2025年10月31日金曜日

(幕間)ライプツィヒの戦い百周年の本

 DSSSMさんが1813年10月14日のLiebertwolkwitz戦についてDiscordで書かれていまして、「当時最大規模の騎兵同士の戦いになったそうです」とのこと。この戦いって、10月16日にあったWachauの2日前なんですよね。いまAARを書いているWachau1813のマップでは、この村が中央に位置しています。

 ということは14日のLiebertwolkwitzの戦いについてもヒストリカルノートで触れていないかな、と思って読み返してみました。最大規模の騎兵同士の戦いって気になりますし。


ヴィトゲンシュテインはライプツィヒへ通じる道を押し開く機会と見たのか、もしくはフランス軍が退却していると判断したのか、ロシア軍とプロシア軍の騎兵にWachauとGalgenbergを攻撃させ、Klenauの歩兵に東からLiebertwolkwitzを奪取させようとした。連合軍側は支援不足、フランス軍側は固い防御に欠けていたが、ライプツィヒ周辺での戦闘の初日であるこの日、この時代のもっとも壮大な騎兵の激戦の一つ(un des plus grands maelströms de cavaleries de l'époque)が生じた。フランス軍18個連隊が連合軍22個連隊に対して投じられたが、決定的な結果とはならず、貴重なフランス軍の騎兵、特にスペインから戻ってきた歴戦の連隊を、無意味に消耗するに終わった。両軍ともすべては翌日に持ち越され、次第に到着する主力を待つこととなった。

 へ~、と思って少しこの戦いについて調べてみたら、"Die Völkerschlacht bei Leipzig: ein Gedenkbuch für die hundertjährige Jubelfeier"っていう本を見つけました。ライプツィヒ戦100周年を記念して出されたみたいですけど、ありがたいことに著作権が切れているので、DSSSMさんが作ってくれた「著作権切れナポレオン戦争関連洋書Wiki」に早速追加しておきましたよ。

 読んでみると結構面白いんですよね。タイトルどおりライプツィヒの戦いについての本なんですけど、Liebertwolkwitz戦は約5ページ、Wachauの戦いは約20ページを使って描写しています。結構面白いエピソードがあってTwitterでかなりつぶやいたんですけど、改めてまとめてみました。


 なかでもしびれたのはWacahu戦前のナポレオン。兵たちの前に現れ、

... erhob der Kaiser die hand, zeigte nach dem Adler und sprach mit ausdrucksvoler Stimme: "Soldaten! Ich vertraue euch den französischen Adler an! Er wird euch zum Sammelplatze dienen, Ihr werdet schwören, ihn nur sterbend zu verlassen. Werdet ihr schwören?" Laut tönte es durch die Reihen der jungen Streiter: "Wir shwören, ja, wir schwörn! - Es lebe der Kaiser!"

(皇帝は手を上げ、鷲を指し、力強い声で言った「諸君! 君たちにこのフランスの鷲を託す! これが君たちの集合する旗印となるのだ。誓えるか、これを死守するということを。誓うか?」若い兵たちの列から大きな声が沸き上がった。「誓います! 誓います! 皇帝万歳!」)

ぐは~、かっけ~。自分もここ読んでいて、「誓います!」って心の中で叫んじゃいましたよ。ちなみにここでいう鷲っていうのは、aigle de drapeauのことですかね。

 あと、当然なんですけどナポレオンのことをドイツ語でder Kaiserって書かれていて、ナポレオンがカイザー……? と個人的には違和感がかなりありました。すんません。ドイツ語でナポレオニックってほとんど読んだことがないので、慣れの問題ですかね。いや、ドイツ語以外にどの言語でナポレオニック読んだことあるんだってつっこまれたら、すんませんとしか言えないんですが。まあでも、ドイツ語でもいい面があって、ihrとかeuchって呼び掛けられるとぐっと距離が近づく感じがしますよね。多分ここ、フランス語だとvousだと思うんですけど。例えばアウステルリッツの有名なナポレオンの演説でも、Soldats, je suis content de vous.ってなってますしね。まあこの辺は言語の問題で仕方ないですし、兵たちはvousって言われてtuの複数だって無意識に受け取れるんでしょうね。知らんけど。


 それと前回のブログに、"Russia Against Napoleon"の影響で最近オイゲン Eugen von Würtembergを推している、みたいなことを書きましたが、Wachau戦でフランス軍の猛攻をまともに受けたところがこの本でも描写されいます。自軍の士官が "Wir gehen alle zu Grunde, schon fährt die Artillerie ab." (わが軍は壊滅してしまう。砲兵はすでに退却を始めた)って言うと、オイゲンはこう答えるんですね。

"Alles soll stehen bleiben!" rief der Prinz. "Nichts sich von der Stelle rühren, was noch stehen kann!" 

