2022年8月17日水曜日

But we can still rise now-だが我らは再び立ち上がる  Bannockburn 1314 - Men of Iron Tri-Pack(GMT)第二戦 AAR ①

  前回、途中まで優勢にゲームを進めながら負けてしまったスコットランド軍。

スコットランドの独立のために-Freeedooom!!  Bannockburn 1314 - Men of Iron Tri-pack(GMT) AAR ⑥

 バノックバーンでスコットランド軍が敗れるなんて、そ、そんなことあり得ない。もう一度、もう一度勝負だ!

 あきらめきれないスコットランド軍プレイヤーは、泣きを入れて再戦を申し込む。そして気合を入れるためにはやっぱりこれ、映画「ブレイブハート」の演説ですよね。

やつらは俺たちから命を奪えるかもしれないが、自由は決して奪えない! スコットランドの自由と独立のために戦うのだ! うおおおおー!!!

 一人で盛り上がるスコットランド軍プレイヤー。だけど、これってロバート一世じゃなくてウィリアム・ウォレスのスピーチだし。それにバノックバーンじゃなくてスターリングブリッジだし。しかもブリッジじゃなくて野原だし。

 いや、細かいことはいいんだ。とにかく士気が鼓舞されたところでリターンマッチだ。


 前回と同じくイングランド軍先攻となった。エドワード二世を活性化したのち、単騎で突出しているグロスター伯を退避させる。この戦いの当時、グロスター伯はまだ20代前半で経験不足だったらしい。イングランド王エドワード二世の甥で、そのせいか若くして前衛を任されており、初期配置でも突出した位置にいる。なおグロスター伯はこの戦いで戦死している。

 スコットランド軍は右翼(マップ下方)のキャリック伯の部隊(緑)を前進。敵クリフォード隊(青)のクロスボウを射撃で壊滅させる。続いて左翼のマレー伯が動く。正面のボーモント隊(ピンク)に射撃戦を仕掛けるがいいところなし。だが白兵戦で敵長弓兵を1ユニット敗走させる。

 ボーモントはすぐに反撃。長弓兵が猛威を振るい、マレー伯隊(青)の槍兵が1ユニット壊滅、戦斧兵と長弓兵が敗走する。イングランドの長弓兵はやっぱり恐ろしい。


 ボーモントは指揮官としての能力が低く、この前日には固く守っているスコットランド軍に対し繰り返し突撃。無理な攻撃に反対する部下に、怖いなら逃げろと言い放ったのはいいけどスコットランド軍に撃退された、という逸話が残っている。だがそのうち長弓兵を活用するようになり、1332年ダップリンムーアの戦いで寡兵でスコットランド軍を破り、1333年にはハリドンヒルの戦いでエドワード三世が数的に劣勢ながらもスコットランド軍を破るのに貢献している。イングランド軍はこうやってスコットランド軍相手に長弓兵の運用を発展させ、百年戦争でその破壊力を発揮するのである。フランス軍涙目。

 ちなみにボーモントはエドワード二世のいとこで、しかもおじいちゃんはエルサレム王というセレブな家系である。


 スコットランド軍は右翼(マップ下方)のキャリック伯の部隊(緑)が敵長弓兵の対応射撃を受けながらも取り付き、白兵戦で損害を与える。長弓兵の数では負けているのだ。敵の射撃で少々損害が出てもスコットランド軍としては積極的に攻撃していく以外に勝つ道はない。

 このキャリック伯エドワード・ブルース、衝動的な性格で、この戦いの前にバノックバーン近くのスターリング城をほとんど攻城兵器がないのに勝手に包囲してしまっている。その結果イングランド王の出兵を招くことになり、ロバート一世の怒りをかった。またこの戦いの翌年にはアイルランドに侵攻、上王と名乗るが撃退されている。ちょっと猪突猛進気味なのかな。でも敵長弓兵に臆せず突っ込んでいくには適任である。


 一方、イングランド軍は混乱状態で散らばっているエドワード隊(水色)の再編成に努めつつ、ヘレフォードの重装騎兵部隊(緑)を右翼(マップ上方)に回す。前回の教訓から、複数の部隊が混在してもイングランド軍の兵力の多さが生かせないため、エドワード隊の前をあけて多数のエドワード隊の槍兵が展開しやすくするのだ。さらにイングランド軍はマップ右下端から増援を登場させ、スコットランド軍の右翼を脅かし始めた。

つづく



(以前、SNSマストアタックに書いたものです。修正を加えている場合があります)

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