2022年7月3日日曜日

血まみれの野に散ったランカスター Tewkesbury 1471 - Blood & Roses (GMT) AAR ⑤

  ランカスター軍のサマセット公の攻撃で大損害を受けていたヨーク軍のリチャードだが、ウェンロックがサマセット公に続くことなく日和見しているすきに、後方に退避する。そして真打、イングランド王エドワード四世がやっと本格的に動く。別に弟を盾にしていたわけじゃないからね。ヒーローは遅れてやってくるものなのだよ。イケメンで鳴らしたエドワードだが、見掛け倒しじゃないところを証明してくれよう。

 射撃と白兵戦で次々と敵に損害を与えていくエドワード隊。ランカスター軍の累積FPは13に上った。

 ランカスター軍の敗北レベル(Flight Level)は20で、累積FPに10面体サイコロの目を足してこの数値を越えたら負けてしまう。自軍が崩壊する前にヨーク軍を倒すのだ。ウェンロック隊そしてサマセット隊がヨーク軍左翼に必死の攻撃を加える。


 イケメンが何だと言うのだ。毎年2月14日の民の苦しみがわからぬ奴に、王たる資格はないっ! イケメンもろともバレンタインを粉砕せよ!! ……いや、それゲームが違うから。

 生垣地帯で死闘を繰り広げる両軍。ヨーク軍はこれまでほとんど動かなかった右翼のヘイスティングス隊を投入。ランカスター軍左翼に弓矢と砲弾を浴びせかける。ヘイスティングスはエドワード四世の忠臣で、王の危機に奮い立たないわけがない。でも十年ぐらい後にはチャードによって反逆の罪を着せられ処刑されるから、王弟は助けないほうがいいんじゃないのと言いたくなる。

 ヘイスティング隊に続きエドワード隊が追い打ちの射撃を加え、ランカスター軍のFPは19に。これまで2度、敗北チェック(Loss Check)をしのいできたランカスター軍だが、さすがにやばい。一方ヨーク軍のFPは14、敗北レベルは22だ。とにかくヨーク軍に損害を与えるのだ。

 ウェンロック隊の攻撃でヨーク軍のFPは15に。敗北チェックを20%の確率でしのいだランカスター軍は、軍旗(Standard)の元まで敗走していたリチャード隊の2ユニットをサマセット隊の長弓兵とHandgunで壊滅させる。ヨーク軍のFPは17になった。両軍ともボロボロである。


 ヨーク軍に自由活性が移り、ヘイスティングス隊が猛攻を加える。そして迎えた敗北チェック。ヨーク軍のサイの目は4でセーフ。一方、崩壊寸前になりながらもこれまで耐えてきたランカスター軍のサイの目は、3。敗走レベルを超えたため、死闘を制したのはヨーク軍となった。


 ランカスター派の貴族たちは敗走中に殺されるか、つかまって斬首されるか、ということになるでしょう。ウェンロックはサマセット公に頭を割られるはず。こうしてイングランドでは不満の冬が去り、ヨークの太陽のもとで輝かしい夏を迎えるのでした。めでたしめでたし……って感じで内戦が半分で終わっていたらよかったんですけどね。



(以前、SNSマストアタックに書いたものです。修正を加えている場合があります)

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