オックスフォードの反撃を受けたヨーク軍のノーフォークだが、猛烈な射撃をくらわせランカスターの兵を次々と矢で倒していく。さらにノーフォーク隊の歩兵が対応射撃(Reaction Fire)をものともせずオックスフォードの砲兵にとりつき、壊滅させた。
「マジ? オックスフォード隊に射撃能力のあるユニットはなくなったじゃん。早くスタンリー裏切ってよ!!」
これでヨーク軍は敵から撃たれる危険を考慮しなくてよくなった。ノーフォーク隊の重騎兵2ユニットが突撃する。オックスフォードの徴集兵1ユニットが混乱、もう1ユニットが壊滅した。
敵前衛が損害を受けている今こそ、追い打ちをかける好機! だがリチャード続かず。配下の奮闘を無駄にするつもりか? やっぱり悪王なのか?
ヨーク軍の連係ミスを見て取ったヘンリーは、スタンリーに裏切りを促す。40%の確率だったが、スタンリー動かず。ええい、リチャードを目の前にして臆したか。それとも、実績のほとんどない28歳の若造ヘンリーの側につくことを躊躇しているのか。
実際、14年間亡命していたヘンリー・テューダーは実戦で指揮を執ったことが少なかったようで、シェイクスピアの「リチャード三世」でも「実戦経験の全くない男だ(he was never trained up in arms)」なんて言われていますね。
日和見しているスタンリーなど頼りにならんわ! とオックスフォードがノーフォークに反撃。またその間、混乱状態にあるユニットの回復に努めた。
させるか! とノーフォーク。混乱状態の徴集兵に重騎兵が鎧袖一触、と攻撃するも、敵を侮りすぎたか徴集兵は踏みとどまった。だが、集中射撃にたまらずオックスフォード隊のウェールズ歩兵が敗走する。こうして敵を消耗させていく一方で、ノーフォークは混乱状態の長弓兵を回復させた。敵に弓兵がいなくなった今、こちらから一方的に射撃をくらわしてやるのだ。
ノーフォークの攻撃で敵ランカスターの前衛はボロボロだ。王よ、敵にさらなる打撃を! だが、一人奮戦するノーフォークの懇願にも関わらず、またもリチャード動かず。何考えているんだ。
「いや、リチャードはやっぱり悪い奴なんだって。ノーフォーク隊に戦わせて限界まで出血するのを黙って見ているんだよ。悪人になると決めたって本人も言ってたじゃん」
いやそれ、またシェイクスピアの書いたセリフ。ちなみに原文は
I am determined to prove a villain
で、映画「ロスト・キング」でも出てきますね。
リチャードがぐずぐずしている間に態勢を立て直したいランカスター軍。再びスタンリーに裏切りを要請する。引いたカウンターは70%で裏切るというもの。そしてスタンリー裏切り! おっしゃー!!
スタンリー兄弟の兄トマス・スタンリーは薔薇戦争中に他の多くの貴族同様、寝返りをしているが、以前紹介した『Blood Royal』では、勝ちそうな人物であればだれであろうと忠誠を誓っていた、なんて書いてある。短い期間で大軍を召集する能力を見せつけ、どの戦いにおいてもほんの少しだけ遅れて参加したそうだ。
スタンリーの裏切りを見て、オックスフォード隊が積極的な攻撃に出た。これまでは前面のノーフォークに加え、右翼にリチャードが迫ってきていたため、オックスフォード隊はユニット数が多いとはいえ限定的な攻撃をする余裕しかなかった。なにせ、ヘンリー本隊は5ユニットしかいないため、リチャード隊の攻撃をまともに食らったら支えきれず、どうしてもオックスフォードの支援が必要になる。だがスタンリーがランカスター側に立った今、右翼は彼らに任せられる。オックスオードは兵力を左にシフトし、これまでのうっ憤を晴らすかの如く果敢に攻撃。ノーフォーク隊に損害を与えた。
つづく