(「全軍、その場にとどまれ!」公(オイゲンのこと)は叫んだ。「まだ立っていられる者は、その場から動いてはならん!」)

ぐは~、これもまたしびれる~。今度ゲームで死守しないといけないときは自分も言ってみよう。「アレス・ゾル・シュテーエン・ブライベン!!」って。


 熱いシーンはこれだけじゃないんです。Wachau戦ではナポレオンが決定的な勝利を収めるためにミュラに突撃を命じるんですけど、それまで激しい攻撃にさらされてきた連合軍に仏軍が圧倒的な勢いで押し寄せてきた、っていう場面でこれですよ。

Da - es war hohe Zeit - kam hilfe in der Not.

(その時 ― まさにその時だった ― 渇望されていた救援が現れたのだ。)


 いやもうなんかね、ライプツィヒ本戦よりもWachauのほうが見どころが多いんじゃないかって思いましたよ。"Russia Against Napoleon"にはThe last two days of the battle of Leipzig – 18 and 19 October – were in one sense an anticlimax.なんて書かれていましたし。単純ですみません


(*すみません、面倒くさいので以降、原文を和訳しません。興味ある方は機械翻訳など使ってみてください)

 そうそう、Liebertwolkwitz戦の騎兵戦のほうですが、11時から12時にかけて激しい騎兵の衝突が起こったそうですが、Wittgensteinがこう報告しているそうです。

Es gab ein großartiges Schauspiel, ungefähr 14000 Reiter im Gefecht zu sehen, die sich mit abwechselndem Glück bekämften, einander warfen, wiederkehrten und verfolgten.

 この戦いで指揮を執っていたミュラは、Da drang Murat bei einem dieser Angriffe mutige voran, kam aber durch seine Heftigkeit zu nahe an den Feind.だそうで、Die preußischen Dragoner erkannten bald in dem kleinen Reitehaufen den hohen Offizier an seiner auffallenden Uniformと敵に見つかってしまいます。auffallenden Uniform(派手な軍服)ってどういうこと?って思ったんですけど、このあとミュラの服装が結構細かく描写されていて、そりゃ派手だわと思いました。大きなイヤリングが耳に光っていた、なんて書いてあって、この時代の男性ってイヤリングしてたんですかね? 全然知らないんですけど。

 ってつぶやいたら、DSSSMさんが教えてくれました。


 ミュラはそんな目立つ格好で突出したから、Das ist der König von Neapel, sagete sich ein kühner preußischer Leutnant, namens Guido von der Lippe. "Halt, König!" rief er ihm zu, indem er mit gezücktem Degen auf ihn  eindrang, um Murat zum Gefangenen zu machen.って捕虜になりそうになっちゃったそうです。しかしKönig von Neapelって誰よ?って思っちゃいましたよ。ナポレオニックの知識が無くてすみません。

 この時ミュラを救った仏軍士官はNapoleon schmückte seine Brust mit dem Kreuze der Ehrenlegion.だそうですけど、Légion d’Honneurのこと? って思ったら、またDSSSMさんが「なんか、レジオンドヌール勲章だと和訳されてきますね……」って教えてくれました。ありがとうございます。


 この"Die Völkerschlacht bei Leipzig : ein Gedenkbuch für die hundertjährige Jubelfeier"、古い本なのでその後の研究で内容の評価がどうなっているのかはわからないんですが、筆者Paul Benndorfは歴史研究家で著書も多く出していたそうです。Die Paul-Benndorf-Gesellschaft zu Leipzig e.V.っていう、彼の名前を冠した協会まであります。まあ百数十ページしかない本なので、ご興味持たれた方どうぞ。


2025年10月29日水曜日

1813年、ライプツィヒ。ナポレオン最後のチャンス Wachau1813 (VV182) AAR part2

  このゲーム、開始時に各プレイヤーは作戦チットを消費することで士気を上げることができ、その結果仏軍の士気が連合軍以上になると、主導権は仏軍に移る。しかも1ターン早めて9:00ではなく8:00からゲームを開始できるため、時間との戦いでもある仏軍にとっては魅力的で、実際デザイナーズノートでも仏軍がゲーム開始時に主導権をとることを勧めるような書き方をしている。

 だがいつも中世の会戦ばっかりやっている両プレイヤーはナポレオニックに苦手意識があるため、

「うーん、そんな選択肢を与えてもらってもねえ…。使いこなせるか自信がないんだよね…」

「ナポレオニック初心者なんだから、無理せず連合軍の攻撃から始めようぜ」

と、史実どおりの開始にすることにした。

 

●第1ターン (9:00)

―連合軍ターン

  左翼(マップ左方)のオイゲンが重要地点であるWachauにむかって前進。第1ターンの主導権プレイヤーに与えらえられる砲撃(Bombardement)3を使ってWachau村隣接の仏軍を後退させ、村2へクスを占領する。このゲームでは作戦チットとして得られる砲兵(Artillerie)チットは戦闘支援に使えるだけでなく、移動フェイズに隣接敵ユニットに対して砲撃を行い、退却させることができるのだ。

