●初回ターン(第3ターン)
―イスラム教軍ターン
このゲームでは、移動フェイズの最初に潰走ユニットは自軍マップ端に向かって全移動力を使って移動しなければならない。しかも通常の移動力は3だが、潰走中は4に増える。必死に逃げているんでしょうなあ。
マップ外へ移動したユニットは壊滅あつかいとなる。また潰走中、移動先に自軍ユニットがいる場合、その自軍ユニットは後退し潰走が続くが、後退できない場合は潰走ユニットは壊滅する。必死に逃げているのに味方が避けてくれなくて部隊が散り散りになった、という感じか。がっちりと後方で戦列を組んでいたムラービト軍歩兵に阻まれ、潰走していた2ユニットが壊滅した。
敵の重騎兵集団の強烈な突撃をくらったイスラム教軍だが、ムラービト軍歩兵を前進させ、積極的に反撃を行う。キリスト教軍騎兵は突撃で混乱状態になっていたが、ほとんどの反撃を跳ね返す。だがそれでも2ユニットが壊滅、1ユニットが潰走した。8面体ダイスって、10面体ほどじゃないけど極端な目がでることがありますよね。
さらに左翼の高地でムラービト朝の君主ユースフ率いる騎兵集団が前進。キリスト教軍の側面を脅かし始めた。
数では優位に立っているイスラム教軍は、左翼のムラービト軍騎兵集団を最初から投入すればキリスト教軍を圧倒できるはずだ。だが史実では、ムラービト朝君主ユースフはキリスト教軍と諸タイファ軍を戦わせている間に側面に回り込んでいる。ユースフにとっては諸タイファは信頼のおける同盟相手とはいいがたく、キリスト教軍と諸タイファの軍勢がつぶしあっていくのを冷静に眺めていたらしい。
ムラービト軍騎兵が早い段階で投入されるのを抑制するために、このゲームでは騎兵集団が丘を降り始めるとキリスト教軍の援軍の登場が早まるというルールがある。敵の奇襲に気が付いたアルフォンソ六世が、後方の野営地に残してきた歩兵を急いで戦場に呼び寄せる、ということらしい。
それよりなにより、ムラービト軍騎兵の投入はゲームの終了に大きくかかわる。このゲームはアルフォンソ六世がマップ上端からマップ外に離脱したターンに終了する(もしくは10ターン目、第12ターンに終了)。離脱が可能になるのは騎兵集団が高地を降り始めてから4ターン後、もしくは7ターン目(第9ターン)からだ。
アルフォンソがいつまで粘るかにもよるが、騎兵集団が敵を補足して攻撃するのに使える時間は多くない。そのためイスラム教軍としてはいつ騎兵集団を投入し、そのうちどれだけをマップ上端から突破させるのか考えなくてはならない。デザイナーズ・ノートにも書かれているが、イスラム教軍が早い段階で騎兵集団に丘を下らせてしまったら、キリスト教軍は最初の諸タイファ軍への攻撃で得た勝利得点を維持してさっさとマップ外に離脱してしまえばよくなるのだ。
逆にキリスト教軍は1ターン目の突撃から継続しての攻撃で多くの敵ユニットを除去して得点を稼いだあと、どのタイミングで守勢に回るかを見極める必要がある。なお、キリスト教軍はアルフォンソがマップ外に脱出したターン数と同じVPを得られる(そのため、開始ターンを第3ターンにしてキリスト教軍が得られるVPを加算していると思われる)。いつ守りに入るかだけでなく、いつまで粘るのかを判断するのもキリスト教軍プレイヤーの楽しみ(苦しみ?)である。
●2ターン目(第4ターン)
―キリスト教軍ターン
初回ターンの突撃のモメンタムを維持するのだ。どうせ守りに回っても敵に捕捉され、側面から騎兵集団の攻撃をうけるだけ。ならば優勢ないまのうちに少しでも多くの敵を除去しておいたほうがいい。
そう考えたキリスト教軍プレイヤーは、後続の騎兵集団の一部も投入しこのターンも攻撃に出る。敵に隣接しているため突撃が行えないユニットがほとんどだったが、2ユニットを壊滅、中央部では1ユニットを潰走させた。
さらに回復フェイズで混乱状態の3ユニットが回復。だが潰走ユニットはリーダーと同じもしくは隣接するヘクスにいないと回復が行えない。マップ上端を目指して潰走していたユニットにアルフォンソ六世が駆け付け、我先にと逃げる兵たちを押しとどめようとしたが失敗に終わった。
このアルフォンソはキリスト教軍プレイヤーの配置ミスで別のリーダー、アルバル・ファニェスのユニットとなっている。
「偽物の王様っぽくて兵たちも言うことを聞かないんだよ。やっぱり最前線にいるリーダーをアルフォンソってことにする?」
「すんません、それだけは勘弁してください…」
つづく
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