDMのFPは3だ。カスティーリャ軍としては戦列を広げて機動力と数の優位を生かせるようにし、そのうえで殴り合いの消耗戦に持ち込めば勝機が見えてくるはず。
Men of Ironにはルールブックとは別に、収録の6つの戦いのセットアップや特別ルールが書いてあるBattle Bookという冊子があるのだけれども、そこにはイングランド軍が簡単に勝っちゃうよね、みたいなことが書かれてある。でもネットでAARをちらほら読んでみるとイングランド軍の負けとなったものもある。しかも黒太子が戦死した、なんてものまであった。実際、練習としてソロプレイしてみたんだけど、イングランド軍が調子に乗ってどんどん攻撃していくと、突出したチャンドス隊が騎兵に包囲され壊滅し指揮官が捕虜になる、なんてことが起きてしまった。イングランド軍が簡単にワンサイドゲームで勝てるというわけではないはずだ。
つづく
(以前、SNSマストアタックに書いたものです。修正を加えている場合があります)
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