 そして中央部では騎兵が快速を活かしてLieberwolkwitz村を1へクス占領。Wachau村2へクスと合わせて、フランス軍の士気は一気に3まで下がってしまった。一方連合軍の士気は最高の15に上昇。

「あれ、フランス軍、士気ゼロになったら負けなんじゃなかったっけ? あと何ターンもつのかな~」

と挑発する連合軍プレイヤーである。

 またこのゲームでは各軍、ゲーム中1回だけ作戦移動(Mouvement tactique)を行え、3ユニットの移動力を倍にすることができる。連合軍は作戦移動を利用してマップ右方の歩兵を中央部に向けて転進させた。


―フランス軍ターン

 先手を取られた形のフランス軍だが、すぐに攻勢に移る。まず中央Lieberwolkwitz村の連合軍騎兵をLauristonが3ユニットで集中攻撃。この騎兵ユニットは兵質がCと低いうえ、騎兵は村で単独で守っていると地形効果を得られないのだ。圧倒的に不利な状況を見て、連合軍騎兵は退却して戦闘を回避する。このゲームでは騎兵は歩兵ユニットのみから攻撃された場合、戦闘全後退が可能だ。仏軍は重要拠点Lieberwolkwitz村をあっさり奪還、士気が5まで回復した。


 右翼(マップ左方)ではポニャトフスキーとケラーマンがWachauの左側を守るクライストを攻撃する。両軍ともに砲兵の支援を投入、結果、双方に損害が生じたがクライストは後退。そしてWachauの右側ではヴィクトールが連合軍騎兵1ユニットを高地上から攻撃する。ここでは敵騎兵に戦闘前後退をさせないよう、Latour-Maubourgの騎兵がヴィクトールを支援。DRM+4の攻撃となり連合軍騎兵は壊滅した。

 各指揮官ユニットは戦闘修正値(Modificateur au combat)をもち、戦闘時のDRMとなるのだが、仏軍右翼のポニャトフスキーとケラーマンは2と優秀である。一方連合軍のクライストは1で、指揮官の質ではマップ左方は仏軍が優位に立っている。ちなみにクライストの横、Wachauを守っているオイゲンだが、最近読んだ"Russia Against Napoleon"で結構高く評価されていて個人的には推しているんだけど、戦闘修正値は1である。オイゲンの部隊はこのWachauの前にKulmの戦いで活躍しているんだけど、そこで消耗した状態だったのにWachauではフランス軍の攻勢をまともに受けたそうだ。 


(つづく)


2025年10月25日土曜日

1813年、ライプツィヒ。ナポレオン最後のチャンス Wachau1813 (VV182) AAR part1

  ライプツィヒの戦いって言ったらナポレオニックに詳しくない自分でも知っているぐらいメジャーな会戦で、たしか1813年のドイツ戦役でのナポレオンの敗北を決定づけたんじゃなかったかな。以前も紹介したけどVaeVictis182号の「Wachau 1813」はこの会戦の初日を扱ったもので、ライプツィヒ南東のナポレオンの攻勢にフォーカスしたもの。Wachauなんて全然知らなかったけど、デザイナーズノートには

Wachau était la dernière occasion de vaincre des coalisés encore partiellement séparés...Et il n'est pas passé très loin de réussir...

(Wachauはまだ集結しきっていない連合軍を撃破する最後のチャンスだった…しかも、勝利にあと一歩のところまでいったのだ…) 

なんて書いてある。ここんとこナポレオン関連の本を読んだり、仕事から逃げるためにDSSSMさんが作ってくれた「著作権切れナポレオン戦争関連洋書Wiki」にちょこちょこ書き入れたりしていてナポレオニック熱がちょっと上がってきたので、Wachau1813もやってみた。

 初期配置は写真のとおり。ヴィクトール、ケラーマンといった、ナポレオニックに詳しくなくても聞いたことあるような指揮官がユニット化されているのがうれしい。個人的にはポニャトフスキー、それに最近知ったオイゲン・フォン・ヴュルテンベルクが登場しているのがツボかな。ただね、名前の表記がフランス語になっていて、WurtembergとかRaïevskiになっている。自分の限られた知識だと、カタカナにするときも表記が割れているケースがちらほらあるみたいなので、このAARではつづりもカタカナも自分の好きなものを採用することにする。あと、フランス軍には親衛隊もいて、もちろん兵質は最高のAである。気持ちが上がるよね。連合軍側にはロシア軍近衛兵もいる。

 なおフランス軍の親衛隊、それにマップ左下、連合軍の近衛兵を含む部隊には行動制限がかかっており、ゲーム前半は移動は1へクスのみ、かつ攻撃もできない。また仏軍には第5ターンにマップ右上からマクドナルド率いる増援が登場する。そのほか両軍ともに、登場する可能性のある増援がある。

