●第9ターン
イニシアティブはブルゴーニュ軍がとった。両軍とも消耗しきっているこの終盤、やるかやられるかだ。シャルル・ル・テメレールが動かせるだけの兵をかき集めて攻撃。スイス軍は熾烈な射撃に耐えられず次々と敗走していく。これまでの激戦でスイス軍の多くは士気低下かつ疲労状態となっており、この状態でさらに士気低下の結果を受けると敗走してしまうのだ。このターンもシャルルが陣頭に立って白兵戦、Goldiのユニットを壊滅させた。マップ上方のCampobassoも奮戦、スイス軍右翼に追い打ちをかけた。
このCampobassoはイタリア人で、Campobasso伯Nicola di Monforte、フランス語だとNicolas de Montfortと表記されるようだ。『Charles the Bold』ではCola de Monforteってなっていた。このGrandsonの戦いの翌年、シャルルが戦死したナンシーの戦いでは敵に寝返りブルゴーニュ軍の敗戦に貢献している。不利になったら臆面もなく味方を見捨てて敵側につくイタリア傭兵隊長コンドッティエーレっていう、自分が勝手に持っているイメージにピッタリである。『Charles the Bold』ではthe traitor Campobassoなんて書かれていた。たぶん、VaughanはCampobassoに怒ってるよね。
マップ下方では両軍の死闘が続く。ブルゴーニュ軍Hochbergがわずかに残っている弓兵でEptingenの騎兵を壊滅させるも、スイス軍の攻撃で台地上からブルゴーニュ砲兵は掃討された。
両軍ともに損害が蓄積していっているが、壊滅による勝利得点はスイス41,ブルゴーニュ32といまだスイスが有利。ブルゴーニュはConcise村を奪還したが、その5点を計算に入れてもスイス軍がまだ得点的には上回っている状況だ。次で最終ターン。ブルゴーニュ軍は最後の奮闘で得点差をひっくり返すことができるか。一方のスイス軍はボロボロの状態だが、なんとか敵の最後の攻撃をしのぐことができるか。
●第10ターン
最終ターンである。射撃フェイズでマップ下方のFaucingy部隊に損害を与えたブルゴーニュ軍は、さらにイニシアティブも獲得。シャルルが全力で敵に追い打ちをかける。射撃によってScharnachtalのユニットが壊滅。シャルルが率いる精鋭騎兵が敗走しているFaucignyを背後から襲い壊滅させた。
スイス軍は頼みの左翼(マップ下方)のFaucigny部隊も半壊し、ほとんど何もできず戦列を整えようとするのが精いっぱいである。ブルゴーニュ軍はCrèvecœur、Orange、Campobassoと各部隊が消耗しているスイス軍に白兵戦をしかけていった。
そして戦いは終了。敵よりも勝利得点を7点以上獲得したほうが勝ちである。終盤の猛攻によって、壊滅や敗走ユニットによる得点でブルゴーニュ軍が3点上回った。さらにConcise村を確保していることで5点プラス。だがブルゴーニュ軍騎兵が攻撃できなかったターンが3つあり、それを差し引くとブルゴーニュ軍とスイス軍の得点差は5となって、引き分けに終わった。
いやー、最後まで勝負がわからないいい戦いで両プレイヤーとも楽しめました。既述のようにスイス軍は戦力、兵質、兵種も優れているので白兵戦では優位に立つし、士気低下したり敗走しても兵質が高いので回復しやすい。それに士気ボーナス3という鬼のようなRedingもいるし。なのでブルゴーニュ軍は不利かと思いきや、今回は弓兵を有効に活用して互角以上の戦いができたんじゃないかな。le Téméraireなんてあんまりいい意味ではない呼び名をつけられたシャルルの汚名返上、といったところではないでしょうか。