●第3ターン(続き)
敵ラテン軍の一斉攻撃を受けたビザンツ軍だが、ひるむことなく反撃。将軍ドゥ―カスは精鋭騎兵のAthanatoiを率いて突撃する。ちなみにこのAthanatoi、「不死」という意味らしい。中央では3ユニットいるヴァリャーギ親衛隊が奮戦。ビザンツ軍の激しい攻撃でラテン軍も損害を被っていった。
●第4ターン
両軍がやっとぶつかったこのタイミング。フランク騎兵よ、寝返ってくれ! というラテン軍の思いに反して、またもビザンツを裏切らず。このフランク騎兵は戦闘力4と強力なので、相対している右翼(マップ左方)が危ない。ラテン軍は中央の精鋭騎兵を右翼の支援に回そうとするが、猪突猛進(Impétuosité)のチェックに失敗。目の前の敵に突っ込んでいってしまう。マップ右方の騎兵も左方にシフトさせようとするが、これまたチェックに失敗しすぐ近くの敵に向かって突進してしまった。ええい、この脳筋どもめ、目の前の敵に飛びかかるのではなく、もっと頭を使え! 頭に血が上っている兵たちを思うように動かせないラテン軍だったが、右翼(マップ左方)で反撃、敵を壊滅させ包囲されていた騎兵を救出した。
また中央では指揮官のルーセル・ド・バイユールが精鋭騎兵を率いてヴァリャーギ親衛隊を強襲。ルーセルはスタックしているユニットの戦闘力に+2できるため、さしものヴァリャーギも損害を被って後退した。
ヴァリャーギはビザンツの精鋭部隊で、皇帝の親衛隊となっていた。主にスカンディナビア出身の兵からなっていたが、北欧から西にむかって略奪行を繰り返したのがヴァイキングと呼ばれていたのであり、東に向かってビザンツに雇われたのがヴァリャーギなわけである。「ヴィンランド・サガ」でいい味出しているキャラの蛇は、漫画でははっきり描かれていなかったけどアニメではビザンツでヴァリャーギとして戦っていたことが示唆されていましたね。以前紹介したヴァイキング小説「The Long Ships」はスウェーデン南部が主な舞台の一つですが、ビザンツ皇帝に仕えたって人が登場していました。それになにより、漫画「アンナ・コムネナ」の第一巻でも金髪碧眼でひげもじゃのヴァリャーギ親衛隊とアンナ様が会話しているシーンがちょろっと出てきますね。
ただ1066年にビザンツから遠く離れたイングランドでノルマン・コンクエストが起き、敗北したアングロ・サクソン系の兵がビザンツに流れ来たそうだ。Zomposの戦いがあったのは1074年で、この時期のヴァリャーギにはイングランド出身の兵が多く含まれていたと推測する資料もあった。
ラテン軍の激しい攻撃に対してビザンツ軍も負けずにやり返す。マップ右方では指揮官のドゥ―カスが陣頭で奮戦、敵騎兵を壊滅させる。またマップ左方ではビザンツ陣営にとどまっているフランク騎兵がその戦闘力を発揮、敵騎兵を蹴散らした。そしてステップロスして1戦闘力となっているラテン軍歩兵をヴァリャーギ親衛隊が鎧袖一触。合計ラテン軍3ユニットを壊滅させた。
A la charge!シリーズでは基本的に、勝敗は敵に与えた損害の数で決まる。両軍とも壊滅したユニットの戦闘力を合計していき、シナリオで決められた軍士気閾値(seuil de Moral d'Armée)に達すると負けとなる。このZompos橋の戦いでの両軍の士気閾値は、ビザンツ軍は20、ラテン軍は18だ。
このターンのビザンツ軍の攻撃でラテン軍の累積損害は8に上った。一方、ビザンツ軍はまだ3。フランク騎兵が早く寝返らないとラテン軍としては苦しい戦いとなる。
●第5ターン
形勢不利となってきたラテン軍だが、ここでフランク騎兵が寝返り! ビザンツを捨て、同じ西欧出身の傭兵としてルーセルたちと運命を共にする気になったのか。
マップ左端で孤立することになったビザンツ騎兵を歩兵とともにフランク重騎兵が攻撃するも、傭兵の裏切りに憤ったビザンツの兵たちが奮戦、3ユニットによる攻撃を持ちこたえた。だが中央では再びルーセル・ド・バイユールの攻撃を受けたヴァリャーギ親衛隊が消耗、さらにはマップ右端でこれまで敵の猛攻をしのいでいたビザンツ騎兵もついに力尽きて壊滅した。
つづく
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