 1ターンは1時間、各プレイヤーが移動・攻撃を繰り返すという比較的簡単なゲーム。デザイナーズノートでも、短時間でプレイできるって書いている。戦闘は戦力比、地形効果、指揮官の能力、兵質などをDRMにするという、Jours de Gloireシリーズなんかと似ているのだが、2d6なので極端な目が出る可能性がある。

 このゲームで重要なのが軍の士気。敵軍の士気をゼロにすると勝利なのだが、連合軍は仏軍の士気を崩壊させなくてもゲーム終了時まで自軍の士気がゼロにならなければ作戦的勝利を得られるので、フランス軍としては攻撃に攻撃を重ねて敵の士気を崩壊させないといけない。しかも一応、第10ターン(18:00)まであるものの、第8ターン(16:00)からターン開始時に2d6を振って2~5だとゲーム終了となっているので、フランス軍としてはいつまで時間があるかわからず一層焦って攻撃せざるを得なくなっている。

 士気はゲーム開始時、連合軍は10、フランス軍は9。マップ上の重要地点(Objectif géographique)を占領すると士気が上がり、取られた側は士気が下がる。また戦闘結果表が攻防ともに出血しやすいものとなっているため、戦闘が続くとじわじわと両軍ともに士気が下がるようになっている。なお士気が3以下になった軍は攻防ともに不利なDRMが課されてしまう。

 士気が敵より高い軍が主導権を獲得し、各ターン主導権側からプレイする。どういうことかというと、非主導権プレイヤーは相手に損害を与えたり重要地点を占領たりして敵の士気を低下させ、自軍の士気が敵を上回ると、主導権が回ってきて次のターンも続けて先にプレイできるのである。戦況の逆転が表現されやすいのかな。

 士気に影響する重要地点はマップ左半分に多くあり、両軍主力もこちらに配置されているため、この方面が主な戦場になる。だが仏軍の増援であるマクドナルドの部隊がマップ右上から登場すると、正面からのぶつかり合いという状況に変化が出ることだろう。

 また、Marqueurというチットがあって、各プレイヤーは毎ターン1枚獲得できる。このMarqueur、砲兵の支援やコサック、それに増援の登場などかなり雑多で、まあよく言えば変化に富んでいてプレイに高揚感や緊張感を与えていると思うんだけど、Marqueurって「マーカー」って訳すとなんか味気ないので、このAARでは作戦チットと呼ぶことにする。


(つづく)


2025年10月19日日曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ 「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part5

 ●第3ターン

 前ターン、包囲網を突破したフランス軍の攻撃で大きな損害を受けたロシア軍だが、敵は攻撃・追撃をして分散し、しかも1スタックは混乱状態となっているのだ。今反撃しなくてどうする。ロシア軍はSomovのイニシアティブ値を使って、今ターンも命令下にできるかどうか賭けに出る。気合を入れて振ったサイコロ(Vassalなんで、気合を入れてサイコロボタンをクリックだけど)の目は3でチェックに成功。おっしゃ、仏騎兵を袋叩きだ。

 ロシア軍はフランス軍右翼(マップ下方)の混乱状態のスタックを歩兵2ユニットで包囲。混乱状態になっても仏親衛擲弾騎兵は士気6と強力なのだが、戦闘力は両ユニットともわずかに1。敵歩兵の集中攻撃を防ぎきれず敗走を余儀なくされるものの、包囲されていたため壊滅した。

 このシナリオでの勝利得点は敵ユニットを壊滅させると通常2点を得られるのだが、親衛擲弾騎兵はなんと5点なのである。今回のスタックの壊滅で仏軍は一気に7点を敵に献上してしまい、ロシア軍の累計勝利得点は9に上った。仏軍の得点は13なので、また仏騎兵スタックが包囲、壊滅すると逆転となる。


 ロシア軍によって各スタックが分断、包囲されてしまったフランス軍だが、中央では前面にいる混乱状態のSomov騎兵を攻撃、壊滅させる。そして下方では、Sackenの砲兵の横をすり抜け、混乱状態の歩兵を攻撃、敗走させた。Jours de Gloireシリーズでは砲兵はZoCを持たないため、歩兵とスタックしていないとこういうことが起きてしまうのだ。


 仏軍の攻撃でボロボロのSacken隊は敵騎兵に接敵して機動を阻害するぐらいしかできない。混乱状態のユニットも、士気が低いためなかなか回復しないのである。

 そんなロシア軍をしり目に、仏軍は敵に襲い掛かる。そしてマップ上方で混乱状態だったスタックは、ロシア軍騎兵によって回復を妨害されていたが、やっと2ユニットとも正常状態に戻った。

 ターン最後の敗走移動フェイズではロシア軍歩兵2ユニットが盤外に。これでフランス軍の勝利得点は20となった。



●第4ターン

 かなり兵力が減少しているロシア軍だが、マップ右下端の仏スタックを歩兵と砲兵のスタックで封じ込めた。


 このシナリオはかなり短く、今回が最終ターンである。敵より7点以上得点が上だと勝利で、勝利得点でフランス軍はロシア軍を大きく上回っている。マップ下方で動きを封じられた自軍スタックは集中攻撃を受けると後退できないので危ないが、それでも時間を稼げば勝ちである。

