2023年4月28日金曜日

第一回十字軍最後の戦い Ascalon 1099 - Infidel, Men of Iron Tri-pack(GMT) AAR ⑤

 すでに消耗が激しい十字軍は、これ以上マムルーク重騎兵の攻撃をくらい続けると崩壊してしまう。自軍が限界を迎える前に敵軍を出血多量に追い込むしかない。やるかやられるかだ。左翼(マップ右方)のゴドフロア隊(青)が、敗走ポイントの高い敵中騎兵を全力で攻撃する。弓兵が射撃を加え、槍兵が突進。指揮官のゴドフロアも混乱状態の騎士を叱咤して敵重騎兵に損害を与えた。
 これでファーティマ朝軍の累積敗走ポイントは21に。敗北チェック(Loss Check)では50%の確率で負けとなってしまうが、アッラーのご加護でサイの目は4。イスラム軍は踏みとどまる。

 十字軍右翼(マップ左方)のレーモン隊(黒)も、ゴドフロア隊に続いて死に物狂いの攻撃。ここで敵にとどめを刺さないとこっちが危ない。弓兵、槍兵、騎士と手持ちの兵で攻撃できるものはすべて投入した結果、ファーティマ朝軍の累積敗走ポイントは23となった。



 もう後がないファーティマ朝軍。マムルーク重騎兵が左右両翼で突撃する。温存されていたためマムルークはほぼ無傷。その突撃によって、すでに多くが混乱状態の十字軍が次々と蹴散らされていく。防御ユニットが混乱状態の場合、突撃では(DRMゼロの場合)90%の確率で防御ユニットは敗走もしくは壊滅するのだ。左翼(マップ右方)のゴドフロア隊は半壊し、正常状態なのは弓兵1ユニットのみとなった。右翼のレーモン隊もほとんどが混乱状態。そして十字軍の累積敗走ポイントは14となった。
 自由活性化終了時には両者敗北チェックがある。このシナリオでの十字軍の敗走レベルは20だ。サイの目は5でセーフ。一方のファーティマ朝軍のサイの目は1。ふー。ぎりぎりで耐えた。

 このシナリオのマップ下端にはファーティマ朝支配下だったアスカロンの街が描かれていている。アンティオキアのシナリオでの十字軍同様、敗走するファーティマ朝軍はこの市内に逃げ込めるかと思いきや、史実では固く門を閉じて敗走するファーティマ朝軍を入れなかったらしい。このシナリオでも市街は進入不可となっており、地形効果表には「住民はエジプト軍に対して門を閉じていた。いい連中だ」なんて皮肉の聞いた注釈が入っている。ファーティマ朝軍としてはこの戦いに負ければ遠く敗走するしかない。

 マムルーク重騎兵隊の突撃で甚大な被害を被った十字軍にとどめを刺そうと、ファーティマ朝軍が継続活性を試みる。だがここで十字軍がSeizureカウンターを使用。活性奪取(Seizure)を試みる。このままファーティマ朝軍の攻撃を受け続けると致命傷になりかねない。活性奪取でこちらが攻撃するのだ。奪取は80%で成功だったのだが、惜しくも失敗。再びファーティマ朝軍に自由活性が回ってきた。
 少しでも多くの十字軍を壊滅もしくは敗走させるため、ほとんどが混乱状態となっているロベール隊(赤)にファーティマ朝軍弓兵部隊がとどめを刺す。まずは熾烈な射撃でロベール隊の弓兵が壊滅、槍兵が敗走(Retire)。そしてスーダン弓兵がフレイルを振って突進。白兵戦でレーモン隊の槍兵、ロベール隊のクロスボウがたまらず敗走する。十字軍の累積敗走ポイントは18に上った。


 ここで再び両者敗北チェック。サイコロを振る手に両プレイヤーとも力が入る。ファーティマ朝軍のサイの目は5。これまで粘ってきたがついに全軍士気崩壊となる。だが、十字軍のサイの目は3で敗走レベルを超え、こちらも破断界を迎えることに。最後まで両者の激しいぶつかり合いとなったこの戦いは引き分けに終わった。

 いやー、最後はどっちが負けてもおかしくない状態で、両プレイヤーともに緊張感を楽しめました。シナリオ集であるBattle Bookにはこのシナリオのバランスは十字軍有利と書いてあって、実際、ゲーム開始時に十字軍がイニシアティブを握れば、ファーティマ朝軍は混乱状態で初期配置されるマムルーク重騎兵を回復させる余裕もなくやられてしまう、ということもあり得ます。まあそれが史実らしいけど。
 でもFPが低くいので消耗しても痛くないわりに結構使えるのが中央のスーダン弓兵で、まずは彼らに粘らせておいて、キリスト教軍の数が限られている騎士を混乱状態にして敵の衝力を奪うようにすれば、イスラム教軍も結構いい戦いができるんじゃないかなと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿

(幕間その2) ドイツから見たブルゴーニュ

  ブルゴーニュの歴史に関しては流れがつかめずモヤモヤしていて、手軽に読めるものはないかな、と思って見つけたのが『Burgund』。ドイツの本なんだんけど、やっぱりブルゴーニュ地方と歴史的に関係が深かったドイツ、こういう入門書もいろいろ出ているだろうな―と思ってたんですけどね。前...