2024年2月18日日曜日

ノルマン騎士に、シュヴァーベンの意地を見せろ! Civitate 1053 - Norman Conquests(GMT) AAR ③

  リシャールに続け、ロベール。ノルマン軍の指揮官の優秀さを見せつけるのだ、と檄を飛ばすも、左翼(マップ下方)のロベールが継続活性に失敗。このシナリオでのノルマン軍の強みの一つである指揮官の活性化値の高さが生きない。

 逆に、敵の連携ミスを見て取った教皇軍のヴェルナーが自隊正面のロベール隊に攻撃をしかける。弓兵で敵の混乱状態のユニットを壊滅させ、敵最左翼のユニットを包囲、壊滅させる。ノルマン軍の累積敗走ポイント(FP)は10に上った。

 ノルマン軍の敗走レベル(Flight Level)は15で、10面体サイコロを振って出た目と累積敗走ポイントを足してこの数値を越えると負けてしまう。ノルマン軍としては余裕がなくなってきた。


 ちなみにこのロベール・ギスカール、後に南伊ノルマン人の間で突出したリーダーとなり、シチリアに侵攻、そして南伊に残るビザンツ帝国の拠点を落としている。さらにはバルカン半島に攻め込みビザンツ皇帝アレクシオスと死闘を繰り広げるのだが、漫画「アンナ・コムネナ」では、ビザンツ皇帝アレクシオスの宿敵呼ばわりされている。なお、ロベールの容姿についてはアンナ様は結構ほめていたりする。イケメンはこれだから困るよ。同じくイケメンだったロベールの息子のボエモンドは、第一回十字軍の主要指揮官の一人となり、中東の主要都市アンティオキアをとったりしている。Men of Ironシリーズの「Infidel」に収録のDorylaeumAntiochのシナリオに指揮官として登場してますね。

 

 ノルマン軍左翼(マップ下方)のロベールが危うい。だが他の2隊はフレデリック隊と交戦状態にあるうえ、ロベールとも距離がある。ノルマン軍は救援に駆け付けるよりも右翼正面の脆弱な敵フレデリック隊の殲滅に注力する。そうはさせない、と教皇軍がSeizureカウンターを出して継続奪取を試みるも、ノルマン軍が奪取無効(Seizure Nagation)のカウンターでしのぐ。ノルマン軍はオンフロワ、そしてリシャールと連携のよさを見せつけ、怒涛の連続攻撃。フレデリック隊はもうボロボロだ。

 教皇軍の累積敗走ポイントは9に上った。教皇軍の敗走レベルは12で、現状だと敗北チェックでは60%で負けとなる。教皇軍のほうも後がなくなってきた。

 

 だが、教皇軍は多くのユニットが壊滅している割には、槍兵は壊滅しても2FPにしかならないため累積敗走ポイントが増えていない。一方、ノルマン軍の主力である重装騎兵は1ユニットが壊滅すると3FP。包囲され退却できない状態で攻撃されたり、射撃で強制下馬となって脆弱となったところを狙われたりすると、今回のノルマン軍のように一気に累積敗走ポイントが跳ね上がるのである。

 教皇軍右翼(マップ下方)のヴェルナー隊の主力は重装歩兵(Men-at-Arms, MA)で兵種として強力なうえ、個々のユニットの防御力もそこそこ高い。一方でフレデリック隊の槍兵は兵種として劣るうえに、防御力も低いユニットが多いためノルマン軍としてはフレデリック隊を主要攻撃目標としたくなる。だが前述のように槍兵の敗走ポイント(FP)は2。その一方で突撃などで突出してしまった騎兵が包囲され壊滅してしまったら3FPとなってしまう。一方、ヴェルナー隊のMAは重装騎兵と同じく3と高価。そのため、ノルマン軍としてはフレデリック隊への攻撃は陽動にとどめて、状況に応じてヴェルナー隊に主力を向け教皇軍に出血を強いるほうがいいかもしれない。


 一気に勝負をつけたいノルマン軍だが、ロベールが継続活性に失敗。おいおい、チヴィターテではロベールの側面攻撃が戦いを決めたんじゃなかったのかよ。

 そして教皇軍に活性化が移る。自軍の崩壊が迫っている教皇軍としては、死に物狂いに攻撃して先に敵の戦意を喪失させるしかない。やるかやられるかだ。わがシュヴァーベンの強者どもよ、勝負はこの一撃で決まる! と檄を飛ばして兵たちを奮い立たせるヴェルナー。教皇軍の弓兵が矢を降り注ぎ、ロベールの重装騎兵を混乱状態にし馬も失わせる。さらに、すでに混乱状態だったノルマンユニットを射撃で壊滅させた。

 こうして手薄になったロベール隊にヴェルナーのシュヴァーベン精鋭歩兵が長剣をふるって襲いかかる。包囲されたノルマン騎兵は逃げ場がないうえ、教皇軍がノルマン軍の戦列の裂け目に突入してきたため(SeizureカウンターのInto the breachを使用)到底敵の攻撃を防ぐことができない。結果、2ユニットが壊滅してしまった。

 ここで教皇軍の自由活性が終わり、両軍の敗北チェックとなる。この時点でノルマン軍の累積FPは16で、敗走レベルの15を上回っている。せめて教皇軍が敗北チェックに失敗して引き分けになれば。そんなノルマン軍の願いもむなしく、教皇軍のサイの目は3。ぎりぎりで踏みとどまり、ノルマン軍の敗北となった。


 このシナリオ、騎兵対歩兵という対照的な両軍のぶつかり合いであるだけでなく、ユニット数が少なく特別ルールもほとんどないので1時間ほどで気軽にプレイできる。それに「Norman Conquests」は「Men of Iron Tri-pack」のルールをそのまま使っているため、MoIシリーズの導入にも向いているかも。

 チヴィターテの戦いについて書かれた読みやすい日本語の本って多くはないと思うんだけど、『ノルマン騎士の地中海興亡史』(白水社)が読みやすかったな。帯に「南イタリアのノルマン騎士の活躍を描く一大叙事詩。」とあるように、ノルマンディーから南伊に乗り込んできたオートヴィル家の若者たちがどのようにかの地を征服していったかがよくわかります。この本を読んでからプレイするともっと感情移入ができるんじゃないでしょうか。



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