 だが、親衛騎兵がそんなセコい勝ち方できるか!  敵はもう崩壊寸前だ、突撃!  突撃!  とマップ上方の2スタックがSomov隊に襲い掛かる。ロシア軍騎兵は仏親衛騎兵の敵ではなく、次々と敗走していった。


 ロシア軍は最後のあがきで使える戦力をかき集めて攻撃する。騎兵1ユニットが移動力8を活かして後方に回り込み、歩兵2ユニットともに仏軍1スタックを包囲。DRM+3となり、仏親衛騎兵は後退できずに壊滅してしまった。そのうち1ユニットは親衛擲弾騎兵なので、計7点をロシア軍は獲得。やっぱりフランス軍は変にこだわらずに後退したほうがよかったか。 

 とはいうものの大勢は覆らず。ターン最後には敗走移動でロシア軍騎兵2ユニットが盤外に消えていった。結果、フランス軍の損害は親衛擲弾騎兵2ユニットを含め5ユニットの壊滅でロシア軍は計16点。ロシア軍の損害は壊滅12ユニット、計26点で、仏軍の圧勝となった。これでLepicも無事généralに昇進することだろう。


 この「親衛擲弾騎兵の突撃」シナリオ、ターン数は短くユニット数も少ないのでサクッとプレイできる。VaeVictis178号付録の「La Garde veille!」収録の二つのシナリオのうち一つだから、ミニミニゲームなのは当たり前なんだけどね。フランス軍親衛騎兵を思う存分暴れさせたい、という人向けかな。でもちょっと判断を誤ったり運が悪かったりすると、ロシア軍が数の暴力で袋叩きにしてくるので気が抜けない。それと、Jours de Gloireシリーズは多く出ているので、その導入といういうか練習シナリオとしても適しているんじゃないかな。


 ところでアイラウ戦での仏騎兵の突撃だけれども、仏中央のオージュローの軍団が敗走し、ナポレオンが危機に陥ったとき親衛隊が反撃、そしてミュラが騎兵を率いて突撃した、と言われている。このミュラの突撃は結構有名なようで、ヒストリカルノートではune des plus formidables charges de l'histoire(歴史上もっとも凄まじい騎兵の突撃の一つ)なんて書かれている。でも実際どうだったのか、ナポレオニック関連ではいつも勉強させてもらっているサイト「祖国は危機にあり!」「祖国は危機にあり!(La partie en danger)関連blog」では様々な資料に当たって考察されているので、ご興味ある方はどうぞ。

1807年2月8日 アイラウ

吹雪の騎兵突撃

アイラウ 3









2025年10月14日火曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part4

 ●第2ターン(続き)

 ロシア軍に囲まれてしまったフランス軍親衛騎兵。包囲されていない唯一のスタックは混乱状態である。フランス軍危うし、と言いたいところだが、包囲下の仏軍主力の正面にいるSackenの歩兵は3ユニットとも混乱状態なのである。そのうち2ユニットは砲兵とスタックしているが、そんなもの、Lepicにとっては<< Haut les têtes, la mitraille, c'est pas de la merde! >>である。……と気合で突っ込む前に、確率を一応計算してみると砲撃力3のSackenの砲兵が士気7の仏擲弾騎兵を防御射撃で混乱させる確率は8%に過ぎない。そりゃ砲弾なんか意に介さず突っ込むよね。「突撃! 突撃!」である。フランス軍騎兵の猛攻を支えられるはずもなく、Sackenの兵は散り散りになって敗走していった。

 ちなみに「頭を上げろ、これは砲弾だ、ク〇じゃないぞ!」っていう叱咤で知られるLepicだが、敵の包囲を突破したものの負傷し、しばらくの間自分だけでは騎乗することはできなくなったそうだ。ヒストリカルノートによると、Lepicの部隊は全滅したとナポレオンは思っていたが、親衛騎兵の帰還を見て喜び、Lepicをgénéralに昇進させた。ナポレオンは« Je vous croyais pris général, et j'en avais une peine très vive. »(もうすでにgénéralに昇進させていたと思っていた。本当にすまない)って言ったそうだけど、これってナポレオン流の人心掌握術なのかな。そう言われてLepicは« Sire, vous n'apprendrez jamais que ma mort! »って応えたらしい。これ、意訳すると「陛下、自分は戦場で死ぬ覚悟です!」って感じになるかと思う。ナポレオン時代のフランス軍の階級ってよく知らないんだけど、généralの中でも一番下のGénéral de brigade(准将)になったってことかな。Lepicはその後スペインのFuentes de Oñoroの戦いやロシア遠征、1813年のドイツ戦役やその翌年の国内戦役を戦い抜き、ワーテルローにも参加したそうだ。

