●第2ターン
このターン、戦略イニシアティブ(initiative stratégique)を握ったのはロシア軍だった。Jours de Gloireシリーズでは戦略イニシアティブを得たプレイヤーは最初に活性化する部隊を選ぶことができる。ロシア軍は左翼(マップ下方)のDokhtourovを活性化。非命令下だったが指揮官のイニシアティブチェックに成功して前進、仏Bruyèresの騎兵部隊にとりつき、一部の兵は敵騎兵の側面に回り込んだ。
「なんで騎兵が歩兵に回り込まれるんだ?!」
とぼやく仏軍プレイヤー。
「吹雪で仏軍は行動に支障が生じるだろうけど、ロシア軍は普通に動けるってことなんじゃないの。まあイニシアティブチェックに失敗したら何もできなかったわけだから、こっちもリスクをとってるんだよ」
ちなみに今回もプレイヤーは「La Garde avance!」のときと同じメンツで、いつもは中世の会戦級ばかりやっているのでナポレオニックの用兵はほとんどわかっていない。
ロシア軍はまずは2ユニットで敵騎兵防御ライン中央付近を攻撃。Bruyèresの仏騎兵はすべて士気(Cohésion)は5と高いものの、戦闘力(Points de force)はほとんどのユニットが1と低いためまともに戦うと不利と判断、機動力を生かして戦闘回避。JdGでは騎兵が歩兵の攻撃を受けた場合、戦闘回避(Refus de choc)を行うことができるのだ。だがその結果、仏騎兵部隊の右端のユニットが包囲されてしまう。ここでも攻撃を受けた仏騎兵は戦闘回避を行うものの、包囲されていため混乱状態に。さらに戦闘回避後の士気チェック(test de cohésion, TdC)にも失敗して敗走(Déroute)してしまった。
仏軍はSoulèsが砲兵2ユニットで砲撃を行うが、効果なし。このゲームでは悪天候を反映して、砲撃には-1の不利な修正が課せられるのだ。そしてSoulèsが連続して活性化するものの、これまた砲撃は効果なし。
「もう砲兵はいいから、親衛隊を使わせてよ!」
Soulèsの部隊には砲兵のほかに親衛隊4ユニットが所属しているのだが、先述のように投入すると勝利得点がかなりマイナスとなってしまうのである。
露軍歩兵の果敢な機動で損害を被った仏右翼(マップ下方)のBruyèresに活性化が回ってくる。ほとんどのユニットは接敵されており突撃が行えない状態だが、先ほど戦闘回避で後退していた騎兵がDokhtourovの歩兵に突撃。
「おいおい、ドクトゥーロフの部隊は無傷だぜ。そんなところに1ユニットで正面から突っ込んでいいの?」
「騎兵が防御に徹するなんてやってられないだろ。殴られたら殴り返せ!……と言いたいところだけど、ドクトゥーロフの部隊は非命令下で活性化も一回終わっているでしょ。突っ込んでいっても反撃にあう可能性は高くない…はず」
騎兵は通常の攻撃(Choc)だと-2の不利なDRMが付くため、突撃できるときは突撃しておいた方がいいとも仏軍プレイヤーは思ったらしい。
突撃を受けた露軍歩兵は混乱状態になって後退。だが突撃終了時に課される士気チェックに失敗し、仏騎兵も混乱状態になってしまった。
続いてDorsenneの部隊が連続して活性化。Soulès同様に執拗な砲撃を行い、やっと敵1ユニットを混乱状態にする。アイラウの吹雪はそれほど激しいのか。
仏軍が効果のない砲撃を続けている隙に、再び露軍左翼(マップ下方)のDokhtourovが動く。突撃して混乱状態になった仏騎兵を包囲し、2ユニットで集中攻撃。Dokhtourovは非命令下なので各攻撃ユニットは兵質チェック(test d’engagement)を行って実際に攻撃できるかどうか判定しないといけない。1ユニットが失敗したものの、もう1ユニットの攻撃で仏騎兵を壊滅させた。
つづく