2023年2月14日火曜日

トルケルとクヌートを前に、尽きるかイングランドの命運  Assandun 1016 - The Great Heathen Army(Hollandspiele) AAR ①

  「ヴィンランド・サガ」のシーズン2、大旦那様も登場しましたね。じわじわと物語が動いている感じがして、いやー、毎週楽しみです。前にも書いたけど、このいわゆる農場編がヴィンランド・サガの中では一番ひかれるんですよ。予備知識なしにいきなりシーズン2を見るとつらいですけどね。


 アニメを見ていて気分が盛り上がったので、ヴィンランド・サガに関連するゲームはないかなーと探してみたら、なんとクヌートとトルケルが登場するのを発見。「The Great Heathen Army」というゲームの、Assandun 1016というシナリオ。

 1016年といったらヴィンランド・サガ的史実ではちょうどシーズン2にあたり、トルフィンがデンマークの農場で奴隷としてエイナルと一緒に働いているころですね。1014年のデンマーク王スヴェンの急死後、後を継いだクヌートが1016年にイングランドに侵攻。アングロサクソン勢力を打ち破ってデーン朝を開くのですが、クヌートのイングランド征服の最後の戦いがAssandunです。時期的には漫画だと第9巻、アニメだとシーズン2の第5話のあたりですね。

 しかしスヴェン王の急死といったら、トーガ(をイメージしているんじゃいかな、あれは)を身にまとって思い切った行動に出るアシェラッド、そしてナイフを落としてしまうトルフィンが目に浮かんでしまいます。シーズン1のラストってほんと、よかった……。いかんいかん、ヴィンランド・サガのことばっかり書いてしまって全然AARに進まんではないですか。


 ところでAssandunなんですけど、発音がよくわからん、と思っていたら、『消えたイングランド王国』という本では「アシンドン」と表記しているのでそれに従います。この本、ヴィンランド・サガが描いているデーン人のイングランド侵攻を50ページぐらいでわかりやすく解説しているので、ヴィンランド・サガが好きな人には参考文献としておススメです。他にいい本をご存じ方、いらっしゃったら教えてもらえると嬉しいです。

 

 ゲームの「The Great Heathen Army」は、中世の会戦を簡単なルールでシミュレートする「Shields & Swords II」シリーズ(S&S)の一つで、9世紀後半から11世紀初頭にかけてのヴァイキングの戦いが8つ収録されている。ルールは実質6ページで、中世の会戦級にありがちなユニットの向きもないうえ、Assandun 1016では騎兵も弓兵も登場しない(ただし弓矢を持ったイラストのユニットはある)ので、騎兵に関するルールや射撃ルールも読まなくてもいいのがうれしい。

 S&Sでは基本的にプレイヤーごとにターンを繰り返していくのだけれども、特徴的なのが命令システム。各軍は部隊(Wing)にわかれ、ターン最初に移動や戦闘などの命令(Command)マーカーを部隊に割り当てる。移動フェイズには移動の命令を受けた部隊だけ移動でき、同様に戦闘フェイズには戦闘の命令を受けた部隊だけが攻撃できる。命令マーカーの総数や1部隊が受け取れるマーカーの数に制限があるため、どの部隊にどの命令を与えるかがプレイヤーの腕の見せどころとなる。



 Assandun 1016の初期配置は写真のとおり。高地に拠るアングロサクソン軍にヴァイキングが攻めかかるという形になる。なお「The Great Heathen Army」ではどのシナリオも初期配置はかなり自由。アングロサクソン軍はエドモンド剛勇王(Edmund Ironsides)とマーシア伯エアドリック(Eadric Streona)の2部隊からなる。ヴァイキング側も同じく2部隊だが、率いているのがクヌートとトルケルなんである。

 S&Sでは指揮官ユニットは登場しないんだけど、クヌートとトルケルのユニットを自作する誘惑にかられましたよ。もちろんクヌートは美少女風ではなくて短髪で頬に傷跡のある顔、トルケルは左目に眼帯を付けたやつですね。


つづく



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