 

 ボロボロになったSacken隊だが、ここでやっと砲兵が気を吐き、至近距離からの砲撃で士気6の仏騎兵1ユニットを混乱状態にした。自隊砲兵の奮戦を見て気を取り直したか、先ほどの仏騎兵の攻撃で敗走状態となっていた歩兵2ユニットが奇跡的に回復した。敗走状態のままだとターン最後の敗走移動フェイズに盤外に逃げ去ってしまい壊滅扱いとなるので、ロシア軍としてはかなりありがたい。


 再び仏軍の活性化。敵に囲まれてほぼ身動きできない状態は変わらない。攻撃あるのみ。混乱状態の砲兵と歩兵のスタックを蹴散らし、敗走させる。Somovの騎兵は敗走する自軍に巻き込まれて混乱状態となってしまった。そして仏軍は敵の至近距離からの砲撃をものともせず、砲兵を蹂躙する。さすが親衛擲弾騎兵。だが、先ほどのSackenの砲撃で1ユニットが混乱状態となっていた仏軍下端のスタックのうち、残る1ユニットがSackenのスタックを攻撃するものの、砲兵の返り討ちにあい混乱状態となった。これで仏軍下端のスタックは2ユニットとも混乱状態である。

 ターン最後の敗走移動で露軍歩兵2ユニットが盤外に消えた。ロシア軍はこのターンの仏軍の攻撃で大きな損害を受け、累積損害が歩兵3,擲弾マーク付きの歩兵1、砲兵2ユニットで、仏軍の勝利得点は計13。ロシア軍の歩兵は一部に擲弾マークがついていて、普通の歩兵は壊滅すると2点のところ、擲弾付きだと3点なのである。一方、仏軍の壊滅は1ユニットにとどまっており、露軍は2勝利得点のみだ。だが、仏軍は半数が混乱状態となっており、精鋭ぞろいの親衛騎兵といえども衝力はかなり落ちている。


(つづく)


2025年10月10日金曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part3

 ●第1ターン(続き)

 仏軍の2回の攻撃を受けたロシア軍に、Somov隊の活性化が回ってくる。

 この「La charge des grenadiers á cheval」シナリオでロシア軍の悩みどころなのが、Somov隊を制限なしに行動できるようにするかどうか、という点である。というのも、Somov隊は非命令下(Sans Ordres)なのだ。Jours de Gloire(JdG)シリーズでは命令下(Ordres Reçus)の部隊は通常通り行動できる一方、非命令下だと移動力半減で攻撃を行おうとする際にもチェックが必要になる。ロシア軍の半数以上を占めるSomov隊がこんな感じで行動に足かせがあるんじゃかなり不利、となるところだが、JdGシリーズでは非命令下の部隊は、1d10を振って活性化チット(MA)のイニシアティブ値(valeur d'initiative)以下を出すと、命令下と同じ状態になる。ただし失敗すると移動も攻撃もできなくなるため、オールオアナッシングに近いギャンブルである。Somov隊のイニシアティブ値は5なので、成功の確率は60%。うーん、悩ましい。

 ただMen of Ironシリーズやっていると、動いてほしい部隊が動かなかったなんてことは日常茶飯事だし(それがまた歯がゆくもあり面白いところだと思うんだけど)、安全策をとるよりもギャンブルに出たほうが面白いと自分は思うほうなので、Somov隊はチェックを行うことにした。チェックに成功すると制限なしに行動できるだけでなく、このシナリオでは既述のとおり仏軍と露軍が交互に活性化していくのだが、Somov隊が命令下で活性化した次のターンは、露軍からになる。今はもう第1ターンの最後で、次のターンも露軍からということは、今回チェックに成功すれば2回続けてSomov隊を動かせるのだ。これぞギャンブルの醍醐味。


 ということで露軍はSomovのイニシアティブ値を使ってチェックを行い、成功。Somov隊の砲兵はSackenより強力で砲撃力5なので、砲撃で敵を混乱させたところに側面から回り込んで攻撃、と思いきや、士気の高い仏騎兵は露軍の砲撃に動揺せず。やっぱLepicの親衛騎兵だからね、砲弾なんかにひるむわけないよね。

 だが露軍はスペースが開いているマップ左方に回り込み、仏軍右翼を守っていた騎兵1ユニットを3ユニットで攻撃。DRM+4の攻撃にたまらず仏騎兵は退却するものの、士気チェックには耐えた。

 


●第2ターン

 先述のように、Somovがチェックに成功し命令下となって活性化したため、このターンは露軍からとなる。当然、前ターンの最後に引き続いてまたもSomov隊が動く。このターンもイニシアティブ値を使って命令下にできるチェックを試みるのだが、Somov隊は前ターンの攻撃でマップ左方に展開したため、左翼と右翼の戦術グループ(groupe tactique)に分かれている。チェックは戦術グループごとに行わなければならず、左翼(マップ左方)のグループは成功し命令下になったものの、右翼は失敗し何もできなくなってしまう。

 Somov隊左翼は騎兵1ユニットが移動力8の快速を生かして仏軍後方に回り込む。そして前ターン攻撃した仏騎兵1ユニットを再びDRM+4で攻撃。たまらず仏騎兵は混乱状態になって後退、そこに露軍が追撃をかける。仏軍は敗走状態となって再び後退を余儀なくされるも、さきほど回り込んできていた露騎兵が後方にいたため退却できず壊滅。この結果、仏軍の主力である3スタックが包囲されてしまった。 

 これってまさに、このAARの一回目で紹介したLepicのエピソードと同じ状況である。対人プレイをしていたら、ロシア軍プレイヤーは降伏勧告をするんだろうなあ。仏プレイヤーは、「わが騎兵が降伏するように見えるか!」って言い返すんだろうなあ。で、待ってましたとばかり

「ラ・シャルジュ! ラ・シャルジュ! エ・ヌ・パスロン!」

って言うんだろうなあ。

でもロシア軍は「¡No Pasarán!」って返して、

「いや、それフランス語じゃないし、ロシア語でもないし。というかナポレオニックじゃなくてスペイン内戦だし」

って突っ込まれるんだろうなあ。仏語と西語って似た単語多いよね。


……というやり取りを想像してしまいました。一人寂しいぼっちプレイ。


(つづく)


2025年10月5日日曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ 「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part2

  露軍は2部隊(formation)構成で第一線がSacken、その後ろにSomovの部隊が控えており、歩・騎・砲のバランスもとれている。一方、仏軍はすべて騎兵で一つの部隊としてまとまっている。

 兵数は、仏軍は9ユニット、これに対し露軍は17ユニットと倍近くある。しかも仏軍の約半数の5ユニットは戦闘力(Points de force)が1、残り4ユニットも2しかない。露軍の戦闘力は2~4だ。

 こんな敵にLepicは少数の騎兵を引き連れて突っ込んでいかないといけないのか、と思いきや、仏騎兵の士気(Cohésion)は6~7と高い一方、露軍の11ユニットの士気は3,残るユニットも砲兵を除けば士気は4しかない。しかも仏軍はLepicの部隊の活性化チット(Marqueur d’Activation, MA)が2枚あって1ターンに2回活性化できるのに対し、ロシア軍はSacken,Somov両部隊ともMAは1、つまり1ターンに一回しか動けない。まあ簡単に言って質対量の戦いである。

(なお「La Garde veille!」はJours de Gloire(JdG)シリーズで、ルールに関しては以前、「La Garde avance!」のAARを書いたときに結構触れたのでそっちを見てみてください。それと用語の訳については、これも「La Garde avance!」のAAR同様に自分の好きな言葉を当てています)

 

●第1ターン

 活性化はフランス軍から。JdGシリーズはチットプルで毎回スリリングな感じになるのだが、このシナリオでは両軍が互いに1MAずつ活性化するというように変更されている。

 仏軍の初期配置では中央2スタックが突撃(charge)を行える位置にある。仏軍騎兵はすべて重騎兵なので突撃を行うと+3のDRMが付き、正面のSackenの歩兵の士気の低さも考えると簡単に蹴散らすことができるだろう。だが敗走する敵を追撃して敵陣深くに切り込むことになり、待ち構えている露軍Somovの部隊から袋叩きにされるのは目に見えている。仏軍の危機を救うために親衛騎兵が敵中央に突撃したなんてシチュエーション、それにLa charge des grenadiers à cheval(親衛擲弾騎兵の突撃)なんてシナリオタイトルからして、フランス軍は突撃したくなるだろう。でもこれはおそらく孔明、じゃなかったデザイナーの罠だ。

 

 というわけでフランス軍は突撃を控え、4スタックで敵Sacken隊の右翼(マップ上方)から中央にかけて攻撃を行う。JdGでは騎兵は突撃を行うとプラスのDRMを得られるが、逆に通常の攻撃(choc)では-2の不利な修正がつく。全ユニットが騎兵のフランス軍にとってこれは痛い、と思いきや、-2の修正を補って余りあるほど仏軍騎兵は士気が高いのである。Lepicの「ク〇じゃないぞ!」っていう叱咤のおかげかな。結果、ロシア軍は2ユニットが敗走してしまった。

 露軍Sacken隊中央の砲兵は目の前まで迫ってきた仏騎兵に慌てて砲撃を加えるものの、効果なし。Sackenの砲兵は砲撃力(capacité de tir)が3と低いうえに、「アイラウの墓地」シナリオ同様、アイラウでの悪天候を反映して砲撃時には-1の不利なDRMつくので、隣接へクスかつスタックへの砲撃であっても、仏騎兵に損害を与えるのは難しくなっている。Sacken隊は後退、戦列を整えた。


 仏軍はSakcen隊に猛攻を続ける。敵砲兵の防御射撃(tir de réaction)をものともせず突っ込んでいき、ロシア軍歩兵は次々と混乱状態になって後退していった。だがマップ上方での攻撃は、Somov最右翼の騎兵を混乱状態で退却させ突破(choc de rupture)、露軍騎兵にたたみかけようとするも、+3の攻撃でまさかのサイの目ゼロ。仏騎兵スタックの攻撃は撃退され、混乱状態になって退却する羽目に。混乱状態だと攻撃ができないので、ユニット数が少ない仏軍にとってはかなり痛い。


(つづく)



2025年10月1日水曜日

吹雪のアイラウで包囲された親衛騎兵が叫ぶ 「突撃! 突撃! 突破するのだ!」 La Garde veille! (VV178) AAR part1

  先日、9月20日はナポレオン時代の仏親衛擲弾騎兵の指揮官Louis Lepicの誕生日だったっていうツィートを見まして。Lepicって言ったらアイラウ戦で仏軍が苦戦に陥る中、露軍の激しい砲撃にさらされた親衛騎兵に対して« Haut les têtes, la mitraille, c'est pas de la merde! » (頭を上げろ、これは砲弾だ、ク〇じゃないぞ!)って鼓舞したエピソードで知られているんじゃないかと思います。でも自分はmerdeよりも砲弾のほうが怖いですけどね。だって当たったら大けがしたり命を落とす可能性だってあるじゃないですか。

 つい最近たまたま『Biographie des célébrités militaires des armées de terre et de mer de 1789 à 1850』っていう、18世紀末から19世紀半ばにかけての仏軍人の辞典みたいなものがあるのを知ったので、Lepicは載ってるかなって見てみました。アイラウでは仏軍中央でオージュローの軍団が敗走しナポレオンのもとに露軍が迫るんですけど、仏軍は親衛隊を投入して反撃、さらに騎兵の突撃も行うんですね。で、Twitterでもつぶやいたんですけど、上記の資料にはこんなエピソードがありました。 


 …Lepicは突撃ののち、激しい降雪で方向を失いロシア軍に囲まれてしまった。降伏を促されたが、配下の擲弾騎兵たちを指して言った。

« Regardez ces figures, et dites-moi si elles ont l'air de vouloir se rendre. » 

(この兵たちを見よ、そして彼らが降伏しようとしているように見えるか言ってみよ)


 だがLepicは危機的状況を分かっており、擲弾騎兵たちに呼びかけた。

« Amis, il faut vaincre ou mourir aujourd'hui, nous avons trois lignes d'infanterie à renverser. Beaucoup d'entre nous y resteront sans doute; mais dût-il n'en retourner qu'un seul pour porter la nouvelle, l'honneur du corps et celui de notre étendard seront sauvés.»

(戦友たちよ、今や、勝利か死かだ。我々の前には敵の歩兵三列が立ちふさがっている。間違いなく、我々の多くはここから脱することはできないだろう。だが一人でも帰還して(我々が奮戦したという)知らせをもたらせば、わが軍団と軍旗の名誉は救われるのだ)


 この言葉に奮い立った擲弾騎兵たちは叫んだ。

« La charge ! la charge! et nous passerons! »

(突撃! 突撃! 突破するのだ!)


 ぐは~、しびれる~。「ク〇じゃないぞ!」よりも「突撃! 突撃!」のほうがいいわ~。Lepicの言葉じゃないけど。

 こりゃいい話を見つけられてラッキー、と思っていたらこれ、Wikiにも書いてあるんですよね。しかもアイラウ戦をあつかったVaeVictis178号のヒストリカルノートにも載っていたという…。ゲームをプレイしてAARも書いたぐらいだからヒストリカルノートは絶対読んだはずなのに、すっかり頭から抜けてましたわ。

 でもこのエピソード、他の資料では見つけられないんですよね。まあ、ちゃんと探していないんですが。なので本当にこう言ったのかどうか、誰かが盛っちゃってそれが後世に伝わったんじゃないかっていう疑念がぬぐえないんですが、いいんですよ。しびれるエピソードはいくらあっても。


 そんなLepicですが、この突撃をシミュレートしたゲームがあるんですよ。先述のVaeVictis178号の、「La Garde veille!」。前回AARを書いたのは「アイラウの墓地」シナリオですが、それとは別に「親衛擲弾騎兵の突撃」というシナリオもあるんですよね。こりゃプレイするしかないでしょ。って意気込んだんですけど、VaeVictis178号、実家に置いてきて手元にないわ、ダメじゃん俺…。と意気消沈していたんですけど、スキャンデータをとっていたことを思い出しました。ナイス俺。で、Vassalモジュール的なものを作ってソロプレイしてみましたよ。

(つづく)


Battle of Wada (Bushi Life #5) AAR part5

-Turn 7  The Wada restored their forces to full readiness. While the Bakufu had conducted a successful volley in the previous turn, it was t...